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得たもの、ティム・ミラーが作り出す空間
3人ともハードな撮影で「つらかった」と述べていたが、それを乗り切ったいま何を感じているのか。大作への出演。さらにハードなスタントと、この作品に出演したことで得たものは。
ガブリエル「『頑張れば最後までやり抜くことは出来るんだ!』ということ。そう思うほどにこの撮影は大変だったし、その前からのトレーニングもハードなものが続いていた。20歳の時の肉体は取り戻すことができるし、それを保つこともできることを学んだ。肉体的には人生のなかで今が一番良い状態。特にアーノルドと一緒にトレーニングすることができて、それだけで栄養やフィットネスについて学ぶことが多かった。年を重ねていくなかでも大切にしていきたいし、役者として必要なことに全て応えられるようにしたい。ほかにも学んだこととして、もちろん100%の努力はするけど撮影中のペース配分や、肉体的なケアも。例えば、氷に足を付けたり、マッサージしたりしたことなどがあった」
マッケンジー「サバイバルしたことが一番の学び、それはみんな共有していると思う。私自身も今までで一番ハードだったし、今回、インタビューを受けているなかで撮影期間を振り返っているけど、本当にあんなことがあったのかなと自分でも思うぐらい不思議な感覚。いろんなことを学んだけど、いまでもジムに行けば、何を使えば、どのウエイトを使ったらどういうトレーニングができるかというのはすぐに分かる。それまでは一人の女性としてジムはどうやっていいか分からないから居心地が悪かった。でも今は自分の肉体をどうすればいいかという開放感に満ちている」
ナタリア「一番の学びは、私自身がアクション映画や英語映画は初めてだったことなの。世界、業界、大きなフランチャイズ、『ターミネータ』という世界、そしてレジェンドと言われている方々との共演、全て学ばなければいけなかった。それとアクション映画は初めて、違う言語を話すようなもので、具体的な準備も必要だったし、サバイブのような感じだった。それを最後までやり抜くことができたし、それができる能力が私たちにはあるということを感じられたことはすごく大きな学び。いまは完成したスクリーンを見て『私たちやったのよね!』と言える。でも時には、あまりにもハードだったから私的には『死んじゃうかも』と思うこともあった(笑)。いまは誇らしい。関わってくれた全ての人が助けてくれてたし、感謝している」
また、3人はティム・ミラー監督への印象も明かした。
マッケンジー「監督はヒエラルキーが一切ない現場を作った。どうしても映画の現場は役者は面倒見てもらったり、妙な力学が生まれることが結構ある。監督が望めば監督をたてる現場もできる。でもティム監督はそういうものを一切排除する。アーノルドも、カメラのオペレーターも、スタントマンもみんな等しく同じ作品を力を合わせて作っていく。誰もが同じぐらい重要。そういう現場は美しい」
ガブリエル「マッケンジーが言ったことは1000%同感。コラボレーションを大切してくれて、性格やユーモアもあって兄のよう。リーダーではあるけど、将軍ではない。一兵卒と一緒に前線で戦ってくれる。ブラー・スタジオというCGアニメーション制作会社の経営者だけど、皆と同じフロアで同じ机。真ん中にただ普通に座っている。それだけみてもどんな方が分かる」
ナタリア「謙虚で懐も深くて人間味もあって。人生の2年間をこの作品に捧げて、ノンストップで作り上げてきて、おそれを知らないところを尊敬している。ハリウッドやスターとかは一切彼のなかでは重要視してない。自分の意見をはっきり伝えるし、でも相手の意見も受け入れる。ただ自分が信じていることについてはベストで戦うことができる。そういう資質は特に尊敬している」
そのナタリアは会見でこう語っていた。「アーノルドとリンダという伝説な2人、伝説な役柄の裏にある人間に直接会えた。彼らの自己抑制の高さ、そして自分達のパワーを意識する高さ、それをより良いことに使おうとする意識の高さにも感銘を受けた」。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は全国公開中。
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