Rain Drops「期待をいい意味で裏切っていくユニット」VTuberの可能性に迫る
INTERVIEW

Rain Drops「期待をいい意味で裏切っていくユニット」VTuberの可能性に迫る


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:20年05月24日

読了時間:約21分

 バーチャルライバーグループのにじさんじ所属ユニットRain Dropsが5月13日、1stミニアルバム『シナスタジア』をリリースした。Rain Dropsは緑仙、三枝明那、童田明治、鈴木勝、える、ジョー・力一による音楽ジャンルに特化した6人組ユニット。今作は渡辺翔×eba・WEST GROUND×藤林聖子・津波幸 平・長谷川大介をはじめ、ネットミュージックシーンで話題のsyudou・あめのむらくもP等の楽曲提供なども行っている。メジャーデビューとなったRain Dropsに現在の心境と共に、本作を中心に緑仙、童田明治、鈴木勝、える、ジョー・力一の5人にロングインタビュー。【取材=平吉賢治】

Rain Drops誕生のいきさつとバーチャルライバーの魅力

緑仙

――昨12月8日に開催された、にじさんじワンマンライブ『VirtualtoLIVEin両国国技館2019』でメジャーデビューを発表され今に至りますが、現在どんな心境でしょうか。

緑仙 最初は実感がなくて、「なんだかすごいことになってるぞ…!」くらいの気持ちでいました。だけどVOLTAGEが公開されたあたりからメジャーでやっていくというのがこういうことなのか…とリスナーさんも思ったかもしれないんですけど自分自身でも思いました(笑)。形としてどんどん進んでいくにつれ、楽しみな気持ちが止まりません!

鈴木勝 事が大きすぎてずっと実感が無かったんですが、いよいよCDが発売されたり、ファンの皆が感想をくれたりするのを見てようやく「あ…始まったんだな...」と。自分がどこまで出来るか勿論不安もありますけど、メンバーもスタッフも頼もしいのでわくわくする気持ちの方が大きいです。

える 初めてのミニアルバム発売を終えて、これから!っていう感じです。デビューした時点でたくさんの方々に活躍を見守って頂いていることはとてもありがたいことで、嬉しいぶん、これからの活動でたくさんお返しをしていこうという気持ちです。

童田明治 これからメジャーデビューするという実感がじわじわとわいてきてます!
色んなことがはじまるという期待とちょっぴり不安でもあります!

ジョー・力一 約半年、少しずつその詳細をチラ見せしてきた我々の活動も、いよいよスタートダッシュを切ります。最初の一撃を放つことに緊張もありますが、今は早くみなさんの反応を知りたくてウズウズしていますね。

――みなさんがバーチャルライバーをやるきっかけとなったことは?

鈴木勝

緑仙 僕は友達作りのために活動をはじめました。普段悩んでることとか、自分の趣味とか。もしかしたらバーチャルを通せば仲間が沢山いるんじゃないかって思って…実際共感してくれる同世代の人だったり、趣味を理解してくれる大人だったりと沢山の人に出会うことが出来ましたね。

鈴木勝 日常の繰り返しに飽きていた頃ににじさんじのオーディションの告知を見て、です。

える 新しいことに挑戦してみたかったことと、友達が欲しかったことです。えるはにじさんじの1期生で、初めはYouTubeで活動する予定もなかったので、大きな目標とかは無く、楽しいことがしたいなと思っていました。

童田明治 たくさんの人に歌を聞いてほしかったからです!
ですが、一番のきっかけは友達が「むいてると思うよ」と背中を押してくれたのが大きいかなと思います!

ジョー・力一 新しい世界への挑戦……といえば聞こえはいいですが、先細るピエロとしての活動に新たな活路を見出したいというのが正直なところでした。おかげさまで今は、想像もつかなかったような活路の上に立っています。

――みなさんが思うバーチャルライバーの魅力とは?

える

緑仙 次元を飛び越えて仲良くなれることですね。アニメのキャラクターって、きっとその人たちにも色々な考えがあって見えない部分で別ストーリーがあると思うんですよ。もちろん僕たちもみんなの見えないところでストーリーがあったりするんですけどね。
もしかしたら錯覚なのかもしれないですけど、錯覚でも違う次元の人たちと交流が出来て僕は幸せだなと思います。

鈴木勝 「にじさんじ」という言葉のように次元、あとは嘘と本当、永遠と儚さ、等の様々な境界を曖昧にしてくれるところが面白いと思います。リスナーから見て俺たちがそうだと思うんですけど、俺たちから見てもリスナーって“リアルタイムでコミュニケーションを取れるとても身近な存在なのに、絶対に触る事が出来ない画面越しの存在”なんですよね。そういうもどかしさも含めて「らしさ」であり魅力だと思っています。

える みんなが過ごしている日常と変わらないところもあれば、バーチャルでしか表現出来ないところの両方があるところだと思います。

童田明治 バーチャルライバーって二次元のような三次元のようないままでになかった感じだと思うんですよね!そのなんともいえない時空の狭間みたいな不思議な感じが好きです!

ジョー・力一 日常と非日常の間の浮遊感ではないでしょうか。友達の家に遊びに行って、ゲームやったりおしゃべりしてるんだけど、その相手が魔法使いとか、あるいは初めて会う高校生だったり。出会いの体験として、非常に特殊だと思います。

――にじさんじはYouTube生配信でTwitterトレンド1位や、YouTube急上昇ランキング入り、2019年ネット流行語100年間大賞を獲得と大きな反響を呼んでいますが、この反応についてどう感じていますか。

童田明治

緑仙 次元が違うだけの一般人なのにすごいことになってきたぞ!と思います。
でもまだまだ沢山の人たちに僕たちのことを知ってもらいたいですね。

鈴木勝 一期生オーディション・社員さんが3人だった頃から知ってる自分としては、ただただ「にじさんじ、でっかくなったなぁ...」と...。

える にじさんじがたくさんの人の目に触れるようになったのはライバー一人一人の活動の成果が実を結んだことなので、えるもその一部になれていると思うと光栄で誇らしく思えます。

童田明治 素直な気持ちをいうなら、「ほえー!」という気持ちです。

ジョー・力一 「にじさんじ」にまつわるそういっためでたい記録とは裏腹に、我々個人個人の日々の活動はとても地道です。途切れぬように楽しいことを考え、目標に向けやっていきましょうというだけで、外からノルマを課されているわけでもありません。だからこそそれらの記録は、本当にたくさんの方が我々を「推し」てくれているのだという証として、粛々と受け取っております。

――強く影響を受けたアーティストなどは?

ジョー・力一

緑仙 漫画とかになると、読んだ後に「合わなかったな…」とか思うこともあるんですけど(でも全部読みます)音楽はどんなジャンルでも聞いてしまうんですよね。幼少期からずっと聞いてるので9mm parabellum bulletさんには影響を受けていると思います、好きな音楽の傾向(Bメロが印象的、ベースがカッコいいくらい音聞こえる等…)を言うと全部当てはまるので…

鈴木勝 一番は米津玄師さんです。ボカロPをされていた頃から好きで。音楽も詩もイラストも全部出来ちゃう方じゃないですか。自分も「世界」を作ってみたいなって。とても創作において刺激を受けました。

える ボカロというジャンルはえるに広い視野を与えてくれました。VOCALOIDという存在がそれぞれのクリエイターさんの手でそれぞれの世界を見せてくれることがとても魅力的で好きです。

童田明治 アニソンが本当に大好きで、特に女性シンガーのアニソンは曲調問わずよく聞きます。田村ゆかりさんとやなぎなぎさんの曲はよく聞くので影響受けていると思います。

ジョー・力一 B’zや筋肉少女帯、洋楽ならRammsteinなど、「こんな風に歌ってみたい!」と思うようなアーティストを追いかけてきました。平沢進さんファンのライバーとして僕を知ってくれてる方も多いと思います。ジャンルで聞くというよりは、アーティストごとに掘り下げていくタイプですね。

『シナスタジア』各曲解説

三枝明那

――『シナスタジア』というタイトルに込められた想いは?

緑仙 共感覚…らしいんですけど音楽を通して何かを伝えるって言うのは凄くスタイリッシュでカッコいいことだとずっと思っているので、凄く気に入っています。

鈴木勝 本当の共感覚という言葉の意味とは少し違ってはくるんですが、一つの刺激...自分たちの「音楽」に対して、聴いてくれた皆がそれぞれ様々な感情を抱いてくれたら嬉しいなと思ってつけました。

える メンバーで話し合っていくつかの案から選んだのですが、満場一致でこのタイトルになりました。えるは、「共感覚」って、RainDropsの第1歩に相応しい言葉だなってすごく思いました。この、「共」は、RainDropsのメンバー一人一人と、このミニアルバムを手に取ってくださった方との「共」だとえるは思ってます。

童田明治 共感覚・・・かっこいい・・・

ジョー・力一 このアルバムはRain Drops(あるいはバーチャルライバー)としての所信表明であるとともに、一筋縄ではいかない人生へのメッセージでもあります。遠い世界の物語のようにも聞こえるし、まるで自分のことを歌っているようにも聞こえるでしょう。そういう部分で僕らはつながれるんですよ、ということではないでしょうか。

――本作各曲についてお伺いします。「VOLTAGE」は疾走感のあるナンバーですが、歌う時特に意識した点は?

緑仙 最後のかっこいい所を歌わせてもらえてうきうきでした。僕たちの最高のアピール、スタートダッシュだなと。声のキー的にもアニソン系の歌を歌うのが得意なので、個人的には凄く僕らしいというか、歌いやすいかったです。

鈴木勝 とにかく熱く、全部の魂をぶつけるように歌いました。スタジオの壁を自分の声でぶち破ろうっていう意識で!

える 1サビ終わりの、「アップボルテージ」と、ジョーさんに引き続いて歌うところは特に意識しました。アッキーナくんから始まった前半の盛り上がりを落とさないように後半に繋いでいく重要な部分だと思っているので、力強く、収録中は何度も「戦い続け」ました…。

童田明治 今まで低めの声を収録したことがなくて。自分の中で思い描いているかっこいいをうまく形にするのがとても難しかったです。この曲自体全部気に入っているのですが、特にイントロがいいですよね!はじまるぞ!!って感じがして!

ジョー・力一 約40秒のイントロから始まるオープニングナンバーということで、テンションを高い位置でキープし続けました。レコーディング中「T.M.Revolutionのように!」というオーダーが飛んだことが印象的です。

――「蜜ノ味」はどんな感情を込めて歌いましたか?

緑仙 syudouさんの楽曲は、以前から凄く好きで個人的に動画を出させていただいたりしていたのですが、このような形で関わらせていただくことが出来て本当に嬉しかったです。
ダークでネガティブなんだけどそれをエネルギーに動いている、みたいなニュアンスと世界観が僕は自分に合ってるな…と想いながら歌うので、凄く感情が入ってると思います。

鈴木勝 ネットの匿名性って、良くも悪くも「闇」をはらみやすいんです。配信者としては表に出しちゃいけないけど、でも活動の中で嫌でも見えてしまったり覚えてしまった感情みたいなものを混ぜ込めてたら良いなと思って歌いました。

える 今回のミニアルバムの中では「蜜ノ味」は雰囲気がほかの曲と違って、曲調も歌詞もダーク…って感じです。この曲を聴いて、「君も本当はこういうこと思ってるんじゃない?そうでしょ?」っていうようなえるたちからの誘いに耳を傾けてみてください。…こんな気持ちで歌ったのえるだけかな…(笑)。

童田明治 言葉にするのがすごく難しいんですが、人間の欲というか、少し汚い部分をすごく綺麗に曲として仕上げてくださってるなあと思いました。かなりお気に入りの曲です。
こういう暗い感情って誰しも持ってるんじゃないかな、と感情移入したりして歌いました!

ジョー・力一 アイロニカルな世界観がクセになります。「今だけおれはジョー・力一じゃなくてJOKERだ!」と思いながら歌いました。ビターな楽曲なのに思わず体が動くのも面白いです。

――「ジュブナイルダイバー」は、どんな心模様を歌った楽曲でしょうか。また、歌詞と強く共感する部分などはありますか。

緑仙 爽やかなんですけどメジャーな感じが凄く聞きやすくて、友達とかに紹介しやすい曲なんじゃないかなと思いました。VOLTAGEは外の世界の人に向かって「僕たちはこんなにかっこいい集団です!」という曲でもあり今まで応援してくれてた人たちに向かって「僕たちここまでかっこよくなったんだよ!」という全力出してるぞ曲なんですけど
この曲は内側の静かな部分っていうか、寝る前ですね。寝る前の僕こんなこと考えてる…と思いながら収録しました。映像もすごい好きです! 映像の僕がまじでカッコいい…軽い言葉になってしまうのが悔しいのですが映像も「深い」なと、色々考えさせられる曲でもあります。

鈴木勝 自分らしさが分からなかったり空回るっていうまさに「自分の心読まれてる!?」って曲で...正直全部に共感してます。まだ自分の「僕を見つけた」は一番レベルなので、いつかアッキーナが熱く歌ってくれてるラストの「僕を見つけた」くらいまで行きたいですね。

える 低めの音で始まってからの、サビでの盛り上がりがかなり熱いです!この曲に共感する部分がある人って少なくないと思います。サビは特にえるの中でも共感出来る部分が多くて、おおー…となりました。ミニアルバムのタイトルでもある「共感覚」、この曲にもかなり通じる部分がある気がします。

童田明治 中学生らへんの大人になりたいけどなれないみたいな、そんな曲なのかなと思います。自分自身ネガティブに考えてしまうことが多くて、ちょくちょく歌詞が刺さります…!

ジョー・力一 ソロパートをいただいた「主役ぶっていた狭い世界で 怖いものなんてありはしなかった」という箇所は「そういう時代もあるよなぁ……」と思いながら歌ってます。自分の中の青さや挫折とどう向き合うかという楽曲であり、メンバーの歌唱も曲が進むにつれて変化していきます。

――「シグナル」は今作品の中で唯一の恋愛ソングとなっているようですが、他の楽曲の歌いとは異なる部分もあるのでしょうか。また、この楽曲とリンクする恋愛観なども、もしあったら教えてください。

緑仙 恋愛というより、最高の相方…くらいの気持ちで歌いました。結構紙一重なとこあると思うんですよね、なのでみんなのこと考えながら歌ったかなぁ…恋愛については、まだ18歳なのでそういう経験は無いことにしてください(笑)。

鈴木勝 自分が恋愛経験少なすぎて、確かに恋愛ソングなんですけど勝のパートは友情ソングみたいになってます多分...。どうなんでしょう、友情が高まったら恋愛感情に発展することもあるんですかね...?

える 恋愛の要素を含みつつも、かっこよく歌い上げた曲になっています。あまり考え過ぎずに、素直に歌いました。この曲についての解釈とか考え方、きっとたくさんあると思うので、みんなの感想や考えを聞いてみたいです!

童田明治 曲調もあると思いますが、あまり恋愛恋愛という気持ちでは歌いませんでした!
自分好みな曲だなと思ってすごく楽しく歌った記憶があります。恋愛は11さいなのでわかりません(笑)。

ジョー・力一 個人的には、コミュニケーションと未来への希望がテーマだと捉えています。物語の主人公とヒロインのような、曲がりくねりながら徐々に接近していくイメージ。だからこそ、歌い方としてはかなりストレートなものになっています。状況が込み入った時こそ、素直が一番…。

――「UnderTheMoon」のようなバラード調の楽曲、ゆったりと綺麗な曲調を歌う時のポイントは?

緑仙 ゆったりの曲は感情をついつい入れすぎてしまいがちなんですけど、案の定感情溢れだしたな…という印象です。ですので、みんなにも感情ドバドバで泣きながら歌ってほしいです!

鈴木勝 まさに勢いで誤魔化せない曲なので、なかなか思うように歌えず苦戦していたら「今までの配信活動思い出してみて」と。その瞬間嬉しかったことも辛かったこともぶわっと出てきて泣いてしまって。実はその気持ちのまま直後に録ったテイクを一番ラストのパートで使って頂いています。なので音楽の世界と自分の世界をシンクロさせるのが一番なのかなと…。

える ゆったりとしている分、音の一つ一つ、息づかい、音の切り方とかがよく聞こえるので、ぶれないように気持ちをのせることでしょうか。バラードに限らず、それぞれのジャンルで難しいことはありますが、どのジャンルも歌っている時は本当に楽しいです!

童田明治 じーんとする曲だなあいい曲だなあと曲に身を任せて歌う!!!

ジョー・力一 引くところはグッと引いて溜めて、ここぞという時にエモーショナルを全開にする。かめはめ波のようなものだと考えています。

――「セルフィーDimension」はどんなシーンに合いそうな楽曲でしょうか。また、<1D〜4D>、<1G〜4G>とカウントアップしていく歌詞の部分がありますが、このアプローチにはどんな想いが込められているのでしょうか。

緑仙 ライブをしたい、という気持ちがすごく強い曲です。三枝くんも配信で言っていたのですが、バーチャルだからこそみんなと早く会いたいし出来るだけ近くで僕たちを感じてほしい。早くステージで会いたいですね。

鈴木勝 やっぱりライブシーンじゃないですか!Dの部分は次元、Gの部分は加速度なので、是非メンバーと観客の皆と一緒に熱くカウントアップして限界突破したいですね。

える ほんとに早くライブで歌いたいな〜っていう曲です!絶対楽しい!! カウントアップのところは、だんだんテンションを上げて、だんだんみんなのいるところに近づいていくっていうイメージでえるは歌ってます。歌、というよりはかけ声のように録っているメンバーの声にも注目してみてください。

童田明治 VOLTAGEもそうですがこの曲もはじまるぞ! 感がすごいですよね。ぶちあがります! 聞いてくれるみんなと一緒に1,2,3,4と駆け上がっていくイメージです。

ジョー・力一 オーディエンスとの一体感がイメージしやすい楽曲ですね。「1D~4D」「1G~4G」のコールとともに、より高次元で、高速でつながれるということでしょう!

――レコーディングの感想はいかがでしょうか。特にこだわった点や、難航した部分などがあったら教えてください。

緑仙 以前お世話になったレコーディングの時は作曲者さんと完成形が見えている中でそこにどうやって自分らしさをいれてすり合わせていこうか…?みたいな進め方をしていたんですね。ですけど今回はまったくノープラン、白紙の状態から好きに染めていいよ~って言われた気持ちで…実際そうだったかは定かではないのですが、すごく悩みながら自分で思う最高の自分を出せたんじゃないかなって思いました。

鈴木勝 上手く歌えなくて悔しいみたいな気持ちは勿論あったんですけど、6人の収録がどんどん進んで一つの曲が完成していく過程をリアルタイムに見られたのが最高に楽しかったです!あと実は今までレコーディングスタジオというものに入ったことが無かったので、機材とか環境とかに興奮しっぱなしでした。エンジニアさんに色々お聞きしては「へー!」って。

える 感想というかエピソードなのですが、自分では気付かないうちに声が普段より枯れていて、その日は収録をせずに、頂いた焼き芋を食べて雑談をして帰ったこともありました…(体調管理は本当に大切)そんなふうに自分では気付かないことや歌唱に対する意見などを隠さずに言ってくださる方の存在は本当にありがたいと思っています。

童田明治 かっこいい曲がとても多くて、地声が高いほうなので低い声を維持するのがとても難しかったです。かわいい感じの声とかっこいい感じの声を意識して使い分けて、かわいい感じだと曲のアクセントに、かっこいい感じだとみんなと一体化するという気持ちで歌いました。また、今回かなり自由に歌わせてもらっていて、段々とレコーディングが進むにつれ自分の思い描いてる歌の理想と現実の齟齬がなくなっていく感じがしてすごく嬉しかったです。

ジョー・力一 レコーディングを通してはっきりと自分の成長が見えました。謙遜のつもりで「自分のボーカル力(りょく)はもう頭打ちだ」と思ってたのですが、とんだ思い上がりでしたね。このままジョー・力一らしい独自路線を研究していきます。

各メンバーの“こだわり”の点

『シナスタジア』通常盤ジャケ写

――RainDropsオリジナル衣装のこだわりは?

緑仙 パンダのフードですかね…。同じにじさんじに笹木咲っていう荒くれものがいるんですけど、同じような時期にデビューしまして笹木がパンダフードを被っている子なので、なんとなく被らないようにしていたんですけど今回せっかくなので頂いたデザインのままいかせていただきました。一方的なお揃いみたいで結構好きです(笑)

鈴木勝 メンバーそれぞれの普段の配信者としての姿をしっかりモチーフとして残しつつ、そこから格好良くまとめて頂いたところです。個人的に、左手人差し指の指輪はリスナーの皆とデザインを決めたという特に思い入れがあるアクセサリーなので、こちらの活動の衣装にも持っていけたのがとても嬉しいです。

える 普段の自分のモチーフも取り入れつつ、これから新しい自分を表現していけるような衣装にしてもらいました。インナーの柄とそれ以外の場所のバランスとか、えるから提案をした所もあります。

童田明治 童田といえばやっぱりフードなのでフードは絶対マストで! スカートの部分がふんわりしててパニエが入ってるみたいなのがお気に入りです!すごくライブ映えしそうなのでライブしたいです。みんなとお揃いなのも嬉しいです。

ジョー・力一 左右非対称の意匠が良いですね。胸のジャボタイをもっと盛って! とリクエストしたのを覚えています。モノトーンでまとめたことによって個性と統一感が両立してるのは見事の一言です。

――VTuberをやっていてやりがいを感じること、また、大変だと感じる点はありますか。「VTuberをやっていて良かった」と思うことや、VTuberならではの苦労などがもしあったら教えてください。

『シナスタジア』初回限定盤Aジャケ写

緑仙 やりがいしかありません!毎日楽しいです。僕自身、何者かになりたい!みたいな野望が多くて漫画家になりたかったりアイドルになりたかったり歌手になりたかったり声優になりたかったり…色々な時期があって、その時期にチャレンジした経験がライバーとして主に企画という形で活かせてみんなに喜んでもらえるのが本当に幸せです。

 大変なのは距離が近いのに分かってもらえないことですかね。近いからこそ「そういうつもりで言ったんじゃない!」「その話はもう僕たちの中で解決してるよ!」とか、いちいち言いたくなっちゃうんですよ。でも距離が近いようで遠いんだなってことを最近実感したので、最近は多くの人が幸せになれる選択をするように心がけてます。でもこれは友人関係でもたまにあることだし、それはそれで現実に近いのかもしれませんね。

鈴木勝 オンラインでの活動がメインなので、リアルタイムにファンの皆とやりとり出来るのがやっぱり楽しいですし、その交流が生き甲斐になって毎日が楽しくなったと言ってくれるファンの方も居て。そういう言葉を頂いた時に、活動していて良かったなぁってやりがいを特に感じます。

 悔しいのは、顔出しのリアルYouTuberさんなら簡単に出来る事が自分たちには出来なかったり。そういう事がある度に、逆にVじゃなきゃ出来ない事もあるだろうと新しいネタ探しに走ります。

える やっていた良かったと思うことはたくさんあります! ライバーになる前は自己紹介に「孤高の」と入れていたくらい1人でいることが多かったのですが、それが今では応援してくださるリスナーさんや優しくて笑顔にしてくれる仲間たちに出会えて、本当に毎日が楽しいです。やりがいを感じさせてくれるのはリスナーさんや仲間たちのおかげです。

 苦労はあまりないです。やはり多くの方のニーズに応えようとすると難しいこともあると感じることはありますが、それはVに限らず、「魅せる」というお仕事をされている方であればどの業界の方でもそうだと思うので、苦労とは考えずに前向きに考えてやってます!

童田明治 たくさんの人が自分の配信を見に来てくれて、コメントしてくれて、応援してくれて、本当にありがたいです。ですが、その分できるだけ楽しい配信にしようしようと考えすぎちゃうのでそこが大変なところかもしれません。

ジョー・力一 自分が「おもしろい!」と思うものを面白がってくれる人がたくさんいることをダイレクトに知れるのは良いことですね。ただ、インターネットを通じてのアプローチは広く届く分、セルフプロデュースをきっちりしないと芯がガタガタになっていきます。初期衝動を見失わなければ一生やっていけるでしょう。

――ちなみに、みなさんがリラックスタイムに楽しんでいることは? 最近ハマっていることや趣味などを教えてください。

緑仙 永遠に餃子を包んでます、幸せ。

鈴木勝 長湯です。飲み物とスマホを持ち込んで一人エゴサ祭りをします。最近お風呂に入りながらアイスを食べるという実績を解除してしまったので、ますます沼ってますね…。

える 温かい紅茶を飲みながらフリマアプリや通販サイトを見たり、YouTubeを見たりしてます。

童田明治 めかぶおいしい…おいしい…。

ジョー・力一 配信の企画をメモることです。コラボ企画を運営することに腰が重いタチなので、せめて自分への尻叩きにと…。

歌を通してVTuberの持つ可能性を世界に発信

『シナスタジア』初回限定盤Bジャケ写

――今後、RainDropsとして、6人でチャレンジしてみたいことはありますか。

緑仙 NG無しの集団だと思うのでなんでもやります(笑)。なんでもやれたら楽しいなって思います。バンジージャンプあたりからどうですかね?

鈴木勝 この6人で、でっかい会場で生ライブ!絶対絶対やってみたいです。

える やっぱりライブかなぁ…。RainDropsとしてのそれぞれのパフォーマンスを見てもらえる機会が出来るように頑張ります!

童田明治 6人だからこそできることやりたいです! 運動会とかどうでしょう。こちら運動音痴です!

ジョー・力一 Rain Dropsの名に相応しい、伝説の豪雨ライブ…舞台上に雷が直撃し、メンバーの肉体が具現化します。

――RainDropsをどういったユニットにしていきたいかという、今後の展望を教えてください。

緑仙 未知の可能性が詰まっているジャンルから突然出てきたユニット、だと僕は思っているので「僕たちも出来るんだぞ!」というのを色んな人間たちに見せつけていけるユニットになりたいです。

鈴木勝 VTuberという文化はまだまだ生まれて間もないものです。切り拓いてくれた先人たちへのリスペクトは忘れずに、歌を通してVTuberの持つ可能性をもっともっと世界へ広げ発信していく存在になりたいと思っています。

える 可能性をたくさん持っているユニットだからこそ、みんなの期待をいい意味で裏切っていくユニットにしたいです。そしてこれからたくさんの人に知ってもらって、たくさんの人と、今まで見たことない世界を一緒に見に行きたいです!

童田明治 いろんなジャンルの曲が歌えるメンバーだと思ってて、ああかっこいい系ねと括られずに色んな曲を歌えたらなと思います!まだRain Dropsのメンバーにピンときてない人もいるかもしれませんが、この6人でよかったと思わせたいです!

ジョー・力一 Rain Dropsは「同期」とか「てぇてぇ」みたいな要素を持ち合わせずに集まったユニットです。ここからどういった物語が始まるのか未知数ですが、歌のパワーに乗っかって、みなさんを振り回していければ最高ですね。

(おわり)

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