元ViViD・SHINは“強化系
INTERVIEW

SHIN

SHINは“強化系"!?『HUNTER×HUNTER』とシンクロする姿勢とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年11月05日

読了時間:約13分

 元ViViDのボーカリストSHINが、12月11日に渋谷WOMBでワンマンライブ『SHINGAME SHOW』を開催する。まもなくソロ活動5周年を迎えるSHINは、2015年4月にViViDが人気絶頂のなか解散。そこから約2年間の空白期間があり2016年12月にソロ活動をスタート。2017年に1stアルバム『Good Morning Dreamer』をリリースし、2018年にYouTube channel「SHIN ロイドちゃんねる」を立ち上げ、登録者数は現在10万人を超える。同年7月にはテレビ東京『THEカラオケ★バトル』に出演し、当日の番組最高得点の98.542点を叩き出し、Twitterのトレンドにもなった。

 そして、2021年に入ってからNIGHTMAREの咲人とのプロジェクトSEESAWを本格的に始動。さらにSHINの新曲「アダマント」がSteam,PlayStation4,NintendoSwitch向けゲーム「METALLIC CHILD」のタイアップも決定している。インタビューでは、これまでのソロ活動を振り返りながら、今SHINが考える歌への想い、「もうこれで終わってもいい」と話す、歌手活動を続けるスタンスに迫った。【取材=村上順一】

ViViD解散からソロ活動までで感じた人の痛み

――ソロ活動5周年を迎える気持ちはいかがでしょうか。

 あっという間でした。改めて歴史を振り返るとずっと必死だったという感じです。とにかくその時に目の前にあるライブやリリースを120%の力でやってきたと自信を持って言えます。

――それはバンド時代からずっと?

 バンドってよくも悪くも色んなことを分散できるじゃないですか? だからバンドの時よりもソロになってから音楽と自分の人生をより結びつけて真剣に考えるようになりました。

――バンド解散から約2年ほどの充電期間がありましたよね。

 世間から忘れられる前に早くやろうというのが普通なんですけどね。自分がやりたいことが明確にあったけど、それを表現するだけのスキル、そもそも楽曲もなかったし…僕の中でViViD解散でひとつ大きいピリオドが打たれているんです。その財産があるから今もやれているんですけど、その時点ではそこをあてにしようというのは全く思っていませんでした。自分の楽曲でもう一度世に出るために2年間は準備しようと。

――その期間での一番の学びは?

 人の痛みです。バンドが凄く順調だったので、当時は本当に夢のような時間でした。なのでバンド時代はあまり苦労した感じがしていないんです。解散してから毎日やることと言ったら曲を作ることか自分の体を鍛えることしかなかったですね。その中で印象的だったのが朝、ジムに通う途中の踏切から満員電車を見るたびに、みんなが苦悶している表情があって。そこで、自分の家族や夢があってみんな頑張っているんだろうなと、色んなことを考えました。

――自分と重ねた部分もあって。

 はい。今、自分が置かれている状況も満員電車の中と同じで、僕が向かっているものに対して苦しいのは当たり前なんだと思えて。ここで苦労して生み出したもので、今ありがたいことにやれているのは本当に嬉しいなと思います。色んな経験をすることによって、自分の痛みを介して人の痛みがわかっていくのが一番大きな財産でした。なので、ViViDの時に比べてソロの楽曲やライブは生々しいものが多いです。そこがバンドの時と大きく違います。

――その中でYouTubeチャンネル「SHIN ロイドちゃんねる」を始めたのは覚悟がいることだったみたいですね。

 僕の中では相当覚悟がいりました。カバーだし、今まで自分が作ってきた世界観を壊すものだなと思っていて...。それでも、自分が歌を続けていくということ、もっと上を目指したいということでやると決めました。

――YouTubeで新しく見せたいこともあるのでしょうか。

 最近はセルフカバーを上げています。人のカバーしかやってはいけないと勝手に思ってしまっていて、これまでセルフカバーすらためらっていたんです。でもソロの曲をセルフカバーしたら、受け入れてもらえて嬉かったですね。

――その活動が今後の作品にも繋がる感じも?

 SEESAWというプロジェクトも今後のソロ作品に繋がる感じがしています。自分がソロでやりたいことがわからなくなったというのもあり始めたプロジェクトでした。ソロはどこかやりつくしてしまった感じもあったんですよね。次に出す、ゲーム『METALLIC CHILD』のタイアップ曲「アダマント」は、SEESAWやYouTube活動を経て出来た曲なので自信があります。

――ちなみにどんな楽曲でしょうか。

 世界に向けて発信したいということで全英詞で、サウンドはゲームがバトルものなのでバトル感が強い曲になっています。衣装も含めて全てが今までとだいぶ違って、サイバー感があります。今までのようなオルタナティヴロックな雰囲気は一切ないです。僕自身がゲーム好きなのですごく楽しみにしています。

――ゲームがお好きなんですね。今回もそういう流れでタイアップのお話が?

 いえ、そこからではないんです。僕はアニメも好きで、特に『HUNTER×HUNTER』が好きで。コロナ禍になる前の話なんですけど、とあるお店に行った時に、出てきたお酒に葉っぱが乗っていて、「これ、水見式じゃん」みたいな。そこで「俺、何系かな?」とか話していたら、隣の人に「お兄さん、『HUNTER×HUNTER』好きですか?」って話かけられて。それで意気投合して「2件目に“アカンパニー”しましょうよ」とハシゴしました。そこで改めて職業のことを聞かれて、「ミュージシャンです」とお話したら、「僕、ゲーム会社の社長をやっていて」と。それで、「僕、『HUNTER×HUNTER』も好きですけど『レベルE』のEDテーマをやっていたんです」と伝えたら「曲聴かせて!」と、その曲を聴いていただいて今回のお話につながりました。

(※水見式は『HUNTER×HUNTER』に登場する念能力の特性を見分ける方法)(※アカンパニーは『HUNTER×HUNTER』グリードアイランド編に登場する移動手段のひとつ)

――なかなかお店で水見式をやられている人を見たことはないので相当インパクトがあったのでしょうね。

 (笑)。ちなみに僕、何系っぽいですか?

――そうですね…「具現化系」か「操作系」のイメージでしょうか。

 まあ「ビジュアル系」か「ロック系」なんですけど(笑)。

新しいソロ活動をやるような感覚

――SHINさんはどんな風に作曲されているんですか。

 僕はPro Tools(PC上の音楽制作・編集ソフト)みたいなのは一切使えないんです。なので曲はメロディをギターのコードで拾って、アレンジができる方にお願いするスタイルです。そのためにギターも習いました。ピアノかギターで迷ったんですけど馴染みがあるギターにしました。

――ViViD時代の作曲は?

 作曲はやっているんですけど、コードをつけたりといったアレンジはしていませんでした。やっぱりトラックがあってメロディをつけるのと、ゼロからメロディを作るのとでは全然違うんです。そういう面ではバンドって本当にいいなと思います。

――それがSEESAWにも繋がる?

 そうかもしれないです。

――先ほどやりつくしてしまったお話しされていましたが、ここからソロはどうなっていくのでしょうか。

 一回ソロをやってSEESAWを経て、YouTubeでカバーチャンネルをやってきて感覚がすごく変わりました。自分が好きな音楽を表現してきたけど、ここからまた色んなものをインプットして、また新しいソロ活動をやるような感覚があって。よりいいものができそうな予感がしています。

――この何年かで音楽の趣味は変わったりも?

 好きなものはずっと好きなタイプです。洋楽でリンキンパークやアヴリル・ラヴィーンはずっと好きで、そこは変わっていないです。根本は変わっていないけど色んなものを吸収させて頂いて、みんなに少しでも受け入れられてもらえそうなエッセンスを足す意欲が出てきました。昔は自分のやりたいことをやるという感じだったので、ここからは少し色々なエッセンスを混ぜていけたらいいかなと。

――新しい自分の姿が見せることができると思えることは凄いと思います。

 確かに新しいことをやるって恐怖が大きいです。新しいことをやるというのはそこに打ち勝つか否か、ではないかと思うんです。僕もYouTubeを始めるときは怖かったですから。

――その一歩を踏み出す勇気がどこで出せるのかと。

 性格なんでしょうけど、僕はそこで終わってもしょうがないと思っていて。それこそ『HUNTER×HUNTER』のゴンですよ。「もうこれで終わってもいい」と、レベルの違う強敵を倒せるまでに急成長したじゃないですか? あのゴンの感じは凄くわかって。次のこれでダメだったらしょうがない、これで失敗しても自分のせいだと思ってやっているので、そういう意味では僕はゴンと同じ「強化系」かもしれないです(笑)。

――そうですね(笑)。

 『HUNTER×HUNTER』の制約と誓約のように、自分にリスクが大きいほど凄い能力を発揮する、それって人生もそうだと思うんです。新しいことをやるのにリスクはついてきますし、批判もそのひとつだと思っています。そこと戦う勇気と覚悟かなと思います。

――「THEカラオケ★バトル」に出演されたのもビックリしました。あまりそういったものに出るイメージがなかったので。

 それ、オーディションの時に言われました。「SHINさんみたいな人ってカラオケバトル嫌がるんですけど」と(笑)。

――抵抗はなかったのでしょうか。

 結果的にもっと歌を広めたいという気持ちが勝つんです。YouTubeに関してはちょっとまだ抵抗があったので一日考えましたけど、「THEカラオケ★バトル」のオーディションの時はそういうのはなかったです。

――けっこう負けず嫌い?

 すごく負けず嫌いで、筋金入りかもしれないです。なにくそといつも思っています。なので、カラオケもめちゃくちゃ練習しました。

――でも元々のスキルが高いのに、そんなに練習されたんですか。

 カラオケの採点はあまり関係ないんです。そういう意味ではピッチをしっかり当てる声楽とかオペラの方のほうがカラオケの採点には強いと思います。

――ちなみに、どんな練習をされたのでしょうか。

 加点のしゃくりやビブラート、表現力などの点数はどうやったら高くなるのか、同じ曲を2時間ずっと歌っていました。カラオケがあんなに苦痛だと思ったことはないですね(笑)。あと、カラオケ店によって同じ曲で同じ機種でも点数が違ったりするんですよ。環境以外は変わっていないのに「あれ、1点低い?」みたいな。

ここで終わるかもしれないからそれまで全力でやりたい

――1曲で2時間とはすごいです。さて、今後の展望について、音楽以外にやってみたいことは?

 以前参加させていただいたeスポーツにまた参加したいです。この前は三回戦で負けてしまったんですけど、もう一度参加して結果を残したいです。

――では、音楽の最終到達点は考えていますか。

 もっと高みを目指して音楽をやっていきたいので、やれるところまでやる、それに尽きます。

――生涯現役ですね。では、SHINさんにとって大切なものはライブか曲を作るかだと?

 どちらかといえばライブです。「何のために作曲やYouTubeをやっているの?」と言われたら、最終的にはライブを観に来て欲しいからなんです。

――常に全力で活動するSHINさんが胸に持っている言葉、信念はありますか?

 ソロになってから色々なことを模索してきて、正しかったこともあるし正しくなかったこともきっとあると思うんです。それって、誰しもがそうじゃないですか? ずっと正解を選べている人生の人なんていないと思うし。だからダメだった時でもよかった時でもトライ&エラーだなと思っています。やってみて、どうか。やってみないことには始まらないなという感じです。

 言葉だとやっぱり『HUNTER×HUNTER』のゴンのセリフ「もうこれで終わってもいい」ですね。全てをかける、みたいなのは共感します。僕は弱さも全然ありますし、下手したらすぐ闇落ちしちゃうタイプなので。僕は『呪術廻戦』の五条悟とか『東京リベンジャーズ』のマイキーみたいな最強キャラではないんです。とにかく猪突猛進タイプではあるし、目の前のことをとにかくやるタイプなので、似ているのはゴンとか常にどの敵に対しても全力で挑む『ONE PIECE』のルフィとかかな…。節目節目で全力でやっています。

――それは後悔したくないからというのが大きい?

 後悔するのが嫌なんです。歳をとって「あの時ああしていればよかったな」と思うことが一番くだらないなと思って。「じゃあやればいいじゃん」と。ここで終わるかもしれないからそれまで全力でやりたいんです。

――ありがとうございます。最後にファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

 YouTubeなどみなさんがチャンネル登録してくれたり観てくれたりするのが、すごく嬉しいです。コロナ禍でも活動できているのはファンのみなさんのおかげで、本当にありがたいです。僕の一番大事にしていることはライブに実際に来て頂いて歌を聴いてもらうことなので、早くこれまで通りの環境に戻れたらいいなと切に願ってます。これからも応援宜しくお願いします!

(おわり)

ライブ情報

<SHINワンマンライヴ>

SHINGAME SHOW
12月11日(土)
会場:渋谷WOMB
開場 17:45 / 開演 18:30
出演:SHIN
SHINロゴ入りサイリウム付き 前売チケット5,500円(税込) ※入場時ドリンク代別途
オールスタンディング(立ち位置指定)
※3歳以上チケット必要、営利目的の転売禁止

《WEB有料会員》 Bチケット
※抽選 枚数制限:1人様2枚まで
◎受付URL: WEB有料会員サイト内にて発表します
◎受付期間:11月1日(月)15:00~11月4日(木)23:59
◎当落発表日:11月6日(土)15:00~11月9日(火)23:00
◎入金期限:11月6日(土)15:00~11月9日(火)23:00

《プレオーダー(イープラス)》Cチケット
※抽選 枚数制限:1人様2枚まで
◎受付URL:https://eplus.jp/shin/
◎受付期間:11月6日(土)15:00~11月9日(火)23:59
◎当落発表日:11月11日(木)15:00~11月14日(日)23:00
◎入金期限:11月11日(木)15:00~11月14日(日)23:00

[一般発売日]
2021年11月28日(日)
イープラス
https://eplus.jp/shin/

<SEESAW ワンマンライブ>
[scene:03]

-1st Anniversary Platinum Holy Night-
12月25日(土)
会場:新宿BLAZE
開場 16:30 / 開演 17:30
出演:SEESAW
全席指定 前売チケット8,000円(税込) ※入場時ドリンク代別途

配信チケット5,000円(税込)
※こちらのチケットでの入場はできません。

【SEESAWオンラインサロン有料会員先行】※抽選
https://seesaw-project.jp
枚数制限:1人様2枚まで
受付URL:オンライン有料会員サイト内にて
●受付期間:10月25日(月)21:00〜11月3日(水)23:59
●抽選結果確認:11月6日(土)13:00〜11月8日(月)20:00

「申込み状況照会」http://eplus.jp/jyoukyou/からご確認ください。

メールでも抽選結果をお知らせいたします。
●入金期間:11月6日(土)13:00〜11月8日(月)21:00

【SHIN WEB有料会員 / 咲人モバイル会員 先行】※抽選

SHIN WEB有料会員https://shin-project.jp

咲人モバイルsp.arena.emtg.jp/sakito/

枚数制限:1人様2枚まで
受付URL:各サイト内にて
●受付期間:11月6日(土)21:00〜11月14日(日)23:59
●抽選結果確認:11月16日(火)〜11月18日(木)20:00

「申込み状況照会」http://eplus.jp/jyoukyou/からご確認ください。

メールでも抽選結果をお知らせいたします。
●入金期間:11月16日(火)〜11月18日(木)21:00

【オフィシャル先行】※抽選
枚数制限:1人様2枚まで

●受付URL:https://eplus.jp/seesaw211225hp/

●受付期間:11月16日(火)21:00〜11月21日(日)23:59
●抽選結果確認:11月23日(火祝)13:00〜11月25日(木)20:00

「申込み状況照会」http://eplus.jp/jyoukyou/からご確認ください。

メールでも抽選結果をお知らせいたします。
●入金期間:11月23日(火祝)13:00〜11月25日(木)21:00

【e+先行】※抽選
枚数制限:1人様2枚まで

●受付URL:https://eplus.jp/seesaw211225/

●受付期間:11月23日(火祝)21:00〜11月28日(日)23:59
●抽選結果確認:11月30日(火)10:00〜12月1日(水)20:00

「申込み状況照会」http://eplus.jp/jyoukyou/からご確認ください。

メールでも抽選結果をお知らせいたします。
●入金期間:11月30(火)10:00〜12月1日(水)21:00

【一般発売】
●12月5日(日)10:00〜

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