ブルーハーツ結成30周年、解散後も影響を与え続ける魅力とは パンクの特性から読み解く

日本にパンクロックを定着させたブルーハーツ
パンクの歴史と魅力
社会性と深く関わりのあるパンクという音楽。一体どういった歴史を持っているのだろうか。パンクの発祥、そしてパンクロックがどの時代のどの地域で確立されたのか。遡ってみると、1970年代中頃のイギリス・ロンドンに焦点は当てられる。「当時の流行の音楽」ではなく「パンクというムーブメント」であった。
1970年代当時、パンクムーブメントの中心にいたのが「セックスピストルズ」というバンドだ。彼らはパンクという音楽を最もわかり易く世間に呈示したバンドとも言える。礼儀や敬語、気づかいなどというある種の社会性を完全に取り払い、土足で突き刺す衝動。彼らの物腰やファションなどにみる遠慮がない点は、ビジュアルや動向、そしてその衝動に満ちた演奏から伝わってくる。
ロカビリーやロックンロール、モッズスタイルを継承したパンクのサウンドやファッション性は、歴史と改新をストレートに表現した、「判りやすさ」と「刺激的な面」を併せ持った魅力的なものだ。モヒカンや金属アクセサリーで身にまとう、前身レザースタイル、ド派手な原色を各種合わせたジャケットなど。どれも一度はやってみたくなるが少しばかり勇気がいる。しかし、パンクというムーブメント下では、その遠慮や臆する気持ちを払拭し、堂々と表現するという観念がある。そして、そこには個々の信念を必要としているのではないだろうか。
パンクは単に反抗している訳ではなく、ましてや好き放題に振る舞ってふざけている訳でも無い。表現や純粋な感情など、社会や人間に対して常に本質や真実を問う行為だ。革新を伴ったチャレンジに対し、恐れず表現し続けるという生産的な行為。そしてその姿勢だと捉える事が出来る。その結果、挑発、あるいは反抗、という風にも映るのではないだろうか。