THE BEAT GARDEN「自慢させて欲しい」卒業を控えるメンバーSATORUが伝えたいこと
INTERVIEW

THE BEAT GARDEN

「自慢させて欲しい」卒業を控えるメンバーSATORUが伝えたいこと


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年08月06日

読了時間:約11分

 約2年ぶりとなる全国ツアー”The Beat Garden one man live tour 2021「Afterglow」”を開催中の3Vo+1DJのボーカルグループTHE BEAT GARDENが4日、3rd Album『余光』をリリースした。このアルバムは8月10日のSHOWROOM「音庭部屋」生配信を持ってグループ卒業が決定しているSATORU在籍時最後の作品。書き下ろしの新曲「好きな人がいる人を好きになった」、「Everglow」を含む 計11曲を収録した今のTHE BEAT GARDENのマスターピースと呼ぶにふさわしい1枚となった。インタビューでは、『余光』の制作背景や込めた想いに触れながら、ここまでのツアーの手応え、SATORUがメンバーに話したいことなど多岐に亘り、4人に話を聞いた。【取材=村上順一】

今メンバーに言っておきたいこと

『余光』通常盤ジャケ写

――久しぶりの有観客によるツアーも佳境に入っていますが、手応えはいかがですか。

U これまでもBeemer(ファンの呼称)のみんなは一緒にライブを作ってくれるんです。例えば対バンイベントでも声を出して盛り上げてくれたりしたので、こういったコロナ禍でのライブはいつもとは違うので不安もありました。でも、拍手だったりアクションで応えてくれたのと、歌をじっくり聴いてくれている感じがすごくして、僕らの音楽を愛してくれていることを実感しました。その中でも埼玉は僕の地元というのもありますけど、拍手の音が大きかったのが印象的でした。

――きっと皆さん、練習してきてくれたんですね。REIさんは?

REI この期間はずっとツアーのことを考えていて、リハをやっていてもすごく熱くなってしまいます。1年延期しての開催とSATORUさんの卒業というのもあり、一本一本をすごく大切にしたいという気持ちが強いです。その中で印象的なのは大阪でした。延期していたものがさらに延期になった中で開催できた公演だったので、会えた時の喜びもありました。

U リハといえば、ツアーファイナルのリハを先日初めて行ったのですが、あまりリハを重ねたくないなと思いました。

MASATO SATORUの卒業もあるので、その場のフィーリングでしか生まれないものがあるということに気づいてしまって。

U 本当にライブの流れを確認しているだけで、結果違うものになると思っています。

――Beemerの皆さんもいますからね。MASATOさんはツアーいかがですか。

MASATO この瞬間のためにずっと曲を作り続けてきたんだと思えるライブになっています。みんなも生で聴けるのをずっと待っていてくれたことが伝わってきました。ステージで歌うことも大切なんですけど、みんなと会うことが1番の目標、目的だったところもあったので、一番印象的だったのはツアー1本目の広島でした。みんなの顔を見た瞬間に感動して。

SATORU コロナ禍でライブに来れない人も沢山いて、広島が最後、埼玉が僕らのライブを観るのが最後という方もいると思います。なので、自分もこのツアーでラストなので、一本一本をファイナルのつもりでやっています。

――MCも毎回違うんですか。

SATORU 変えてます。自己紹介からふざけているんですけど、みんなも笑いを堪えるのが大変なんじゃないかなと。

U 最初はそう思っていたんですけど、本当は滑ってるんじゃないかなとだんだん思い始めて(笑)。

SATORU それもライブなので(笑)。ただ本当にお客さんがいるライブは久しぶりで、みんなの前に立てることが本当に楽しくて。やっぱり僕らはライブだなと実感しています。

――このツアーを回る中で気づいたことはありますか。

U 僕がMCを代表して話をさせてもらっているんですけど、今回はSATORUが気持ちを伝える時間を作っていて、SATORUが意外と喋れることに気付きました。楽屋とかでも喋る内容を全然考えている感じもなくて、こんなに喋れるのに、普段は僕に任せてくれていたということがわかって。

――SATORUさん、今メンバーに言っておきたいこと、聞きたいことはありますか。

SATORU あります! 僕がMCを喋り終わった時にUさんとMCをチェンジするんですけど、REIちゃんも僕の方を見てくれているんですけど、MASATOくんは全く僕の方を見てくれていないんです。何公演も回って来ていますけど、一度も目が合わなくて(笑)。これはなぜなのか聞きたいです。

U MASATOは次の曲に意識がいってるよね?

MASATO これは自分なりに意味があるんです。まず、3割はSATORUと目を合わせてしまうと僕が感動して崩れてしまう可能性があると思っていて、敢えて目を合わせないようにしています。6割はみんなSATORUのMCで感傷的になっていると思うんですけど、グループとしての均衡を保つためというのがあって。あと残りの1割は、水を飲むタイミングを見計らっています。なかなか飲むタイミングがないので...。

U 最後の水が10割でしょ。

一同 (笑)。

SATORU そして、REIちゃんは僕はDJなので後ろでパフォーマンスしているんですけど、曲中でも後ろを振り向くタイミングというのはけっこうあって、かなりの確率で変顔をしていて。それもカッコいいアップチューンでやっているんですよ。僕はお客さんから表情が見えているので、それに対して笑うことも出来なくて。それはどんな気持ちでやっているのか聞いてみたい。

REI フロントの2人は目を合わせるタイミングはけっこうあるんです。でも、SATORUさんの場合は振り向かないと目が合わないので、2人よりは頻度は多くはなくて。なので、目があった喜びを表現しています。

SATORU あれ喜びだったの!?

U しかも正面に戻る時にその変顔が少し残っている時があるよね。

――グラデーションしてるんですね(笑)。最後にUさんについては?

SATORU Uさんは熱いMCをいつもしてくれているんですけど、ラスト3曲というところで、何を思ったのかラスト2曲のMCをする時があるんです。それで1曲飛ばすことがたまにあって、PAさん、照明さん、曲だしをする僕も焦るという。

U 2回ほどやってしまって、ライブ後に謝罪しました...。

SATORU 本人はライブ終了後も気づいていないんです。

U でも、結果的にすごくいいライブになっていたと、みんな言ってくれたので結果としては良かったかなと。

SATORU ライブ自体は本当に良かったので、いいんですけど、ちゃんとセトリ、流れは覚えて欲しいです(笑)。

MASATO 僕らは曲を飛ばす時、なんとなく空気感でわかるようになってきて。それでSATORUに「これは(曲を)飛ばすぞ」と目で合図するんですけど、全然違う意味でSATORUは頷いていて。

SATORU 僕は自分のMCのあとだったので、気持ち的に大丈夫?と聞かれていると思っていて、「うん、大丈夫」という意味で頷いて(笑)。でも、Uさんが曲を飛ばすことは察知できたので、上手く曲出しも出来たんです。MASATO君の合図もわかっていなかったようで、実はわかっていたという奇跡的な話です。

――SATORUさんはなぜ曲を飛ばすことに気づいたんですか。

SATORU Uさんのブレスです。そこで曲が違うことがわかって。

――それはすごい!

U なので曲出しが0.2秒くらい遅れていて、僕の中では「曲出しが遅い」と思っていたんですけど、僕が間違えていたという...。

MASATO もう2回目の時はバッチリ意思の疎通が出来ていました。僕が合図しようとしたらもうSATORUは頷いてましたから(笑)。

音楽をしっかり届けられる自信

『余光』初回盤ジャケ写

――さて、3rdアルバムがリリースされますが、ジャケ写もすごくいいですね。配信シングルの「遠距離恋愛」も雰囲気のある空の景色でしたが、初回盤がこのジャケ写になったのはなぜですか。

U これまでは僕らがアートワークに出ることが多かったんですけど、自分たちが出ることで間口が狭くなってしまうんじゃないかというのがありました。音楽をしっかり届けられる自信があったので、曲を投影できるようなジャケ写にしたいと思って。

――『余光』というタイトルはどのような想いを込めてつけられたのでしょうか。

U ツアーが先に決まっていて、アルバムも同じ意味の『余光』にしたいと思いました。日が沈んでも光は消えない、というのが「Afterglow」だったので、アルバムもそうだなと思えて。 SATORUと一緒に作る最後のアルバムということで、SATORUと作ったTHE BEAT GARDENでこの先も頑張っていく、という意思表示も込めました。

――敢えて日本語にしたのは?

U もともとツアータイトルもみんなとLINEで相談して決めました。最初は「余光」と日本語で提案していて、それでみんなもカッコいいねと話していて。その中で英語だとafter glowになると話して、ツアータイトルは英語でアルバムは日本語にしようとなりました。

――何かを決める時、メンバーとLINEでやりとりすることは多いんですか。

U 多いです。それでみんなにもアイデアを出してもらうんですけど、突拍子もないアイデアはREIが出してくることが多くて。

REI センスがないだけなんですけど(笑)。

U ユニット名を考える時もCloud9と提案して来て、何の9なのか意味がわからなかった(笑)。

REI 響き重視でした(笑)。

――インパクト重視ですね。そのREIさんが作曲した新曲「Everglow」がアルバムに収録されていますが、どんなイメージで作られたのでしょうか。

REI この4人の最後のアルバムになるので、自分たちの原点を振り返りつつ、これまでの過程で成長した自分たちを見せたいと考えて作った曲です。

U このコロナ禍でラブソングを沢山書かせてもらっていました。自分の言いたかったことはSNSでは発信していたんですけど、歌詞にしていなかったなと感じて。その中でREIが明るい曲を書いて来てくれたので、この曲調の中で本音をぶつけてみようと思いました。ずっと追いかけ続けてくれたみんなへの感謝と、いつ会えるかわからないという状況で、会えたとしてもこれまでとは違う感じになるとは思っていましたし、もう一つ先の未来を一緒に追いかけていけるような、僕らを信じてもらえるような曲にしたいなと思い歌詞を書きました。

――ラップも珍しいですよね。

U ずっと、REIに「そろそろラップやろうよ」と以前から提案していました。

REI この曲はMVも撮影したのですが、表題曲としてラップを入れたのは「Sky Drive」以来だと思います。ラップを入れることもこれまでを振り返った部分でもあって、SATORUさんが卒業するというこのタイミングでやることに意味があるなと感じたので、久しぶりにやってみました。

――SATORUさんはこの曲を聴いて感じたことは?

SATORU 最後の<叫び合おうか 鳴り止まなかった愛を 想いを>はすごく好きな歌詞です。ライブをやってもみんなは声が出せず、僕らだけが叫んでいるような感じになってしまっていますが、きっと未来ではみんなも声を出すことも出来ると信じています。ライブは僕たちだけでは作ることはできないですし、ライブでこの曲をパフォーマンスしていてもすごく心に響く曲になったと思います。

MASATO この曲を初めて聴いた時から、すごく歌うことが楽しみでした。アップナンバーをリリースする期間が空いていたこともあって、パワーアップした僕たちを見せられたんじゃないかなと。Aメロの<ウィルスが盗んだ 君との希望やStory>という本音だったり、<壊れた世界はきっと 戻らないけど 涙が底をついたなら 悲しみも終わるから>というシリアスな言葉も、感傷的になりすぎないようにアップテンポの曲で歌うというのもTHE BEAT GARDENらしいのかなと思いました。みんなの言葉を代弁して歌っている感覚もあって、この曲を歌えて良かったなと思いました。

自慢させて欲しい

――そして、「好きな人がいる人を好きになった」ですけど、歌詞がシンガーソングライターの落合渉さんとの共作ですね。もともとお知り合いなんですか。

U 「マリッジソング」を書いている時に、僕がYouTubeで彼を見つけて、Instagramに飛んだら共通の知り合いがいました。それでその知人からLINEを教えてもらって、その日に「会えますか?」と連絡したらお会いすることが出来て。ずっと歌詞の話を出来る仲間が欲しいなと思っていました。

 意気投合してそこから新曲が出来るたびにお互いに曲を送りあったり、今では5人でマリオカートをする仲になりました。それでアルバムをリリースすることが決まって一緒に作詞しようとなって。渉くんのカラーを出したいと思ったので、まずは一番を渉くんに書いてもらって、タイトルも次の日には送ってくれて。僕は割と物事を遠回しに書くんですけど、渉くんはストレートに書くので、それがうまく混ざれば良いなと思いました。

――SATORUさんはこの歌詞を見ていかがでした?

SATORU 共感ポイントは結構あって、僕は割とこの曲の主人公に近い感覚です。経験済みですから(笑)。

U SATORUはそういう状態だと燃えるタイプです。大体は引いてしまうと思うんですけど。僕とMASATOは引くタイプで、REIとSATORUは弱気な部分もありながらもそれでも推していく感じかなと。

――アレンジもウッドベースが効いていて、ジャズっぽい要素もあってカッコいいですよね。

U ありがとうございます。最初はアルバム収録と関係なく作っていた曲で、「Snow White Girl」をアレンジしてくれたReoくんがデモでこの曲をアレンジしてくれたんですけど、そこでウッドベースを入れたものになっていました。それでアルバム収録にあたってREIが推していた西(陽仁)さんに新たにアレンジしていただいて、デモ音源をよりブラッシュアップしていただきました。

――ラストが「エピソード」というのはグッときますね。

U 収録曲を決める時もこの曲は全員候補に入っていて、4人のことを如実に表れている「エピソード」は絶対収録したいと思いました。そして、1曲目を「マリッジソング」にしたのは、このコロナ禍という現状、ドラマ『社内マリッジハニー』の影響もありこの曲の存在感が大きかったんです。僕らといえば「マリッジソング」と挙げてくれる人も多かったので、この曲から始まりたいなと思いました。

――アカペラから始まるというのもドキッとしましたから。最後にSATORUさんからBeemerの皆さんへのメッセージと、メンバー3人にどんな風になって欲しいか激励をお願いします。

SATORU ライブに来てくれた人も、来れなかったみんなも気持ちを飛ばしてくれているのが伝わっています。皆さんがその瞬間幸せになってくれていたらいいなと思いが強いです。そして、僕は最後まで楽しみたいと思いますし、アルバムも今の僕らのベストなものになっているので初めましての方にも是非聴いていただきたいです。3人は近い将来、世の中のほとんどの人が知っているようなグループになると思うので、皆さんがTHE BEAT GARDENを知ってくれる日を心待ちにしています。自慢させて欲しいです!

(おわり)

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