JUNNAが10月6日、5thシングル「海と真珠」をリリース。表題曲「海と真珠」は、テレビアニメーション『海賊王女』のオープニングテーマで、作詞・作曲・編曲は、アニメ『鬼滅の刃』の劇伴やLiSAの「炎」も手がける梶浦由記が務める。JUNNAと梶浦由記の初タッグによって、壮大でドラマチックな、新たな名曲が誕生した。またカップリングには、同曲の英語バージョンやJUNNAが作詞作曲を務めた「はじまりの唄」などを収録。今作に込めたJUNNAの思いを聞いた。【取材=榑林史章】
アップテンポをバラードのように
−−「海と真珠」は、梶浦由記さんの作詞・作曲・編曲です。梶浦さん節みたいな独特の感じがあって、実際に歌っていかがでしたか?
すごく難しかったです。アップテンポなんですけど、バラードみたいに歌うと言うか。すごく力強いんですけど、単に力強いのではなく、優しさの中にある力強さみたいなものを求められているのだろうと感じました。アップテンポの曲は、言葉の語尾を切って歌うことで歯切れ良く軽快に進んでいくイメージが私の中ではあるんです。でも、今作は、楽曲はどんどん進んでいくけど、歌は全体的にゆっくり大きく歌うようなイメージを自分の中に持って、でもグルーブを創るように意識しながら歌いました。
−−雄大な感じと言うか。
はい。レコーディングでは、梶浦さん自らヴォーカルディレクションをしてくださって。最初は前に進む感じで歌ったんです。でも、「もっと言葉を繋げる感じで歌ったらいいよ」と言ってくださって。アップテンポの曲を、言葉を切らずに繋げて歌うのは、私の中には無かったので、新しい感覚でした。例えるなら、ミュージカルを歌うみたいな雰囲気と言うか。今までもしっかり言葉を伝える気持ちを持っていましたけど、もっと何て言うか、舞台上でパァ〜っと手を広げて、客席に向かって伝えるんだぞという気持ちと言うか。
−−でも、アップテンポをバラードのように歌うと言うのは、よくよく考えると。
おかしな話ですよね(笑)。でも、だからこそ聴いてくださる方に、言葉がしっかり伝わるのだろうと思って。「こういう歌い方もあるんだ!」と、新たな発見でした。
−−ほとんど息継ぎ無しで、間奏のギターソロでやっと一息付けるみたいな。
でも、それほど休憩する間も無く「あ!もう歌だ」みたいな感じになるんですけど(笑)、歌っていてすごく楽しいです。
−−大変だけど楽しい。
はい。こういう歌い方をどんどんできていくのが、すごく楽しくて。
−−サビの入り方とか、すごいですよね。
急にパァ〜って明るく開ける感じがステキですよね。民族音楽っぽいイントロは、「始まるぞ!」というワクワク感があって、サビでは一気に「来たぞ!」という感じが好きです。
−−梶浦さん楽曲は、梶浦語を使ったコーラスが有名で、冒頭のコーラスは梶浦語まではいかない感じですけど。
これはどうなんでしょうか。 不思議な言語ですが、私の中では、そんなに違和感は無かったです。
−−民族音楽っぽい感じのサウンドはJUNNAさんの歌声ともマッチしますね。
1stシングル「Here」が、民族音楽っぽい感じだったので、私もまったく違和感が無かったんですけど、「こういう風に曲が始まるんだ」という驚きはありました。それに加えて、船の上で歌っているんだろうなと、1音目から情景が浮かぶのはすごいなと。
−−歌詞で好きなところは?
〈やさしい君の歌が 未来へ想いをつなぐ〉です。〈歌〉という言葉は私の中ですごく特別なので、この一節を歌う時は、いつも以上に気持ちが入ってしまいました。あと〈高鳴る胸の炎で海を照らすよ〉というフレーズは、歌ってて、ズシンと訴えかけてくるものがあって印象的なフレーズです。
−−「海と真珠」はアニメ『海賊王女』オープニングテーマで、王女の気持ちで歌った感じですか?
王女と言うよりは、ヒロインのフェナを意識して歌いました。フェナは、見た目はすごくきれいで清純な、女の子らしい女の子なんですけど、中身はごく普通の女の子なんです。気取ってなくて、少し男勝りなくらいの女の子だなと思って。
−−髪を切るんですよね。
そうなんです。最初は長いんですけど、途中でバサッと。そういうところも、すごくいいなって思いました。私も、どちらかと言うとそういうタイプだったりするので。女の子らしくない部分と言うか、ちょっとヤンチャな部分もあって。きっと、これからどんどん変わって行くんだろうなと感じました。実際に「海と真珠」の歌詞も、曲が進んで行くのにつれて、どんどん開放的になって行くので。
−−単に歌詞とメロディだけじゃなく、そういうタイアップの情報も入れることで、より表現に深みが出ますね。
なるべく作品をイメージしながら歌唱しています。梶浦さんは、劇伴も担当されていて、先の先までストーリーや背景、内容もご存知なので、作品の行き先を見据えてディレクションしてくださったので、私も自然と導かれて歌い方がどんどん変わって行ったと感じています。
−−アニメの第2弾PVでは楽曲が流れていて、ファンの反響はどうでしたか?
皆さんが楽しみにしてくださっている気持ちが、すごく伝わってきました。私自身アニメのオープニングテーマを担当するのが久しぶりだし、リリース自体がアルバム『20×20』以来約10カ月ぶりなので、新曲を聴いてもらえるのがすごくうれしかったです。ファンの皆さんも「梶浦さんとJUNNAちゃんの曲が聴けるなんて!」と、喜んでくださっている方多くて。そういう反応を見て、すごく良かったと感じました。
海外の方に歌詞の意味も感じてほしい
−−梶浦さんの楽曲をしっかり認識したのは、何がきっかけだったとか覚えていますか?
強烈に認識したのは、アニメ『鬼滅の刃』のエンディングテーマ「from the edge」(FictionJunction feat.LiSA)です。いわゆるJ-POPとは違う、異世界の曲みたいな雰囲気が漂っていてすごく衝撃を受けました。そこから調べて梶浦さんが手がけられたいろんな曲を聴くようになって。その時から「いつか一緒に作品を作らせていただけたらいいな」と思っていました。それが想いが2年も経たないうちに叶って、うれしさと同じくらいに未だに信じられない気持ちです。
−−ディレクション以外で、何かお話をされましたか?
私はすごく緊張していて、「大丈夫かな?」と思いながらレコーディングスタジオに向かったんですけど、めちゃめちゃ優しくて気さくな方で、すごくいろんな話をしてくださって。
−−フジテレビ『セブンルール』という番組で梶浦さんに密着していて。すごく気さくで明るい方なんだなと画面から伝わりました。
私も見ました。レコーディングの前に放送があったら、あんなに緊張しなくて済んだのに(笑)。すごくお元気で、周りにもパワーを与えてくださる方だなと思いました。
−−梶浦さんとのレコーディングで学んだことは?
新しい歌い方を引き出してもらえたのは、私にとって大きかったです。アップテンポはこう歌うものだと、勝手に決め付けてしまっていた私の固定観念を打ち砕いてもらいました。
−−MVは、海の上で歌っていて。すごい場所ですね。
作品の世界に合う海に包まれた城跡で歌唱したくて。壮大でダイナミックなMVが撮れました。
−−海の上で歌うのは気持ちよかったですか?
気持ちよかったです。何か歌いたくなっちゃって。「めっちゃ気持ちいいな〜!」って思いながら、開放感に溢れて歌っていました。
−−海はお好きなんですか?
海は、入らなければ好きです。足が浸かるくらいまでなら大丈夫。泳ぐのは好きじゃないので。
−−アウトドアじゃないですもんね。
インドアなので(笑)。でもこうやってMV撮影などで実際に行くと、いいなって思います。ジャケット写真もアーティスト写真も海辺で撮ったんですが、背景の海の色がステキなんです。
−−自然ならではの色ですね。ジャケット写真には船も写っていて。
船から降りて歩き出すみたいなシチュエーションで、「スタスタ歩くのではなく、やっと降り立ったんだよという感じを出してください」と言われて、それがすごく難しかったです。
−−今回は英語バージョンも収録していて。どうして英語バージョンを作ることに?
アニメ『海賊王女』は、8月から海外放送と配信がされているんです。海外の方にも歌詞の意味も感じてほしいと思って、お願いしました。
−−英語バージョンもすごくいいですね。
ありがとうございます。日本語の歌詞とは、雰囲気が変わって、言葉数が増える分、よりスピードが感じられるものになりました。歌い方は、私の中で意識して変えたつもりはなかったんですけど、言語の違いでこんなにも変わるんだなと思って、新しい発見でした。
歌は自分の1番軸にあるもの
−−カップリングには、ライブに直結した2曲を収録していて。まず「ROCK YOU, ROCK ME」。
曲を聴いて、歌詞をお願いするにあたってタイトルは私が考えたんです。「ROCK YOU, ROCK ME」というタイトルは、私の中ですごく大切にしている言葉で、「ROCK YOU」はツアータイトルで必ず使っていて、「ROCK ME」はファンクラブの名前を「6くみ」と付ける由来になった言葉です。そういう私の大切なものを、いつか楽曲として歌いたいと思っていて。それで、曲を聴いてロックナンバーだし合うんじゃないかと思ったので、このタイトルを付けました。
−−作詞の尾上文さんは、曲とタイトルからイメージして作詞をしたと。
はい。ただ、この曲でみんなを引っ張って行くといった、大雑把なイメージだけで。と言うのも、私は尾上さんの書かれる歌詞がとても好きなので、尾上さんがこの曲とタイトルからどういう歌詞を書いてくださるのか、すごく楽しみだったんです。出来上がった歌詞は、ストレートで遊び心がちょっとあって、尾上さんらしくて、「やっぱりいいな!」ってすごくうれしかったです。
−−そして「はじまりの唄」は、JUNNAさんが作詞、作曲をJUNNAツアーのバンドマスターでもある、音楽プロデューサー・アレンジャーの島田昌典さんと共作。7月〜8月に開催された「JUNNA ROCK YOU TOUR 2021 〜20才の夏〜」で、アンコールに歌った曲です。ライブでのお客さんの反応はどうでしたか?
ライブの最後に歌える曲を作りたいと思って作ったんです。ライブ後のアンケートで、「ライブで良かった曲は何ですか?」という質問に、「はじまりの唄」と書いてくださった方がすごく多くて、みんなにしっかり届いたんだなと、そこですごく実感しました。
−−有観客のツアーは過去に2度の延期と中止を経て開催され、やっとツアーができたという気持ち。コロナ禍をみんなで乗り越えながら、やっとここに集まれたねという気持ちなど。いろいろな気持ちがあの瞬間に重なって、それをこの「はじまりの唄」が、浄化してくれた気がしました。
ありがとうございます。この2年半ライブをやっていなかったからこそ、出て来た言葉もありますし、だからこそ歌えた歌だったんじゃないかと思います。
−−作ったのはいつぐらいなんですか?
ツアーが始まる直前です。セットリストを決めている時に、2年半ぶりの有観客ライブになるので、このライブツアーのために曲を作りたいと思いました。
−−ライブの最後に歌える曲を作りたいと思ったのに、「はじまりの唄」というタイトルですが、ここにはどんな思いを込めたんですか?
〈はじまりの唄〉という言葉だけは、最初から明確に自分の中にあって、絶対タイトルにしたい、この言葉は絶対使いたいと思っていました。ライブって「JUNNAってこういうアーティストなんだ」とか「こういう人なんだ」とみんなに知ってもらって、私とみんなの関係性が始まるのがライブという場所だと常に感じていて、改めてみんなに「ここからまた、みんなと私の次の物語が始まるんだよ」って、伝えたいと思いました。
−−「海と真珠」でも、〈歌〉という歌詞に感情を込めたとお話をしていました。歌(唄)は、JUNNAさんにとってどういうものですか?
歌がなければ私は、今頃どうしているんだろう?と思います。歌に出会えていなかったら、私は今どこにいるのか分からないくらい、軸にあるもので、これが無かったら、私はスッカラカンになっていると思うくらい大切なものです。
−−もっとこういう歌が歌いたいとか、やりたいことはたくさんありますか?
幸せなことに今もジャンルにとらわれず多彩な歌を歌わせていただいているのですが、まだまだ知らないジャンルはたくさんあるので、「無理です」とは言わないように、臆せず何にでも挑戦して行きたいです。
−−でも、今まで「これは無理だ」って思ったことはありますよね。
あります(笑)。ワルキューレで、たまにセリフが出てくると「無理です」って思います。そもそもセリフに気持ちを乗せるのが苦手なので、どうしても恥ずかしさが出てしまうんです。それでも何とかやってみると、ちょっと楽しいなと思う時もあるので、いろいろと挑戦して行きたいです。
作品情報
10月6日発売
JUNNA
5thシングル「海と真珠」
【BD付初回限定盤】VTZL-190 4,400円
【通常盤】VTCL-35330 1,540円
《CD収録内容》
1.海と真珠
2.ROCK YOU, ROCK ME
3.はじまりの唄
4.the sea and a pearl
5.海と真珠 without JUNNA
6.ROCK YOU, ROCK ME without JUNNA
7.はじまりの唄 without JUNNA
《Blu-ray収録内容》
・海と真珠 Music Video
・JUNNA ROCK YOU STREAMING LIVE 2021「20×20」Selection
【ライブ情報】
JUNNA ROCK YOU TOUR 2022
2022年1月7日(金) Zepp Nagoya【愛知】
2022年1月8日(土) Zepp Osaka Bayside【大阪】
2022年1月19日(水)Zepp DiverCity(TOKYO)【東京】
2022年1月20日(木) Zepp DiverCity(TOKYO)【東京】
▼詳細はこちらへ
https://junnarockyou.com/jp/schedule/?category_id=&schedule_category_type=1&id=305
プレゼント情報
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— MusicVoice - ミュージックヴォイス公式 (@musicvoicejp) October 10, 2021
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・2021年10月10日〜10月17日23時59分まで。
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