むぎ(猫)音楽の楽しさを伝える“猫”のミュージシャンに迫る
INTERVIEW

むぎ(猫)音楽の楽しさを伝える“猫”のミュージシャンに迫る


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年12月02日

読了時間:約14分

むぎ(猫)YouTuberデビュー

むぎ(猫)

――そしてラストに収録の「三億年後に会いましょう」は、パンク調の格好いい曲ですけど、歌詞は切なさがあって。「三億年後」という途方もない年月がファンタジックですね。

 「三億年後」と言う言葉がリズムと上手く合ったので、「三億年後」としていますけど、いろいろな意味を含んでいます。歌詞は、たまさんの「さよなら人類」の前のお話という設定で書きました。「さよなら人類」は、<今日人類がはじめて木星に着いたよ>と歌っていて、じゃあ人類はどういう経緯で木星を目指すことにしたんだろうと思って、そこから物語を考えました。きっとこの地球が住みづらくなって、もう住めないとなった時に、もしかしたら木星を目指したのかもしれないな、と。ファンタジーでありSFでもあるんですけど、メロディを演奏してみた時に、「お別れソングでもあるな」と思って。歌詞では地球のことを<この部屋>と歌っていて、身近な恋愛とも受け取れるように書いています。

――歌詞には<プラスチックの海も燃える山も>と、環境問題にも触れていて。

 結局、自分たちが起こしたことによって、今自分たちが苦しめられています。そこに警鐘を鳴らすつもりはありませんけど、そういうことに対して思うことが、ないわけではないということです。むぎ(猫)がインディーズで出した1stアルバムにも「上がっていく音頭」という曲があって。それはお祭りの音頭でテンションが上がることと地球温暖化をかけた曲で、人間には、大きな問題を放ったらかしにしておいてもお祭り騒ぎが出来るという、悪さと良さの両方があることを歌いました。「三億年後に会いましょう」もそれと少し似ていて。人間は地球上で解決しないといけない問題がいっぱいあるんだけど、それと同時に、自分の人生において幸せを探さなければいけない。ある時は個人、ある時は地球の住人にならなければいけない、そういう苦悩があるなと思って作りました。

――むぎ(猫)さんは、社会派ですね。

 テーマとしてはけっこう重たいんですけど。結局、人間は地球を捨てて、いつかたまさんの「さよなら人類」に繋がるんじゃないかと思って作りました。

――たまさんが、好きだったんですか?

 好きな曲がいっぱいあります。「さよなら人類」の他にも、『なるほどザ・ワールド』のエンディングテーマになった「オゾンのダンス」とか。

――そういう社会問題をむぎ(猫)さん流に歌ったものは、今後もやっていきたいですか?

 そうですね。むぎ(猫)も人間も同じ命ですから、動物の一匹として、自分たちが暮らす地球のことも考えないといけないと思っています。

――あと、最近YouTuberデビューされて。

 そうなんです! 『むぎの学校』と言うタイトルで、むぎ(猫)が先生になって、みんなに音楽の楽しさを伝えていきたいと思って始めました。初回は、音楽の三要素であるメロディ、リズム、ハーモニーの一つである、メロディについて解説しました。

――反響はありましたか?

 ライブ会場でお客さんから「観たよ」と、直接言っていただきました。意外と多いのは、「あんなにマジメにやるとは思わなかった」というものです(笑)。音楽の構造を学ぶことが、音楽をもっと好きになってくれるきっかけになってくれれば良いなと思っています。でもみなさんの反響からも、マジメさと面白さのバランスは重要だなと思いました。そういう意味でEテレ『ねこねこ日本史』は、そのバランスが絶妙だと思います。

――ねずみのチュー太ちゃんも出てきて、どれがチュー太か分からずゴソゴソと探しているところが、そのまま映っているところはYouTuberっぽいと思いました。

 3匹いたので、どれか迷ってしまって(笑)。今は期間限定と考えていますけど、評判が良ければ延長したいと思っています。むぎ(猫)がどうやって曲を作っているか、曲作りの様子を収録したり、演奏の練習をしているところとか。ファンの方は、きっと喜んでくださるんじゃないかな。親子で楽しんでもらっても、良いと思います。

――最後に、来年のツアー『むぎ(猫) Wonder Nyander Tour 2020〜そっちいってねっこほって〜』に向けて。

 今年やったツアーは11カ所19公演だったんですけど、次回は13カ所15公演です。今年のツアーでは、大変な回もあって。その時よりも会場数が多いので、バテないように体力をつけないといけないですね。美味しいものをたくさん食べて、スタミナを付けます。

――走り込みとか。

 ああ〜、そうですね。

――やらなさそうですね。

 分かりましたか(笑)。むぎ(猫)は、食べる専門なので。

――好きな食べ物は?

 最近「これ好きだな〜」と思ったのは、お刺身です。毎日食べても飽きません。

――猫っぽいですね。

 猫ですから(笑)。

(おわり)

むぎの学校

作品情報

むぎ(猫)

『ねっこほって e.p.』

12月4日発売

【初回限定盤】CD+DVD+マスコットキーホルダー「つれてってむぎちゃん」/VIZL-1666/5000円(税抜)
【通常盤】CD/VICL-65266/1600円(税抜)

CD収録内容

01.ねっこほって
02.クリスマスに何します?
03.ミラクルバウムクーヘンアドベンチャー feat. DJみそしるとMCごはん
04.My Favorite Towel
05.三億年後に会いましょう
06.ねっこほって (カラオケ)

DVD収録内容

「むぎ(猫)TOUR~君に会いに~ 東京編 at Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 2019.06.23」

ライブ情報

むぎ(猫) Wonder Nyander Tour 2020〜そっちいってねっこほって

2020年2月22日 石川・金沢21世紀美術館 シアター21
2020年2月24日 宮城・誰も知らない劇場
2020年2月29日 京都・KYOTO MUSE
他、全13カ所15公演

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