中山咲月

 俳優・中山咲月が17日、都内で行われた、フォトエッセイ『無性愛』発売記念取材会に出席した。「知ってもらう第一歩として本が出せました」。今年2月にトランスジェンダーを公表。本作ではありのままの自分を詰め込んだ。

 『仮面ライダー ゼロワン』で亡役を演じた中山。トランスジェンダーであり、「無性愛者」というセクシュアリティについて初めて告白するフォトエッセイ。中学生時代になんとなく気づいていたが「思春期の感情」ととどめた。だが抱えていた「モヤモヤ」はコロナ禍で見た映画で明確になった。

 当初は公表するか悩んだが「言った方が楽だな」と今年2月にブログで明らかにした。その後に本作制作の話を受け、「出させて頂くならパーソナルな部分も出したい」と悩んだ期間の思いをしたためたエッセイも載せることを決めた。

 「役に入り込んで撮影した」と様々なシチュエーションを設定し、それに見合うロケーションと衣装で臨んだ。なかには制服姿で海に入っている写真もあり「4月に撮影したので寒かった」と笑った。

 お気に入りの写真として挙げた、スカジャン姿でソファに横たわる写真は「自由に生きている」ことをテーマにした。「自由気ままに生きている姿に憧れていて、自分がなりたい姿。撮影も自由にできました」

 「たくさんのわがままを聞いてもらった」という本作に自身の全てを詰め込んだ。自己採点は「100点」。

 また、公表したことで、ファンから「知っていました」と言われることがあり「自分よりも先に知って下さっていたんだと思い、それが嬉しかった」と喜んだ。

 公表する前までは「ぶつかる壁もあった」が、「公表してから生きやすくなった。言って良かった。言ったことで前向きになれた」と生き生きとした表情で語った。

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