INTERVIEW

佐野勇斗

飛躍の3年「大事にし続けたいピュアさ」 エンタメ業は「天職」


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:22年03月10日

読了時間:約7分

 佐野勇斗が映画『嘘喰い』(中田秀夫監督)で横浜流星演じる天才ギャンブラー・斑目貘の“相棒”梶隆臣を演じる。その佐野が主演する同映画の連動オリジナルドラマ『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』(dTV)が配信中だ。TBS日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』にメイン出演し、同『ドラゴン桜』では主人公の元教え子をミステリアスさを含ませた芝居で好演。現在放送中の日本テレビ日曜ドラマ『真犯人フラグ』でも物語を左右する重要な役どころを好演中だ。佐野にインタビューを実施したのは、18年9月に公開された映画『3D彼女 リアルガール』。この3年間での活躍は目覚ましいものがある。役者としての個性を確立しつつある佐野。その一方でピュアさは変わらない。この3年の歩み、その先の本作。役者・佐野勇斗はどう捉えているのか。【取材・撮影=木村武雄】

梶隆臣を演じる佐野勇斗(C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会 (C)エイベックス通信放送

濃厚な3年、大切にしたいピュアさ

――この3年はどう感じていますか?

 まだ3年しか経っていないのかという印象です。3月23日に24歳になりますが、その数字を見ると早いなと感じます。感覚的には『3D彼女』は7年くらい前なんです。なので、まだ3年という気持ちです。小さい頃に見ていたキラキラとした芸能界ですが、最近はその難しさも感じていますし、キラキラしているのはごく一部で、大変な事ばかりというのも実感していて。でもその中でも楽しさを見つけられたからこそ今も続けています。自分で言うのもおこがましいですが、エンターテインメント業界に僕は向いていると思うんです。天職だなって感じています。

――この3年で頼もしくなった印象ですが、変わらないのはピュアさ。とても大事なことですね。

 いやいや、腹の中は真っ黒ですよ!(笑)それは冗談ですが、どんなことも楽しむ少年心のようなものは忘れたくないと思っています。最近はどれも数字で表されてしまうように感じていて、どうしてもそれを意識してしまう自分もいて。でも楽しむことを忘れたくないなというのはこの半年で思うようになったことで、そういう意味でもピュアさは大事にしたいです。

――何か数字にまつわる出来事があったんですか?

 例えば、M!LKでYouTubeをやっているんですけど、どうしても登録者数や再生回数が見えてしまうので、それを上げる事ばかり考えていたんです。でも、企画会議でプロデューサーの方に「5人は面白いから、自分達が一番楽しいと思う事をやればいいと思うよ。もちろんバズるものもやった方がいいけど、楽しいと思う事をやっていけば繋がっていくから」って言って下さって、そこで当たり前の事を忘れていたなと気づかされました。それ以来、役者の仕事もそうですが、インスタもでも自分の中で一つ楽しいと思うことを見つけようと思っていて、役者だったら突き詰める事が楽しさの一つだと思いますが、いかにナチュラルにできるかとか、今回の作品でしたら、いかに梶になれるかとか。そうした楽しむという気持ちを持つことの大切さはついこの間、思い出しました。

――では今後の芝居にも良い影響を与えそうですね。

 そうですね。楽しさという意味では、固くなり過ぎていたというか「もっと上手くならなきゃいけない」ということばかり考えていました。それも大事ですが、楽しむ気持ちもすごく大事だと思いますので、その気持ちをもう一度呼び起こして向き合っていきたいです。

佐野勇斗

佐野勇斗

梶隆臣は視聴者の目線

――そのなかで『嘘喰い』の梶隆臣はどう演じようと思われましたか?

 唯一、一般的な目線を持った人物といいますか、闇の世界の人間ではないというか。視聴者の方が感情を乗せやすい役だと思いました。中田監督にもそこは常々言われていました。もちろん原作を読みましたが、貘さんとのバディ感や成長した後の髪型など以外はあまり原作に固辞しすぎないように、でも原作ファンの方に引っ掛からないようにというのは大事にしました。

――読み合わせとか、衣装合わせはいかがでしたか?

 中田監督からは「普段からドラマに出ていて、日常生活の自然な仕草なども芝居でできるように研究していると思うけど、今回は立ててほしい。その方が作品の話に負けないから。『え!?こんなにやる?』というぐらいのオーバーリアクションでちょうどいいと思うし、やり過ぎないところは僕が言うので」と言われました。なので、芝居を立てるというのを意識したので、普段よりもオーバーリアクションかもしれないです。でも、僕は普段からオーバーリアクションなので…(笑)グループの活動の時は、普通の人からしたらオーバーリアクションでそれが自然と染みついているんです(笑)。なので、それを出した感じです。舞台っぽいと言えばそうかもしれないです。

佐野勇斗

佐野勇斗

横浜流星が引き出した梶隆臣

――佐野さんは相手に感情を引き出されるタイプですか、それとも引き出すタイプですか。

 引き出されるタイプです。昔から相手の芝居によって変わる部分はあります。引き出せるようになりたいと思うんですが、どちらが得意ですかと言われたら、相手の芝居を受けて反応するのが得意ですし、好きです。

――ここ最近のドラマの印象もありますが、佐野さんらしさ、役者としての佐野さんの核というのが確立されたように思えます。『ドラゴン桜』も『真犯人フラグ』でもそうで、相手に引き出されていくというのはすごく良いことだと思います。

 欲を言えば、両方できるようになりたいというのはあります。泣くシーンにしても、一人で物思いにふけて泣くよりかは、何かセリフや動作があってふわって泣く方が感情が乗っていることが多いですから。

――逆に言えば、引き出しがたくさんあって、相手に引き出されるというのは、その引き出す鍵をもらっているような感じですね。

 おっ! さすが! 今後、使わせてもらいます!(笑)

――『3D彼女』の時はご自身に近い役柄で、ご自身は廊下で走り回っていた少年だったとお話しされていましたが、『ドラゴン桜』や『真犯人フラグ』ではクールですし、今回の梶についての共通点は?

 (横浜)流星くんとは事務所の先輩後輩の間柄ですが、普段から貘さん、梶という感じなんです。もちろんセリフがあるので演じている感じも多少はありますが、普段の僕と流星くんとの関係性を見ている人からしたら、そのままだと思います。貘・梶の関係性は僕と流星くんとの関係性に似ている。普段から「流星くん流星くん」と言っていて、流星くんも「何? 勇斗」って。しかも流星くんは褒めてくれているので、流星くんだったから僕の梶感を出して頂けたんだなって思います。映画を撮り終えてから『嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-』を撮影したので、役にすんなり入れました。

――撮影現場で横浜さんとどういうお話しをされたんですか。

 主に仕事の話です。そういえば! 撮影の後、流星くんに誘われて銭湯に一緒に入りました。先に中田監督が入っていて「あっ、お疲れ様です!」って(笑)。

佐野勇斗

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梶に貘の片鱗

――本ドラマのなかでも印象的なシーンは?

 ギャンブルのシーンは、初めて貘さんがいないなか一人で臨みましたのでセリフも多くて大変でした。一番印象に残っています。

――梶の対戦相手となる闇カジノオーナー・鮫丸を演じた忍成修吾さんとはいかがでしたか。

 初めての共演でした。あの髪型も地毛でやられていて「すごい大変だった」と言っていらして。お互いセリフが多かったので、裏ではヒーヒー言いながら励まし合っていました(笑)見かけによらず物腰が低い方で誰に対しても丁寧。役のビジュアルとのギャップ萌えくらいました(笑)

――お母さん役のしゅはまはるみさんの芝居もすごかったですね。

 本読みの時からキャラを固めていて、立稽古でも僕の気持ちを梶にさせてくれて「めっちゃすごい」の一言です。僕は映画から演じているので梶の役は掴んでいましたが、母親役にゼロからパンと入れるのはさすがだなと思いました。

――あのお母さんを見てイラ立ちを覚える人はいると思いますが、その息子を演じる側はどうでしたか?

 母親が若い男とイチャイチャしているシーンがありますが、ああいうのは嫌でした。実際に自分の親が…と考えると本当に嫌で。そういう意味では気持ちが入りやすかったです。

――佐野さん自身が思う見どころは?

 映画を観てからこの作品を観て欲しいと思うんですけど、映画とは梶のニュアンスを変えているというか、髪型も大人っぽく作って下さっていて、映画とは違った強い、梶が一歩壁を破ろうとしている姿が見えると思いますので、そこは注目してほしいです。ちょっと貘さんっぽく演じています。貘さんから学んだギャンブルみたいな、強気で行く姿勢というのを少し意識していたので、もしかしたら片鱗が見えるかもしれないです!

佐野勇斗

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(おわり)

<作品紹介> タイトル:「嘘喰い -鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇-」 エピソード数:全4話 出演: 【鞍馬蘭子篇】白石麻衣 佐野勇斗 西村和彦 森崎ウィン 山本千尋 猪塚健太 木月あかり 佐藤友祐 村上弘明 【梶隆臣篇】 佐野勇斗 白石麻衣 忍成修吾 赤星昇一郎 工藤美桜 しゅはまはるみ 荒井レイラ 村上弘明 ■公式サイト/https://video.dmkt-sp.jp/ft/p0007960 (C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会 (C)エイベックス通信放送

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