眉村ちあきとでんぱ組.incが10日、東京・Spotify O-EASTでツーマンライブ『明けんこお愛でとんころリッチパーティー♪ 眉村ちあき VS でんぱ組.inc』を開催した。ダブルアンコール含め、2組計23曲をパフォーマンス。アンコールではコラボパフォーマンスもあり、まさに“リッチパーティー”となったライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

今年こそ明るく生きたい

でんぱ組.inc(撮影=チェリーマン)

 ステージ上には、歌舞伎や門松のバボットが設置され、お正月の雰囲気が満載のセットだ。眉村ちあきの元気いっぱいのナレーションが間もなくの開演を伝え、でんぱ組.incのステージからスタート。参加メンバーは相沢梨紗、藤咲彩音、鹿目凛、愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜の8人だ。

 まずは一足先にステージに登場した高咲陽菜によるパントマイムから「千秋万歳!電波一座!」へ。お祭り騒ぎといった快活なステージを展開すればオーディエンスもペンライトで応戦。続いてはミュージカル要素もある「Dear☆Stageへようこそ」でキラキラとしたアイドルならではの輝きを放ち、序盤からオーディエンスの心を掴んでいった。

 MCではレーベルメイトである眉村ちあきとのツーマンに興奮を隠せないメンバーのコメントから「子□丑□寅□卯□辰□巳□」(□は白抜きハートマーク)を披露。軽快なテンポ感で繰り広げられる“でんぱ組.incワールド”にどっぷりと浸かっていく。そのパフォーマンスに大きな拍手で応えるオーディエンス。そして、アグレッシブなジャズロックサウンドで、ストーリー性を感じさせる振り付けが圧巻だった「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」で、ライブは中盤戦へ突入。

 ギアを一段階上げたステージを魅せた「ギラメタスでんぱスターズ」は、全身を振り乱しながらのエネルギッシュなパフォーマンスに目は釘付け。そして、メロウな「くちづけキボンヌ」で可憐なでんぱ組.incを魅せ、音楽性の幅広さを提示。フロアではカラフルなペンライトが揺れ、美しい光景が広がっていた。

でんぱ組.inc(撮影=チェリーマン)

 そして、Bメロでの“PPPH”で盛り上がったデビュー曲「Future Diver」を終え、鹿目凛は「“全力セトリ”を考えまして」と、今回のライブに臨む姿勢を語る。その言葉に嘘偽りないパフォーマンスを見せたでんぱ組.inc。はここでお知らせとして、1月28日にデジタルシングル「初体験」、3月16日にはシングル「ドキ+ワク=パレード!」リリース。3月26日よりスタートするZeppツアーのタイトルが『お前らDEMPARKまで行くんだろ?乗りな!』に決定したことを報告。

 そして、藤咲彩音が「今年こそ明るく生きたいじゃないですか」と「サクラあっぱれーしょん」を披露。ラテンのリズムに乗って、未来への希望と一足早く春を届けてくれた。「かかってこいや〜!」とオーディエンスを煽る掛け声が響き渡り、扇子を使った振り付けがステージ彩った「いのちのよろこび」で生命力漲るパフォーマンスを届け、全9曲をあっという間に駆け抜け、眉村ちあきにバトンを繋いだ。

幸せな人がそばにいると15%寿命が伸びる

眉村ちあき(撮影=チェリーマン)

 宇宙飛行士のような衣装で登場した眉村。「宜しくお願いします〜」と丁寧に挨拶をし、「Individual」でライブはスタート。トーキングスタイルの歌唱からオペラまで、多彩な歌唱法で、混沌とした世界観を作り上げていく眉村。真冬のこの時期に夏の曲をオープニングに持ってくるあたり、只者ではない。う○この生き様をテーマにした革新的なナンバー「東京留守番電話ップ」では、ビートに合わせ振り子のように揺れるオーディエンスの手がフロアに広がった。

 ツーマンということもあり、「今日めっちゃ緊張してて…」と、深呼吸の要領でラマーズ法で落ち着きを取り戻した眉村。オーディエンスの手拍子に合わせ、即興ラップから「顔面ファラウェイ」を披露し、そこにはなんとも楽しそうに歌う眉村の姿があった。

 更にタガを外したかのようなパフォーマンスが圧巻だった「壁みてる」は、“緊張と緩和”を詰め込んだかのような展開はスリリング。場面は一転、アコギの弾き語りスタイルで届けたのは「緑のハイヒール」。ラップからエモーショナルな楽曲と、多彩な音楽性で楽しませてくれる。

 眉村が「推しのことを考えて聴いてくれたらいいと思います」と、投げかけ披露された新曲「lovely days」。ストリングスが印象的なアレンジで、開放的なサビでは希望に繋がるエネルギーを感じさせてくれた。推しがいると「お金を使うことがこんなに簡単なことだなんて」という、ファンの真理を見事についた言葉に、オーディエンスの大きな共感を得ていた。

 続いての「ピッコロ虫」は、<朝起きたら清竜人になってますように>と、音源とは歌詞を変えこの日ならではの「ピッコロ虫」で楽しませ、ノリノリな「偏差値2ダンス」を投下。ステージを所狭しとはしゃぎ回る眉村の力強いパフォーマンスに触発されるかのように、フロアからも腕が挙がる。

眉村ちあき(撮影=チェリーマン)

 ボルテージも最高潮に高まっていく中、1月10日にミュージックビデオが公開されたばかりの新曲「この朝を生きている」を披露。ちょっぴり切なさも感じさせるクライマックス感たっぷりの曲を熱唱する眉村のパフォーマンスにニューアルバムの発売がより楽しみになった。

 「旧石器PIZZA」で、オーディエンスも拳を掲げ一体感を高め、ステージを後にした眉村。良い感じにライブは大団円を迎えたかと思いきや、「最後の曲じゃなかったです...」と、申し訳なさそうにステージ袖から戻ってきた。

 ここで、幸せな人が身近にいると15%長生きする、という話をする眉村。みんなが幸せならば自分も寿命が伸びた、「でんぱ組.incも長生きしてね」と号泣しながら語り、ラストに届けたのは「大丈夫」。この現代社会で疲弊した心に寄り添ってくれるかのような優しさが溢れた曲を、オーディエンスはしっかりと耳を傾け聴き入っていた。

眉村ちあき(撮影=チェリーマン)

 アンコールでは、でんぱ組.incの「キラキラチューン」を眉村と一緒にパフォーマンス。でんぱ組.incメンバー8人とシンクロした眉村のダンスを見れるという貴重なコラボだ。眉村はでんぱ組.incについて「今まで見てきた中で一番キラキラしてた」と絶賛。そして、もう一曲は眉村が2020年にコロナ禍で作り上げた「手を取り合うからね」を全員でパフォーマンスし、多幸感溢れるなかステージを後にした。

 そして、ダブルアンコールでは、聞き馴染みのあるサンバのリズムに乗って登場した眉村とでんぱ組.incのメンバー。届けたのは底抜けに明るい「マツケンサンバII」だ。これ以上ないと言っていいほどのお祭りムード満載の中、ツーマンライブは華々しく幕を閉じた。

眉村ちあき&でんぱ組.inc(撮影=チェリーマン)

 個性的なスタイルを持つ2組は唯一無二の空間をO-EASTに作り上げた。否応なしに心を元気に、ポジティブにさせてくれたステージで、2022年も見るものを幸せにしてくれることを確信。そして、両者の今年の活動にも大きく期待が高まった一夜だった。

セットリスト

『明けんこお愛でとんころリッチパーティー♪ 眉村ちあき VS でんぱ組.inc』

1月10日@東京・Spotify O-EAST

▽でんぱ組.inc

M-1.千秋万歳!電波一座!
M-2.Dear☆Stageへようこそ
M-3.子□丑□寅□卯□辰□巳□(□は白抜きハートマーク)
M-4.おやすみポラリスさよならパラレルワールド
M-5.ギラメタスでんぱスターズ
M-6.くちづけキボンヌ
M-7.Future Diver
M-8.サクラあっぱれーしょん
M-9.いのちのよろこび

▽眉村ちあき

M-01.Individual
M-02.東京留守番電話ップ
M-03.顔面ファラウェイ
M-04.壁みてる(でんぱver)
M-05.緑のハイヒール
M-06.lovely days(新曲)
M-07.ピッコロ虫
M-08.偏差値2ダンス
M-09.この朝を生きている
M-10.旧石器PIZZA
M-11.大丈夫

アンコール

En-1.キラキラチューン
En-2.手を取り合うからね

ダブルアンコール
En-3.マツケンサンバII

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