シンガーソングライターの平岡優也が20日、1stアルバム『20s』(トゥエンティーズ)をリリース。19歳で音楽に魅了され秋田県より上京。20歳からピアノを始め、全国各地の路上で弾き語りによるストリートライブを続けている。通りがかりの人たちによってストリートライブの様子が撮影され、YouTubeなどにアップされると、その内のひとつの動画が瞬く間に800万回再生に到達し“通行人が足を止める歌声”と話題に。さらにアジア圏各地でも、様々な動画サイトに平岡のライブ動画が次々とアップされ、再生数は累積4000万を超えている。

 これまでにデジタルシングルを6作発表してきた平岡がリリースした1stアルバムは、20代である彼がこれまでの人生を“20s”というタイトルに込め、その歩みの中で等身大の自分を受け入れることで生まれた感情を描いた”軌跡”のアルバムで、9月に先行配信された「H」を含む、全11曲を収録。MusicVoiceではメールインタビューを実施。『20s』の制作背景から、平岡が音楽活動をするにあたって大切にしていることなど、回答してもらった。

かりゆし58のライブを見て上京

――音楽、歌うことを始めた経緯、奏でる楽器としてピアノを選んだ理由は?

 元々、歌を歌う事が好きだったのですが、本格的に音楽活動をしたいと思った理由は、18歳の頃にツアーで秋田に来ていた「かりゆし58」さんのLIVEを肌で体感して音楽をやりたいと思い上京しました。ピアノを選んだ理由は、上京後に出会ったボイトレの先生がピアノを弾ける方だったので教えてもらいました。

――今はどのような音楽を聴いていますか。その音楽のどんなところが気に入っていますか。

 日頃からジャンルをあまり縛らずに色んな音楽を聴くようにしていますが、最近は邦楽洋楽どちらとも「ピアノエモ」というジャンルの音楽をよく聴いています。やはり、僕自身ピアノを弾いて歌うアーティストなので、ピアノ主体の楽曲が好きだというのもありますが、勉強の意味も含め聴いてます。

――路上ライブの模様が900万回再生と注目を浴びていますが、路上ライブで特に印象が残っていることは?

 色んなエピソードがありすぎてメールでのインタビューでは答えきれないのですが、やはり「人との出逢い」を常に大切にして路上で歌っているので、CDやLIVEチケットを買ってくれる人の優しさだったり、ほんの些細な嬉しい言葉で、どんな辛い日も頑張ってこれた気がしています。
なので大きな印象というよりは、そういった些細な印象をこの先も大事にして過ごしたいです。

――今作『20s』のコンセプトにたどり着いたのは、どんなことがきっかけになったのでしょうか。

 今年で29歳になったのですが、上京した20歳の頃から今現在までを思い返してみた時に、本当に色んな経験をして、色んな人で出逢ったなという事に気付かされました。なので、20代最後にして初めてのフルアルバムにはこれまでの僕が歩んできた軌跡のような意味を込めたいなと思い、今作「20s」に至りました。

――作詞作曲をするときは、どんな方法で書くことが多いですか。

 ピアノを触りながら詞曲制作を行う事が多いのですが、ある程度形になってからその楽曲を研磨していく作業がほとんどです。そこからかなり時間がかかって難産する場合もあれば、すんなりと思ったことを書ける時もあります。

――アルバム収録曲の中で、新しい試み、チャレンジだったことはありますか。

 アルバム収録曲の「サンゴー缶」で自身初の試みとなる共作をさせて頂きました。同事務所アーティストのシキドロップより平牧仁さんとのコラボだったのですが、この楽曲はアルバムの中でも本当に良い意味で異物感を際立たせてくれました。僕一人では辿り着くことができなかった世界をこの楽曲は教えてくれた気がします。

――今作でいちばんこだわったところはどこでしたか。

 今作に限った事ではないかも知れませんが、「自分以上の物を書かない事」です。僕も人間なので誰かに良く見られたいとか、キラキラした部分だけを追い求めたいという欲に駆られる事は多いのですが、身の丈以上の何かを装うのではなく、ありのままの自分で、ありのまま思ったことを各楽曲に込めて制作しました。

――このアルバムは特にどんな人に聴いてもらえたら嬉しいですか。

 まだ僕の事を知らないどこかの誰かに届くよう「初めましての名刺」みたいな願いを込めているので、そういった方に聴いてもらいたいです。ただ、20歳から今日まで本当に沢山の方に支えられて今の僕があるので、応援してくれている皆さんには「感謝の気持ち」として届けば嬉しいです。

音楽に対する姿勢で魅せていけるアーティストに

――人生の中で一番嬉しかったこと、逆に一番辛かったことは? 

 きっとまだ生きていくこの先でどちらとも更新していくと思うのですが、一番嬉しかったことは僕の書いた歌が誰かにとっての添え木になっているんだという事を感じられた時です。詞曲を書くときはそんな大それたことを考えて作ってはいないのですが、そういう声を頂けることはアーティスト冥利に尽きます。

 一番辛かった事は、路上ライブの遠征で東京から福岡まで車移動した事です。もちろん、福岡までの街でストップしながらの旅でしたが、心身共に辛かったです。

――どのように乗り越えましたか。

 そんな時も頑張れたのは一緒に同行してくれたアーティスト仲間だったり、各地で待っていてくれるファンの皆さんや、新たに出逢う人がいたから乗り越えられました。

――今、どのようなことに一番興味がありますか。

 LIVE活動です!!!! コロナ禍で長い期間LIVEというものをおあずけされていたので、アーティストにとっては制作活動も大切ですが、やはり歌を歌い届けることが僕は一番好きですし、これからもずっと興味を持ち続けたいです。

――音楽活動をしていくにあたって大切にしていることはありますか。

 特に路上や箱LIVEに関してなのですが、どんな場所で歌っても、どんな数の人が目の前にいても、「1対1」を常に心掛けて歌ってます。仮に自分がどれだけ人気アーティストになっても、その熱だけは絶対に無くさずにいたいです。

――将来的にどのようなアーティストになりたいと思っていますか。

 僕自身アーティストとしても人してもまだまだ伸びしろだらけだと思っているので、その自分磨きの道の途中で出逢う大切な何かを歌だったり音楽に対する姿勢で魅せていけるアーティストになりたいです。

(おわり)

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