布袋寅泰ら10組が弾き語りで熱演「ギタージャンボリー」初日をレポート

布袋寅泰(撮影=上飯坂一)
FMラジオ局 J-WAVE(81.3FM)は、3月5日・6日の2日間、豪華アーティストがギター弾き語りで共演するライブイベント「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2022 supported by 奥村組」(以下、ギタージャンボリー)を両国国技館で、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を徹底したうえ開催した。
2日間の熱狂を味わえる、ラジオ特番『J-WAVE SPECIAL OKUMURAGUMI presents J- WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2022』(ナビゲーター:グローバー)のオンエアが 3 月 21 日(月・ 祝)20:00-24:00に決定。
2013年に始まり、今年で7回目の開催となる「ギタージャンボリー」は、土俵に見立てたセンターステージをぐるりと360度かこむ臨場感のある客席が魅力のイベント。それに対峙するアーティストたちの本気の弾き語りが組み合わさり、両国国技館で開催するギタージャンボリーならではのライブが生まれた。今回は3時間のディレイでオンライン配信も実施し、両国国技館とオンラインの両方でギターの音色を届けた。
「ギタージャンボリー」初日3月5日の出演者は、斉藤和義、布袋寅泰、真心ブラザーズ、スガ シカオ、竹原ピストル、石崎ひゅーい、カネコアヤノ、竹内アンナ、小林私、DedachiKentaの10組。千穐楽6日の出演者は、山内総一郎(フジファブリック)、トータス松本、山崎まさよし、森山直太朗、秦 基博、岸田繁(くる り)、木村カエラ、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)、Anly、大橋トリオ&The Charm Parkの10組。合計20組のアーティストたちが、圧巻のアコギパフォーマンスで観客を魅了した。初日となった5日の公演の模様を以下にレポートする。
公式入場者数:3/5(土)6,500 人、3/6(日)7,000 人
▽竹内アンナ
イベントのトップバッターを務めたのは竹内アンナ。1 曲目「ALRIGHT」の軽快なリズムでオーディエンスを一 気にギタージャンボリーの世界観に引き込むと、2 曲目「Free! Free! Free!」でリズミカルなカッティング演 奏を披露し客席を沸かせた。MC では同イベントに初出演した喜びを笑顔で明かし、続けては 3 月 2 日にリリ ースされたニューアルバム『TICKETS』収録曲の「手のひら重ねれば」をパフォーマンス、オーディエンスはクラ ップで参加し、バッチリの合いの手に、竹内は「最高です!」と感謝した。最後は「Love Your Love」を披露し、 見事大型イベントのトップバッターの役割を果たした。
M1 ALRIGHT
M2 Free! Free! Free!
M3 I My Me Myself
M4 手のひら重ねれば
M5 Love Your Love
▽小林私
続けて登場したのはギタージャンボリー初出演となった小林私。土俵に見立てたステージに登場すると、小林 は律儀に靴下を脱ぎ、裸足でライブパフォーマンスを開始した。1 曲目「目下II」で彼独自の世界観にオーディエ ンスを誘うと、続けて「HEALTHY」では、赤いライトに照らされながら小林私流のブルースを熱く響かせた。最 後に選ばれた楽曲は「花も咲かない束の間に」。ステージは手動で 360 度回転する仕様だったが、小林はスタ ッフの手を借りず、自らが回転しながら弾き語りし、観客の笑顔を誘っていた。
M1 目下II
M2 HEALTHY
M3 花も咲かない束の間に
▽DedachiKenta
3組目として登場したのはアメリカ LA 在住のアーティスト・DedachiKenta。オープニングナンバーに選ばれ た曲は、コロナ禍で 1 年間日本で過ごすことになり、そのときに LA を思って書き上げたという「Tattooed Hollywood」だった。2 曲目もなかなかコロナが収束しない状況が続くが、“みんなで頑張っていこう”という 気持ちが込められた「Stay with me (Eng. Ver.)」が披露された。甘い歌声と優しく奏でるギターストローク の音色が場内をロマンティックなムードに染め上げると、3 曲目は未発表楽曲「Green Eyed Monster」がパ フォーマンスされた。ラストは「Life Line」を歌唱。その美しい声の響きに、オーディエンスは酔いしれるように 聴き入っていた。
M1 Tattooed Hollywood
M2 Stay with me (Eng. Ver.)
M3 Green Eyed Monster
M4 Life Line
▽カネコアヤノ
続けて舞台に登場したカネコアヤノは MC なしで「光の方へ」「週明け」「グレープフルーツ」「わたしたちへ」「栄えた街の」「愛のままを」を立て続けに披露。優しさと激しさが自由自在に交差するような唯一無二の歌声でオ ーディエンスを魅了すると、最後に「ありがとうございました」と呟き、圧巻のパフォーマンスを締めくくった。
M1 光の方へ
M2 週明け
M3 グレープフルーツ
M4 わたしたちへ
M5 栄えた街の
M6 愛のままを
▽真心ブラザーズ
微妙に柄が違うという“お揃い風”のスーツに身を包みステージに登場した真心ブラザーズは名曲「サマーヌー ド」で爽やかにスタート。続けては川村ゆうこのカバー曲「風になりたい」を披露すると、「人間はもう終わりだ!」 へなだれ込み、それから桜井秀俊作曲の「風を浴びて君想う」を優しく響かせた。YO-KING の「聴きたいでし ょう?」という一言から演奏予定になかった「どか~ん」を演奏すると、最後は「空にまいあがれ」で美しいハー モニーを響かせ、国技館は大きな拍手に包まれた。
M1 サマーヌード
M2 風になりたい
M3 人間はもう終わりだ!
M4 風を浴びて君想う
M5 どか~ん
M6 空にまいあがれ
▽石崎ひゅーい
ギタージャンボリーに 3 年ぶり 4 回目の出演となった石崎ひゅーいは、360 度オーディエンスに囲まれた舞台 に立つと感極まったのか「たまりませんね、この景色」と笑顔を見せ、「夜間飛行」を熱く弾き語る。菅田将暉に 提供した「さよならエレジー」のセルフカバーを披露し、続く 3 曲目「アヤメ」ではセンチメンタルなサウンドが場 内を包み込んだ。ラストは「花瓶の花」で穏やかな空気を作り出し、「素敵な時間をありがとう」とオーディエンス にお礼して、ステージを後にした。
M1 夜間飛行
M2 さよならエレジー
M3 アヤメ
M4 花瓶の花
▽竹原ピストル
今回で 6 度目の出演となった竹原ピストルの 1 曲目は「おーい!おーい!!」。迫力満点の歌声でオーディエン スの心を一気に鷲掴みにし、2 曲目「LIVE IN 和歌山」でもアコースティックギターの音に熱い歌声を乗せた。 3 曲目「初詣」を歌い上げると、竹原ピストルは「せっかくなので 180 度ステージを回転させてください」とスタ ッフにリクエスト。竹原ピストルと対面すると多くの観客がステージに向け手を振る。すると、竹原は「手を振ら れると照れ臭くなるのでやめてください(笑)」とはにかんだ。敬愛するアーティストの中島みゆき「ファイト!」 のカバーを切々と届けると、ラストは「ギラギラなやつをまだ持ってる」で締めくくった。
M1 おーい!おーい!!
M2 LIVE IN 和歌山
M3 初詣
M4 ファイト!(中島みゆきカバー)
M5 ギラギラなやつをまだ持ってる
▽斉藤和義
大きな拍手に包まれながら登場した斉藤和義は、1 曲目「Boy」からさっそく会場の一体感を高めた。続く 2 曲 目では「僕の見たビートルズは TV の中」を届け、オーディエンスを熱気に包むと、3 曲目には珠玉のバラードナ ンバー「歌うたいのバラッド」が披露された。豊かなボーカルと巧みなギターテクニックにオーディエンスが酔い しれると、4 曲目は「メトロに乗って」がパフォーマンスされた。ラストは「空には星が綺麗」を軽やかに届け、観 客は気持ちよさそうに体を揺らした。
M1 Boy
M2 僕の見たビートルズは TV の中
M3 歌うたいのバラッド
M4 メトロに乗って
M5 空に星が綺麗
▽スガ シカオ
今年の 2 月でデビュー25 周年を迎えたスガシカオは自身のデビューシングル「ヒットチャートをかけぬけろ」か らライブをスタートさせた。2 曲目「傷口」が終わると、次に披露されたのは SMAP に提供し大ヒットを記録し た「夜空ノムコウ」のセルフカバー。楽曲の魅力をストレートに伝えるスガのステージングに、国技館に集まった 観客はうっとりと耳を傾けていた。それから NHK のドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の テーマソングとしても知られている「Progress」が披露されると、最後はファンキーなサウンドの「Party People」で会場を熱気に包んだ。
M1 ヒットチャートをかけぬけろ
M2 傷口
M3 夜空ノムコウ
M4 Progress
M5 Party People
▽布袋寅泰
2022年「ギタージャンボリー」初日の大トリを飾ったのは布袋寅泰。真紅の鮮やかなスタイリングで登場した 布袋は 1 曲目に「バンビーナ」を披露し、早速オーディエンスを興奮へと誘うと、続けては「BE MY BABY」を 弾き語りパフォーマンスして場内を沸かせた。MC では「人の心に寄り添いたいこんな時だからこそ」と言って から、今井美樹に提供し大ヒットしたナンバー「PRIDE」をセルフカバー。布袋の奏でる優しいサウンドに、場内 は穏やかなムードに包まれた。そして最後に選ばれたナンバーは、20 枚目のオリジナルアルバム『Still Dreamin'』に収録された「コキア」だった。
鳴り止まないアンコールの拍手に応えるように再びステージに登場した布袋は「POISON」からライブをスター ト。MCでは昨今のウクライナ情勢を受けての赤裸々な思いを明かしつつ、声が出せないオーディエンスの分まで「戦争反対!」と叫び、場内は拍手に包まれた。そしてラストに披露されたのは人間の愚かさを歌いながら、 それでも人々の心には光が灯るはずと願ったバラード曲「ヒトコト」。布袋の真骨頂とも言える力強いメッセージ が印象的な楽曲が届けられ、感動的なムードのまま初日のステージは幕を下ろした。
M1 バンビーナ
M2 BE MY BABY
M3 PRIDE
M4 コキア
EN1 POISON
EN2 ヒトコト
(text by 中山洋平/Photo by 上飯坂一)
■オーディション企画「SONAR MUSIC Road to RYOGOKU supported by REALIVE360」
今年のギタージャンボリーでは、当イベント史上初のオーディション企画「SONAR MUSIC Road to RYOGOKU supported by REALIVE360」を開催。J-WAVE の番組『SONAR MUSIC』(毎週月曜~木 曜 22:00-24:00、ナビゲーター・あっこゴリラ)が、「両国国技館のセンターステージに立ちたい!」「大観衆 の前で歌いたい!」といった思いを抱くミュージシャンを、夢の舞台へとサポートした。
この度500組を超える応募者のなかから、厳正なる審査の結果、7 組のアーティストが最終審査へと通過。3月4日(金)行われた最終審査で、神戸のあらたとCLOWの2組が審査を通過し、ギタージャンボリーの各日 それぞれ幕間にステージで弾き語りを披露した。
5日は神戸のあらたが出演し「ラジオ」と「リビング」を披露。6 日は CLOW が「TOTTEOKI」を披露した。最終通過者2組による演奏各1曲、そして最終審査でMCを務めたグローバーによる演奏1曲は、REALIVE 360 および J-WAVE 公式YouTube チャンネルで後日配信する。