TikTok発シンガーソングライターのひらめが6日、2ndシングル「既読無視」を配信リリースした。TikTokでオリジナルソング「ポケットからきゅんです!」が、著名人を含む関連動画が30万に登り、総再生回数が数億回を誇るなど、TikTokから社会現象を生み出したことは記憶に新しい。リリースされた2ndシングル「既読無視」は好きな人とのLINEでのやりとりをテーマに、女の子の気持ちをリアルに描いた片思いラブソング。インタビューでは、音楽との出会いからひらめがラブソングにこだわる理由、これから挑戦していきたいことなど話を聞いた。【取材=村上順一】
曲へのこだわりは考え抜いて作らないこと
――音楽に触れたきっかけは?
シンガーソングライターの井上苑子さんが好きで、そこからギターに興味が湧いて音楽を始めたんです。私は女の子に共感してもらえる曲を作っているんですけど、それは苑子さんの楽曲が中高生の女の子に向けたラブソングが多くて、そこに惹かれて自分もそういう曲を作りたいなと思いました。
――ひらめさんというお名前が印象的ですが、どのような由来があるのでしょうか。
友達に付けてもらったあだ名なんです。昔からひらめをSNSのハンドルネームにしていたので、そのまま引き継いで活動したという経緯があります。みんながこの名前を認知してくれるようになったので、すごく愛着が湧いてきて。
――顔を出さないで活動されているひらめさんですが、それはなぜですか。
私の声と曲に反応してもらえていると思うんです。でも、顔を出すことで楽曲のイメージも変わってくると思っていて。今は顔を出して活動するよりも曲を聴いてもらいたいという想いがあるんです。
――イラストのキャラクター、かわいいですね。ご自身で描かれたんですか。
ありがとうございます。ファンの方が描いてくれたんです。「ポケットからきゅんです!」を公開する前、TikTokを始めた時から応援してくれている方で、私にとっても初めて描いてもらったイラストなんです。
――思い入れのあるイラストだったんですね。「ポケットからきゅんです!」がTikTokでバズった時はどんな気持ちになりましたか。
いきなりバズったわけではなくて、徐々にという感じだったので、そんなにバズったという実感はなかったんです。ただみんなに曲を使ってもらえて嬉しいなという感じでした。有名なTikTokerさんや芸能人の方が使ってくれているのを見てやっと実感が湧いてきて。ディーン・フジオカさんがやってくれたのは驚きました。
――その「ポケットからきゅんです!」はどんな風に出来た曲なんですか。
寝る前にパッと思いついた歌詞とメロディなんです。「きゅんです」という言葉が流行っていたのは知っていたので、その言葉を音楽に乗せたらすごく語呂が良かったんです。なので、試行錯誤した感じではないんです。
――今作「既読無視」はいかがでしたか。
ファンの方がDMとかで恋愛相談を私にしてくれるんです。その中でLINEのやりとりに悩んでいる子がすごく多かったんです。相談をくれる子は8割が女の子なんですけど、2割ぐらい男の子もいて、悩んでいることは意外と一緒だったりするんです。この既読無視は私ももちろんですけど、男女問わず抱える悩みだなと感じました。もちろん私も経験があります。
――「既読無視」もその一つで。ひらめさんはそんなSNSはどのように捉えていますか。
いまの子たちはSNSで悩む人が多いんですけど、SNSは自分を伝えられる良い場所だと思っています。
――今作で新しい試みはありますか。
「ポケットからきゅんです!」はギターと歌のみというシンプルな曲なんですけど、「既読無視」はアレンジを加えました。アレンジが加わったことによって、より聴きやすくなったと感じています。自分も聴いていて楽しいです。
――アレンジに興味は?
めちゃくちゃあってやってみたいんです!いずれ出来るようになりたいなと思っています!
――作詞や作曲こだわっているところはどこですか。
さっき「ポケットからきゅんです!」はパッと思いついた歌詞とお話ししたんですけど、考え抜いて作らないことです。あまり考えすぎてしまうと自分の感情ではないものになってしまうと感じているので、あえて考えすぎないようにしています。日常の一つひとつの場面を大切にしながら作詞する事が多いです。
作曲は作詞と同じように考えすぎないようにしながらも、メロディはキャッチーにしたい、というのは常に意識しています。最初は鼻歌で歌詞と曲調がマッチするように作っていって、後からギターでコードを付けていくことが多いです。コードを探る作業も楽しいんです。
自分にとって欠かせないもの
――ひらめさん、ギター歴はどれくらいですか。
ギター歴でいったら3年〜4年くらいです。ずっと趣味で弾いていました。
――今使っているギターとの出会いはどんな感じだったのでしょうか。
どんなものを買ったら良いのかわからなくて、赤色が好きだったので、このギターを選んだんです。YouTubeで路上ライブをやっている子を観ていたら、赤いギターを使っていたので可愛いなと思ったので、赤がいいなと思いました。曲もそうなんですけど、あまり考えずに直感で動いている部分があるかも知れないです(笑)。
――ひらめさんにとってギターはどんな存在ですか。
最初は好きなアーティストの曲をカバーするのに使っていたギターでしたけど、TiKTokにオリジナル曲を投稿するようになってからは毎日ギターに触っています。みんなに私の曲を聴いてもらいたい、と思いながらギターを弾いているので、自分にとって欠かせないものになりました。
――ギター以外の楽器でやってみたい楽器はありますか。
ピアノをやってみたいです。それは、自分の曲はアップテンポのものが多いんですけど、ギターだとそういう曲を作りたくなってしまうので、バラードにも挑戦したいなと思っていて、その時はピアノで歌ったらすごく良いなと思って。
――今作のレコーディングはいかがでしたか。
TiKTokとかで公開しているものは自宅で録るんですけど、「既読無視」は東京のスタジオでレコーディングしました。すごく楽しかったです。
――スタジオでのレコーディングは緊張しませんか。
歌うことに関しては緊張はしないんです。でも、喋ることは緊張します(笑)。得意ではないので喋るのって難しいなと感じていて。最近、こうやって取材をしていただいて少しずつ喋れるようになってきたので、成長している部分の一つです。
ひらめが挑戦したいこととは
――カラオケやプライベートではどんな曲を歌いますか。
プライベートで歌う曲はラブソングが多いです。聴く曲もラブソングしか聴いていないくらい。曲は歌詞から好きになるよりもメロディから好きになることが多くて。覚えやすいメロディに惹かれるんです。最近だとreGretGirlさんの曲が好きです。
――ひらめさんにとってラブソングとは?
私の目標は女の子に共感してもらえる曲を作るというのがあります。そうするとラブソングが一番共感してもらえる話題だと感じていて。みんなも恋の悩みが多いので、そのことを歌にすれば共感してもらえると思うんです。
――現在、好きなことは?
YouTubeを観るのが好きで、よく大食い動画とかヒップホップが好きでフリースタイルのラップバトルもよく観ています。ラップは韻を踏んでいるのがすごく心地良いなと思って聴くようになって、有名なラッパーさんがフリースタイルバトルに出ていたので、そこから観るようになりました。次に挑戦したいことの一つにヒップホップもあるんです。それもあって「ポケットからきゅんです!」の歌詞では韻を踏んでみたりしています。
――ヒップホップスタイルのひらめさん楽しみです。ちなみにひらめさんはもしかして大食い?
私は大食いではないんですけど、食べる方だとは思います(笑)。食べることが好きなんです。
――特にどんな食べ物がひらめさんは好きですか。
お寿司が好きです。特にマグロがなんですけど…。
――そこはヒラメではないんですね(笑)。音楽以外でチャレンジしたいことは?
料理をするのもすごく好きなんですけど、バースデーケーキのような大きなケーキを作ってみたいです!
――最後に、今ひらめさんの目標はどこにありますか。
もっと多くの女の子に共感してもらえるような曲を作って、皆さんに知ってもらいたいというのが、いま一番の目標です。そして、もっと幅広い世代の方に共感してもらえる歌も作っていけたらと思っています。まだスタート地点に立ったばかりなので、プロのシンガーソングライターとして認めてもらえるように頑張りたいです。
(おわり)