むぎ(猫)音楽の楽しさを伝える“猫”のミュージシャンに迫る
INTERVIEW

むぎ(猫)音楽の楽しさを伝える“猫”のミュージシャンに迫る


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年12月02日

読了時間:約14分

DJ みそしると MC ごはんとコラボ

むぎ(猫)

――むぎ(猫)さんの特別な日は?

 日本記念日協会が制定した、「麦の日」(6月24日)と言うのがあって。どうして麦の日かと言うと、6月のこの時期に鳥のひばりが麦畑で巣作りをするそうで、それにちなんで美空ひばりさんが亡くなった日の6月24日を麦の日にしたそうです。美空ひばりさんは歌手として大先輩なので尊敬していますし、むぎ(猫)が里親さんに拾われたのもちょうどその時期でした。むぎ(猫)は拾われて正確な誕生日は分からないので、それなら6月24日を自分の特別な日にしようと思いました。だから最初のワンマンライブも、6月24日にやりました。

――じゃあむぎ(猫)さんは、かに座ですね(笑)。そして「ミラクルバウムクーヘンアドベンチャー feat. DJ みそしると MC ごはん」は、めちゃめちゃ楽しい曲。

 これは、おみそはん( DJ みそしると MC ごはん)がコラボしてくれると決まって、すぐに作りました。おみそはんは料理や食べ物の歌が大得意ですから、コラボするなら絶対何か食べ物の歌にしたいと思っていて。むぎ(猫)だったら、バウムクーヘンだなと思って。むぎ(猫)にとってバウムクーヘンは、特別なお菓子です。と言うのも、天国から帰ってくる時に神様から天使の輪の代わりにもらったのが、バウムクーヘンだったんです。それもあってバウムクーヘンが好きなので、バウムクーヘン愛をとことん歌っています。

 それにドイツでは、バウムクーヘンはクリスマスのお菓子だそうで、「クリスマスに何します?」と言う曲もありますし、今回収録するのにちょうどいいんじゃないか、と。それと、バウムクーヘンのバウムは年輪と言う意味で、木をモチーフにしたお菓子なんです。

――何と、まさかの1曲目とのリンク。

 そうです。1曲目の「木」と2曲目の「クリスマス」の両方とかかっていて、上手く繋いでくれています。そして今年は、バウムクーヘンは日本に伝来してちょうど100年で、レコーディングの時におみそはんから教えてもらいました。

――もともとおみそはんとは、昨年のフェス『RISING SUN ROCK FESTIVAL』で初めて出会ったそうですが。

 はい。そこでご一緒して、その時は一緒に踊ったくらいでしたけど、今年のRISINGではお互いの曲を歌い合うというコラボステージをさせていただきました。おみそはんが、むぎ(猫)のことを知ってくれていて、何か一緒にやりたいと思ってくれていたそうで、声をかけていただいてRISINGでコラボすることになって。それを聞いた時は「え〜!」と驚きつつもすごく嬉しくて、それで今回むぎ(猫)のほうから声をかけさせていただきました。

――作曲はむぎ(猫)さん、作詞は2人の共作ですが、どういう作り方でしたか?

 自分が歌うところだけ書いて、おみそはんのところを空白にした状態でデモを送り、「ここに入れて下さい」と入れていただいた感じです。上がって来たものを聴いた時は、「さすがだな〜」と思いました。リリックの滑らかさ、リズムの柔軟性がすごい。その上で、おみそはんならではの、バウムクーヘンのアレンジレシピのアイデアも詰まっていて。この短い部分だけで、おみそはんのセンスが爆発していると思って感動しました。

――むぎ(猫)さんもラップされていますが、ラップはこれまでにも?

 インディーズで出した1枚目のアルバムに「むぎラップ」と言う曲があって。でもその時のラップは、自分ではリリックを書いてなかったんです。唯一その曲だけ、ラッパーのお友だちにリリックを書いてもらっていて。だから自分の作詞曲でラップを歌ったのは。これが初めてということになります。

――ラップだとむぎ(猫)さんの言葉遊びが、より発揮されますね。

 韻を踏んで遊べるので、作詞はすごく楽しかったです。単なるダジャレでは終わらないように、意味をちゃんと考えて作っていくのは、難しかったですけど楽しかったです。自分は言葉遊びが本当に好きなんだなと、改めて実感しました。

――そんな言葉遊びは、4曲目「My Favorite Towel」でも発揮されていて。初めてのボサノバ調のナンバーです。

 これも若干ダジャレで、<ボサボサのバスタオル>という言葉の中に<ボサノバ>という言葉があることを見つけて、「これで1曲出来る」と思って作りました。<ボサ・ボサのバ・スタオル>と、言葉の句切りがおかしいことを、そのまま曲にしてしまえば良いんだと。

――歌詞が全部、言葉の句切りがおかしなことに。

<ボサ・ボサのバ・スタオル>という句切りを正当化するために、それを説明する代わりにこういうAメロにしました。Aメロの句切りが途切れ途切れになっていて、すごく気持ち悪いと思いますけど、音楽の遊び心と思ってもらえれば良いかなと思います。

――タオルはボサボサ派なんですか?

 え? フワフワ派ですか? むぎ(猫)はフワフワよりも、使い馴染んで、少しボサボサになり始めた感じのほうが、ワイルドな感じで好きです。水分もよく吸うし。お互いに慣れた感じがしませんか? 下ろしたてのフワフワはまだ慣れていなくて、少し他人行儀な感じがして。

――フワフワなタオルは、付き合いたてのカップルみたいな。

女性をタオルに例えるのは、いかがなものかと思いますけど、そうかもしれません。でもしいて言うなら、むぎ(猫)は、ワイルドなほうで強く抱きしめて欲しいです。

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