STEREO DIVE FOUNDATION「音楽を甘く見ないこと」幅広い活動で培った精神

音楽を甘く見ないこと

STEREO DIVE FOUNDATION

――R・O・Nさんは、楽曲提供やアニメの劇伴にも携わっていて、今回のようにSDFとしてのリリースもありますが、楽曲制作に対する臨み方にはどんな違いがありますか？

　良い曲を作りたいという意識は常にあるので、楽曲制作に対する臨み方自体に違いはないです。僕は楽曲提供の時も、相手が男性か女性かに関わらず自分で仮歌を入れる事が多いんです。なので家で行う作業は、提供曲もSDFも同じなんですね。ただ、今回はアレンジ後にニュアンスが気になるところを歌い直したり、普段より歌にかける時間は長かったと思います。そういう意味では、自分名義の曲で世に出す意識と責任感を持っていたのかなと思います。

――楽曲提供は、どういう情報を元に作るのですか？

　先方からの、こういう曲を作ってくださいというオーダーを元に作ります。アーティストさんに関する情報は紙資料や音源などのデータ資料として渡されるので、それを確認しながらイメージしていく感じです。

――劇伴は？

　音響監督の方によってこだわられるポイントが違うので、いろいろな作り方がありますね。映像があるときもあるし、まったくないときもあります。

――でも映像はあったほうが、作りやすいですよね？

　それも、ものによるんですよね。絵がない状態で作っても、音響監督の方がすごくいい感じで絵に音をハメてくださるので、作りやすさに差はないです。

――ひとつ一つに向き合っているという姿勢は変わらないということですね。

　そうですね。それが自分の曲なのか、提供なのか、劇伴なのかというだけで、音楽に向き合う姿勢自体は変わりません。ただ方法論や表現方法が違うだけで。根っこはブレさせず、フレキシブルに対応していくことが大事だと思っています。

――もともと劇伴はやりたかったんですか？

　もともとインストの曲を作るのが好きなので、SDFでもシングルにはインスト曲を入れていて。劇伴はほとんどインスト曲ばかりなので、好きなことがやれているのは楽しいです。

――こういう音楽制作において、大事に思っていることは何かありますか。

　最低限、音楽を甘く見ないこと。あとは、音楽を好きでいることかな。好きなものが仕事になると、それが好きじゃなくなるという話をよく聞きます。その点で自分は、昔から好きな音楽を今も好きでやれているという自信があります。もちろん年齢を重ねると、体力的なしんどさが出てきたり、いろいろあると思いますけど、基本的にはポジティブな向き合い方が大事だと思っています。

――音楽情報はどういうところから収集していますか？

　完全にYouTube様さまです（笑）。関連動画を辿っていく感じです。あとYouTubeのラジオチャンネルとか。それと、海外の方で曲作りをしている作業をストリーミング配信している人がけっこういて。それを何となく見ながら、「こういうプラグインが出ているんだ」、「こういう音作りのやり方があるんだ」と思って、自分の音楽制作にフィードバックさせることはあります。だからYouTubeはラジオ感覚で流していて、情報収集や勉強という意味ではTwitchが多いです。作業している間は、サブモニタにTwitchをずっと流しています。

――今、気になっている音楽はありますか？

　J-ROCKです。日本のバンドが面白くて、またバンドブームがくるんじゃないかって思っています。今は、サバプロ（Survive Said The Prophet）が好きです。歌がいい。そしてイケメン（笑）。声の良さって大事だなと思うんです。どれだけいい曲であっても、声が好みじゃなくて残念だっていう場合があって。声から好きになることは、音楽を好きになることにおいて、重要だなと思います。

――来年２月16日に渋谷WWWで1stライブがありますね。

　内容などはこれから決めていくんですけど、来てくださる皆さんに楽しんでいただける、面白いものができたらいいなと思っています。ただバンドでやるということは決めています。楽しみにしていてください。

（おわり）