熱意があって本気で取り組めば絶対応援してくれる
――さて、ディズニーの『アナと雪の女王2』の日本版エンドソングを歌唱することになったわけですが、決まった時の心境はどうでしたか。
とにかく驚きました。もう頭の整理が出来なくて。でも、すごく嬉しかったし、誰もが知っている『アナと雪の女王』ということでプレッシャーももちろんありましたが、光栄なことなので、頑張ろうと思いました。エンドソングを歌唱させていただく事が決まって、興奮から眠れない日々が続きました。
――あまりの大役にビックリしますよね。さて、レコーディングはいかがでしたか。
初めてのレコーディングだったのですごく緊張しました。最初は緊張しすぎて「ダメかも」と思ったんですけど、周りの皆さんがすごく温かったので、途中からいつも通りに歌うことが出来ました。
――音源を聴かせて頂いたのですが、独特な空間の響きがあって面白いですね。
私も完成したもの聴いた時、すごいと思いました。初めての自分の作品で、これが映画館で流れることを想像したら、感動して鳥肌が立ちました。ある程度想像してはいたんですけど、実際に映画館で自分の声が流れた時はうるっと来てしまいました。
――オリジナルの音源を聴いて最初どう思いました。
ずっとPANIC! AT THE DISCOさんの音源を聴いていて、高音パートがすごく衝撃的で、男性でこのキーで歌っていることに驚きましたし、この曲にパワーをすごく感じました。その中で私も聴いていただく人にパワーや勇気を与えられたらと思いました。
――確かに男性でこのキーはすごいですよね。
私もキーはギリギリで、キーもオリジナルのままなんです。
――中元さんが「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」で一番聴いてほしいところは?
最後の<踏み出そう!>というロングトーンのところを特に注目して頂けたら嬉しいです。
――歌うに当たって心掛けている事やこだわっていることを教えて下さい。
まずは歌っている自分自身が楽しまないと、聴いてくれている方には伝わらないと思うんです。歌う時はすごく緊張するんですけど、楽しむことを一番大事にしています。
――ちょっと意地悪な質問なのですが、5歳からこの14年間で「もう歌いたくない」と思ったことはありましたか。
それがないんです。私はすごく飽き性で、何か始めてもすぐに飽きてしまうんですけど、その中で飽きずにずっと続けられているのは歌だけなんです。一緒に歌手を目指してやってきた子も中学生ぐらいで挫折したり、友達と遊びたくて辞めてしまう子も多かったんです。でも、当時私は友達とあまり遊べてはいなかったんですけど、歌をやりたかったので、歌いたくないと思った瞬間はなかったです。
――本当に歌が大好きなんですね。
それもありますが、家族が応援してくれているから続けられた、というのがあって、自分のためというよりも、家族のために頑張らなきゃ、というのが心のどこかにあったと思います。
――さて、『第70回 NHK 紅白歌合戦』に、2019年を彩ったディズニー映画の名曲をつづった スペシャルメドレーで出場が決まりましたが、決まった時はどのような心境でしたか。
事が大きすぎて、もうビックリしてわけがわからなかったです。夢のようで信じられないです。そのことをすぐに家族に伝えたくて、母は外出していたみたいなんですけど、あまりの出来事に外で叫んでしまったみたいです(笑)。祖母は紅白の話を聞いて泣いていました。何か決まる度に驚いてくれるので、報告するのが楽しみなんです。
――親孝行出来ましたね。
少しは親孝行出たかなと思っています。ずっとそばで支えてくれていたので。母は私が歌う時は私以上に緊張しているんですけど、私以上に喜んでくれるんです。
――中元さんは『ミュージックステーション(テレビ朝日系音楽番組)』や『NHK 紅白歌合戦』、ディズニー作品で歌唱など、アーティスト、ミュージシャンの夢を叶えていますが、これからの展望や夢はありますか。
今のお仕事をこなしていくのが精一杯で正直、まだ次のことは考えられていないんですけど、違う曲で自分の新たな色を出せる事は楽しみにしていることの一つです。スタートが凄すぎて本当に不安なんですけど。
――スタートダッシュがすごいですから。同世代の方で歌手を目指している人は沢山いると思うんですけど、夢を叶えるのに重要なことは?
私の場合は家族の応援がすごく支えになったので、家族に認めてもらう熱意はすごく重要かだと感じています。私の周りでも家族に反対されている子もいたんですけど、歌の先生も「もっと熱意を持ってやれば認めてもらえるから」と話していたので、熱意があって本気で取り組めば絶対応援してくれると思います。私もそれを実感しています。そして、長くやっていると心が折れそうになる瞬間ってあると思うんですけど、諦めたらそこで終わりなので、立ち止まっても良いので、目標を立てて頑張ることだと思います。
(おわり)