小説を音楽にするユニットのYOASOBIが28日、NHK子ども向けSDGs番組シリーズ「ひろがれ!いろとりどり」のテーマソング&新こどもユニット発表会見に出席した。

 「ひろがれ!いろとりどり」は、NHK・SDGsキャンペーン「未来へ17アクション」の一環として、次世代を担う幼児や青少年に向けて展開中のSDGs番組シリーズ。学校でも家庭でも楽しめる3つのエンターテインメント番組を週替わりで放送しているほか、SDGs各目標の内容がよくわかる「SDGsのうた」を放送やHPで公開している。

 楽曲を制作するにあたり未来を担う6歳から19歳の子どもたちから「ともに生きる」というテーマで物語を募集したところ、700を越える作品が集まった。テーマソングの原作となるグランプリ作品は、乙月ななさん(15)の「小さなツバメの大きな夢」が採用された。

 テーマソングを制作したYOASOBIのAyaseは、「小さなツバメの大きな夢」を読んで「テーマが凄く上手に表されている」「ツバメの視点で物語が進む中で、人の営みなど、俯瞰的な位置からストーリーが進んでいくが身近に感じる、僕たちにも何かが出来るのではないかと残してくれる素晴らしい作品」と、絶賛すると共に選考理由を述べた。

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 ikuraは、「一人の力では何もできないと思いがちだけど、大きな力を持っていなくてもみんなで手を取り合って、やがて大きなことを成し遂げられることができる」というテーマが素晴らしいと感じ、胸に残ったと、作品を讃えながら語った。

 テーマソングのタイトルは「ツバメ」。Ayaseは、原作のツバメが空を飛んで見ている視点、人々の営みの中で起きている問題などについて「僕たちに今何ができるんだろう」という、原作に込められているメッセージを「明るく、ツバメが空を飛んでいるのが聴いただけで頭に浮かんでくるような楽曲にしたい」と考え制作したと明かした。

 ikuraは「色んな明るい未来が見えてくるんじゃないかなという気持ちを込めて、みんなが勇気を持てる曲になれたら」という想いを歌唱に込めたという。

 そして、「ツバメ」を共に歌唱する、小学1年生から5年生までの5人で結成された新ユニット「ミドリーズ」がお披露目された。メンバーはあつき(10)、レクシー(8)、うきょう(6)、りりな(9)、ゆめり(11)の5人。

 「ツバメ」のミュージックビデオが上映され、楽曲「ツバメ」とミドリーズのダンスが映像で披露。振り付けを担当したのは演出家で振付師のMIKIKO。「ミドリーズの5人それぞれの個性が輝き、ツバメのように未来に羽ばたくこどもたちが希望に満ち溢れていますようにと願いを込めて、翼をモチーフに」「垣根を超えて誰もがこのダンスで心が躍りひとつになれるように、小さなお子さんやダンスが苦手な人でも簡単に踊れる『子ツバメバージョン』、少し難しい動きにも挑戦してみたい方には『親ツバメバージョン』と、今回2つのバージョンをご用意しています」と、作品に込められた想いが紹介された。

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 質疑応答では、オーディションで選ばれたミドリーズの5人を起用したポイントについてプロデューサーの佐藤正和氏は「SDGs キャンペーンのマスコットキャラクターということで多種多様な子どもたちに参加してもらいたいなと思って呼びかけました」「個性が輝いている子がたくさんいる中で、最終的には5人のバランスをみて選ばせて頂きました」と、答えた。

 そして、ミドリーズと初めて会った印象についてAyaseは、初めて顔を合わせたというレコーディングの時を振り返り「可愛いとドキドキしか出てこなくて」と語りつつ、ディレクションをしながらミドリーズが頑張る姿を見て「全部OKテイクにしました(笑)」と述べ、ikuraも「一目見た時からパワーが凄くて一気にスタジオの雰囲気がパッと明るくなって、みんなが笑顔で嬉しくて『はいOK! もう可愛いOK!』って(笑)」と、共に笑顔で語った。

 また、NHK初のこどもユニットとして米津玄師がプロデュースしたFoorinの「パプリカ」が国民的ソングになったこともあり、「このユニットを率いて紅白歌合戦の舞台に出たいという目標もある?」と聞かれると、Ayaseは「誰が聴いても楽しく一緒に踊れて、ということを凄く考えて楽曲を作ったので、それが一番広く多く届けられるような場があれば、どんどんそこは参加していきたいなという気持ちはあります」と、ikuraは「是非、披露する場が紅白だったら嬉しいなと、心の中でちょっと思いながら過ごしています」と、コメント。

 「ひろがれ!いろとりどり」テーマソング「ツバメ」は、「みんなのうた」で、10月、11月の新曲として放送される。【取材=平吉賢治】

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