「暗さも、負けん気も全て私」ありのままの姿、アーティスト・ニノミヤユイ
INTERVIEW

「暗さも、負けん気も全て私」ありのままの姿、アーティスト・ニノミヤユイ


記者:木村武雄

撮影:ニノミヤユイ

掲載:19年10月27日

読了時間:約10分

 人気アニメ『アイカツフレンズ!』で日向エマを演じている声優の二ノ宮ゆいが、「ニノミヤユイ」として、来年1月15日発売のアルバム『愛とか感情』でアーティストデビューする。表題曲は欅坂46の「サイレントマジョリティー」や「不協和音」で知られるバグベア氏が楽曲提供した。アーティスト活動では、もともと持っている控えめな性格と、それでも負けない内側の強さを包み隠さずに見せていく。「根は暗いけどそれも含めて私」と語るニノミヤユイがそのまま投影されたのが本作であり、改めて「今の私のままでいいんだ」と気づけた作品になっているという。そんなデビューを控える彼女に今の心境、本作への思いを聞いた。【取材・撮影=木村武雄】

「強い闇」に惹かれる

――アーティストデビューが決まったときの心境を教えてください。

 もともと歌が好きでしたので、一人でも多くの人に届けられたら嬉しいという気持ちがありました。でも正直なところ、受け入れて下さるか不安に思う気持ちもあります。

――表題曲「愛とか感情」のミュージックビデオ(MV)の配信も始まって実感も出てきましたか?

 実は、レコーディングしているときは、フワッとした状態で実感がなかったんです。ようやく、“ニノミヤユイ”としてMVが配信されて、いろんな方が聴いて、観て下さって、感想を頂いて初めて「アーティストになるんだ」という実感が湧いてきました。

――寄せられたファンのメッセージで印象に残っているものは?

 「これまでのイメージとは180度違うけど、アーティスト・ニノミヤユイもかっこよくて似合っている」と言われたときはすごく嬉しかったです。私自身、かっこいい路線が好きだったのですが、私の明るい部分を見てファンになった方も多かったので、これほどのギャップを見せていいのかという不安がありました。でも受け入れて下さる方が多くて嬉しかったです。

――どういうアーティスト像を思い描いていますか?

 一人の女の子が持っている闇というか、暗さを表現しつつも、共感してもらえる親しみやすさを兼ね備えられることが理想だと思っています。私自身、孤独を感じることもあるけど、そのなかでも「自分がやりたいことをやりたいんだ!」という想いはあって。アーティスト活動ではそうしたことを全面にぶつけていきたいと思っています。

――先日開催された生誕祭のセットリストを見たら、明るい曲もあるけど暗めの曲も多くて。そういう暗めの曲に惹かれている?

 一人のアーティストを限定して好きになることはないのですが、暗めの歌詞や暗めのタイトルを見ると「共感できるかもしれない」と思い聴きます。それがだいたい当たっていて、暗くてかっこいい曲が多い。そういう曲が私は好きです。こうして思い返してみると、好きな曲にはピアノが立っている曲も多くて。ピアノの切ない音色も好きです。それと、マイナー調のかき鳴らしている曲も好きです。どちらかと言えば、「静かな闇」よりも「強い闇」が好きです。

――なぜ「強い闇」が好きなのですか?

 私はもともと負けず嫌いな性格で、根は暗くて人前ではあまり話したりすることができないけど、心の中では負けたくない気持ちがあって、「私だってやればできる!」というのがあるんです。キャッキャ、キャッキャと楽しんでいる人たちを見ると「すごいな…私は負けている…」と思ってしまう。でも、「私も仲間に入りたいのに…」という気持ちもあって、そういう葛藤というか、嫉妬というか、そうしたくてもそうはできない、というやりきれない気持ちもあって。だけど「負けたくない!」という強い気持ちもあるんです。そういう「強い闇」が私にはあって。その感情が無意識のうちにそういう歌を引き寄せているのかもしれないです。

――過去にさかのぼりますが、声優のオーディションを受けた理由は?

 小学生の頃からアニメが好きで、その時に声優さんというお仕事を知って、漠然と「こんなお仕事ができたら楽しいんだろうな」という夢を持ちました。それで、高校生になり部活に入ったけど、自分に合わなくて辞めることになったのですが「次に何をやろう」と考えたときに、その夢を思い出して、できるか分からないけどやってみないとそれも分からないから力試しという感じで受けることにしました。

――なかなか前に一歩を踏み出せない性格からすると、勇気がいりましたね。

 周りからも「本当に大丈夫?」と言われましたが、「やってみないと分からない、やるしかない」と覚悟を決めて受けました! 内に秘めている感情はたくさんありますが、それでも前に出ないといけない時があると思うんです。そういう時に一歩を踏み出せるような力を、歌を通して与えることが出来たら嬉しいです。

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