W主演する森山未來とアヴちゃん(女王蜂)(C)“INU-OH” Film Partners

 アヴちゃん(女王蜂)と森山未來が、劇場アニメーション映画『犬王』(湯浅政明監督)でW主演する。主人公の2人、能楽師と琵琶法師の声を演じる。

 『犬王』は、室町の知られざるポップスター「犬王」から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。監督を湯浅政明、キャラクター原案を松本大洋、脚本を野木亜紀子が務める。『平家物語 犬王の巻』(古川日出男・著)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚の友情を描く。

 犬王役には、「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんが、バディの友魚役には、俳優の森山未來が決定した。音楽を担当するのは大友良英。ジャンルを超えてボーダーレスに活躍するメンバーで、室町時代の最先端エンタメとしての「能楽」に挑む。歌唱シーンの一部は、この日公開された特報で見られる。

 世界最古の舞台芸術・能楽の世界でスターダムに駆け上がり、友情を紡ぐ能楽師・犬王、そして琵琶法師・友魚を演じるのはアヴちゃん(女王蜂)と森山未來。公私ともに仲が良く、その多才さでジャンルを問わず活躍し、強烈な個性を放ち続ける二人が映画『モテキ』以来10年ぶりとなる共演だ。

(C)“INU-OH” Film Partners

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 アニメ『DEVILMAN crybaby』以来の湯浅作品参加となる犬王役のアヴちゃんは「普段女王として生きているわたしが、今回「王」として生きる機会を頂きました。「犬王」。まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます」と語り、『聖☆おにいさん』以来2度目のアニメ声優出演、湯浅作品初参加で友魚を演じた森山は「琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした」とアフレコを振り返った。

 また本作は、当初2021年公開予定だったが、新公開時期として2022年初夏の上映が決定した。また、第78回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門選出を受け、今年9月に予定されている同映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。

 合わせて、特報映像が解禁となった。舞台は室町時代の京都。湯浅監督のイマジネーションが爆発した躍動感あふれるアニメーションで描かれる犬王と友魚。そこに、伸びやかでいて、高音から低音まで縦横無尽に飛躍する犬王の歌声が重なる。たぐいまれなる音域の広さを持つヴォーカリスト・アヴちゃんにしか表現しえない歌が確かに刻まれている。

 犬王と友魚がファンタジックに宙に舞い上がるシーンをきっかけに音楽は一転リズミカルに。「室町時代」や「能楽」の既成概念を取り払うかのような、音楽フェスにも見えるシーンが次々と畳みかける。

 まさに湯浅アニメの真骨頂。音楽と映像表現が一体となったグルーヴ感。そして友魚を演じる森山による「お前をなんと呼べばいい!」、犬王を演じるアヴちゃんによる「実はもう決めてある!」という台詞に呼応するかのように本作のタイトル『犬王』の文字。同時に流れる鋭いギターサウンドから音楽を担当する大友がその個性を存分に発揮していることもはっきりとわかる。

アヴちゃん:コメント

 普段女王として生きているわたしが、今回「王」として生きる機会を頂きました。

 「犬王」。

 まっすぐに、運命の映画だと言い切ることが出来ます。

 ああ!来年をおたのしみに!

森山未來:コメント

 現存する能楽が確立される前なのだから自由な発想で演じられていい、という考えのもとに湯浅監督が生み出したぶっ飛び能楽アニメーション「犬王」。琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした。世界最古のミュージカルと言われる「能楽」の豊かな可能性を感じられる映画になっているのではないでしょうか。

音楽・大友良英:コメント

 正直に書きます。湯浅監督の具体的なのか抽象的なのかさっぱりわからない無茶苦茶な注文と、素人目には何が描かれているか皆目検討がつかないスケッチ段階の動画に翻弄されまくった3年間でした。でもただ翻弄され続けただけならとっくにやめてます。絵が立ち現れ歌や音ともに動き出した時の興奮と感動をいったい何度味わったことか。気づくと自分も「犬王」の世界にすっかり没入していました。とんでもない作品です。大傑作です!

監督・湯浅政明:コメント

 2人の物語が多くの人に知られると嬉しい。

 室町時代にロックな演奏で歌唱で舞で、自分の生き方を貫き、宿命的な奈落から駆け上がって行った2人。映画は見てるだけで胸が熱く、あがるものになるはずです。オーパーツは至る所にあったはず。我々は多くの物語を知らなすぎる。彼らが認められ、称賛されることは、どの時代をも真直に生きる者達が報われる事だ。

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