低いレンジも積極的に使うようにした歌
――今回歌としてチャレンジしたことはありますか。
今回は自分の低いレンジも積極的に使うようにしました。これまでのリード曲で高い音域とかもたくさん使ってきたんですけど、ブルーズやロックの曲をカバーするときに男性の曲をカバーすることが多くて、そういうものを客観的に聴いたときに「実はこういう音域は凄く歌いやすくて気持ち良く響くのかな」という発見がありました。もう少しオリジナルの曲でも、その音域を取り入れられたらなと思って作曲したんです。
――女性の歌はハイトーンの部分に着目されがちですが、中低音域の響きが素晴らしいこともあるので、それに気づいていない方もいるんじゃないかなと思います。さて、Reiさんは同世代に比べて時が速く進んでいるという風には感じませんか?
そうは思わないですけど、音楽に生きてきたからこそ長けている部分もあれば遅れている部分もたくさんあるなと感じています。みんなとプラマイゼロかなとは思いますけど、あまり生き急がないようにというか、焦って生きないように、というのはあります。
――プラマイゼロですか。時というところで「Tourbillon」がありますけど、これは“時間”がコンセプトにありますよね。
はい。時間の尊さとか儚さとか残酷さとか、そういうものについて考えることが増えました。でも時が流れゆくことは必ずしも悪いことではなくて、流れていることが美しかったりするので、そういうことを考える機会が多かったんです。
――それを考えるにあたって何かきっかけがあったのでしょうか。
私は昔から「意味のないことをやりたくない」みたいな傾向がありまして。例えばプライベートで誰かに会うのはこういう曲を作りたいからだとか、いまから海に行くのは波の音を聴いてアレンジに活かすためだとか全てのことに意味を持たせる、全部が全部に音楽に紐づいていないと凄く無駄な時間に思えた時期があって…。
でも、考えたり目的を持たずに過ごす時間の大切さをもう少し自分も理解したいと思いまして。ちょっと前までは全然理解できなかったんですけど。でもそれが自分の音楽にもたらしている緊張感が存在するということに気づいて、時間との付き合いかたを見直したいなと、ここ最近はそうなっています。
――意識の変化が訪れているんですね。「Tourbillon」のイントロの音は時を刻むイメージですか。
秒針のイメージです。曲の流れが前半と後半で分かれているんです。自分にとっての分かれ道、上京する前と後とでは全然時間の流れるスピードや時間の過ごしかたが変わったので、そういうことも示唆しているような構成になっています。
――その分かれ道のひとつ、上京してきて一番辛かったことは?
家族と離れ離れになることです。
――その中で希望もたくさんありましたよね。
もちろんありました。でも、そんなのは一部であり、そのホームシックも含めて曲にしちゃうくらいの意気込みで東京に来たので、全然苦ではなかったんです。体が元気で音楽が出来て、声が出ればそれ以外はあまりこだわらないようにしています。
――最後に、音楽をやっていて一番楽しいと感じるときは?
作品が完成したときです。信頼できるスタッフの方々とかの意見がフュージョンされて、そのせめぎ合いも楽しかったり。やっぱり作品に納得いっていなかったり、歌っていて気持ち良いものでなかったら、ライブも楽しくないと思うんです。その反面、毎回本当に完成しないんじゃないかと思っているんですけど(笑)。でも、唯一無二の自分らしいものができたなというときは、やっぱりそれに代わる喜びはないです。
(おわり)
ツアー情報
Rei Release Tour 2020 “7th Note”
02.22 (sat) 仙台 | darwin
02.24 (mon) 札幌 | cube garden
03.01 (sun) 福岡 | DRUM Be-1
03.13 (fri) 名古屋 | THE BOTTOM LINE
03.19 (Thu) 大阪 | BIGCAT
03.27 (fri) 東京 | Akasaka BLITZ






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