INTERVIEW

かてぃ

服は「私の感情」
全てをさらけ出した『ファッションカルト』


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:21年09月22日

読了時間:約5分

 かてぃ(前芸名:香椎かてぃ)が、自身2冊目となるファッションドキュメンタリーブック『ファッションカルト』(扶桑社)を発売した。前作『新あいどる聖書』に収めきれなかった、かてぃのファッションを全て詰め込んだ。その日の感情がファッションに表れるという彼女の、まさに本心をありのままに写しとったドキュメンタリーブックともいえる内容だ。「服よ、叫べ!」――、彼女の本心の一角に触れる。【取材・撮影=木村武雄】

『ファッションカルト』(扶桑社)先行カット

ファッションは私の感情

――前作『新あいどる聖書』でもセルフメイクや私服コーデを披露していました。2冊目の出版が決まりどう感じましたか。

 『新あいどる聖書』の時に、大好きなファッションを全て入れるつもりで頑張りましたが、伝わり切っていないのではないかと思っていました。そんな時に今回の話を頂いたので嬉しかったです。まさかもう一冊出せるとも思っていなかったので。ファッションからまた一つ広がればいいなと思いました。

――今回、特に意識した点は?

 普段からユニセックスのものを着ているので男女問わず参考になったらいいなと思いました。もともと自分は男の子のファッションを参考にしているので、私服のページは男の子も着られるようなものを意識して。はたから見たら自分のファッションを理解できないところもあるかもしれませんが、『こういうのもあるんだ』と思ってもらえたら嬉しいです。

――なぜ男性のファッションも意識されたのですか。

 昔から女でいる自分が苦手で、口の悪さや行動とか男っぽさを追求していたんです。小さい頃から中身はそんなに強くないので外見から強くになりたい、男の人になりたいという気持ちがあって。

――本書には「ファッションは外見から自分を強くしてくれるもの」と綴っています。

 そうですね。服で自分の一日のテンションが決まるので、毎朝ちゃんと服を決め込まないとその日の途中でグダってしまうことがあります。でも、自分の感情のままに着たいものを着ています。なので、その日の感情や情緒が自分のファッションには表れていると思います

――その感情、コントロールするのも大変です。

 やっぱり、それはしょうがないことですよね。感情にはなかなか逆らえなくてむずかしい。自分の場合はくじけそうなときは絶対に友達と会うことを決めています。今は毎日その友達と一緒にいるかもしれない。自分の支えになっています。

――かてぃさんにとっての心のうちが表れているファッションを今回、全て公開しています。

 そうなんですよ。家にある服を全部スタジオに持って行きました。自分の服は全てこの本に詰まっていると思う。インスタで「ここのブランドはどこのですか?」と聞かれたら「この本を見てください」と言いたいぐらい全てを詰め込みました。でも、自分の服を全て入れたから、この取材を受ける時に「この本に載ってた服じゃん」と思われたら恥ずかしいなと思って、今日の服は新しく買ってきました(笑)

かてぃ

――全てお気に入りだと思いますが、あえて挙げるならどのページ?

 「紫を纏い最後の叫び」という言葉が書かれている紫色のページが好きです。アイドル時代は、紫は嫌いだったんですけど、辞める時に恋しくなって、最後は好きになったんです。だからこのページはすごく好きです。写真を撮ってくれたアキタカオリさんというカメラマンが好きで、カメラを持っているアキタさんがすごくかっこいいんです。女性らしい本物のかっこよさが好き。だからアキタさんに撮ってもらえたのがすごく嬉しくて、この本に載っている写真は全部好きです。花に囲まれている自分が載ったこのページもめちゃくちゃ好きです。

――撮られている時はどういう気持ち?

 自分はカメラで撮られるのがすごく苦手なんですよ。ミュージックビデオの時も撮られているのがすごく嫌だったんです。でも完成したものがすごくかっこよくて、やっていくうちにどんどん好きになりました。アキタさんに撮られている自分が楽しい。アキタさんはエモい!(笑)

――改めて完成したものを見てどう思いますか?

 私の中では最高ですが、みなさんがどう思うか楽しみです!

かてぃ

なんとかなる、やりたいことを

――かてぃさんにとって感情が表れるのがファッションですが、改めてファッションはどんな存在?

 新しいジャンルの服を着ることで新しい自分を見せられて、それをみんなが受け入れてくれる。そこからどんどんといろんなところに広がっていくので、きっかけをくれる存在だと思います。

――そのなかで自分らしさとは?

 好きなように生きたことが自分らしいのかなって思います。親がなんでもやらせてくれるタイプで、小さい頃からなんでも挑戦してきました。公文も3回ぐらい行って辞めたのに、そのあと友達が習い始めたからまた習いに行ったり。何度も同じことをして失敗して同じことを繰り返していて…。

――親御さん優しいですね。

 めちゃくちゃいいお母さんに巡り合えたからこそ、自由に生き過ぎました(笑)。

――その自由さが発想力に繋がって、さらにいろんなことに挑まれていて。かてぃさんの性格は親御さんの影響もあるわけで。

 そうです。マイルーツです!

かてぃ

――それと文章のセンスがいいですね。

 いや、知っている言葉が少ないから、わかりやすく見えたり、人とは違うように見えるだけなんです。ただ単に言葉を知らないだけです。でも、うちの親がポエマーだったから、その影響があるのかな。酔っぱらうと語りかけてきて、それを永遠に聞いていたので、ポエマーの能力が自分にも入っているかもしれない(笑)。

――それもルーツとしてあるわけですね。本書の最後の方には読者へのメッセージも寄せていて、そこでは「夢をあきらめで」と綴っています。

 自分は服が好きなので好きなことをやってきた感じです。でも、やりたいことをやる……といってもなかなか難しいのかな…。いろんなことをやって、失敗もするべきだなって思います。アイドルを辞めた時、その先を考えていなかったけど、どうにかなっているし、でも、今はいろいろと迷っていて。だけど、どうにかなるということを見せつけたい、ここから巻き返すところを見せたい、という思いはあります。

――悔しいと思うことがたくさんあった?

 悔しいことまみれです。結構つらいけど頑張ります。大人になってからひよっているんですよ。SNSでも自分の一言でどうにかなってしまうので。でも、ひよりたくないのでファッションやいろいろな見せ方で尖っていきたいですね。

――最後に読者の皆さんへ一言。

 第2弾の本を出させて頂きました。ファッションについていろいろ載っているので、楽しんでください! そして参考にしてください!

(おわり)

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