STEREO DIVE FOUNDATION「音楽を甘く見ないこと」幅広い活動で培った精神
INTERVIEW

STEREO DIVE FOUNDATION「音楽を甘く見ないこと」幅広い活動で培った精神


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年10月23日

読了時間:約10分

1枚を通してピアノを使っているのがこだわり

――「Chronos」で、いちばんこだわった作業はありますか?

 生のドラムを中心にしたバンドサウンドだけでも成立しているところに、エディットを加えたというのが、今回の曲のポイントです。録ったものをそのままミックスするのではなく、切ったり貼ったり波形を編集したりして、声もいじっています。そういうテクニカルな作業を施した部分は、こだわりポイントかなって思います。

――MVは、最初に日暮里の看板が出てきて、上野とか秋葉原など山の手沿線の街が出てきますね。

 監督のアイデアなのですが、曲のテーマでもある時間をモチーフに、映像も作ってくださっていて。時計の文字盤をJR山の手線の路線図に見立てていて、時間経過とともに、時計回りに山の手線の駅を回っていくというストーリーです。日暮里がちょうど12時の位置で、そこからぐるっと。

――ここではこういう表情とか、演出はあったんですか?

 MVの中で時計の文字盤の数字を手に持っているのですが、その向きや角度など、見せ方に対する指示をしていただきました。

――カップリングには「Yellow」と「Sprinkle」を収録しています。「Yellow」は、ゆったりした雰囲気のバラード曲。ピアノが入っていって、表題曲のバンドサウンドに対して、メリハリがある感じですね。

 これは、スタッフとも意見交換をしたのち、バラードを作ろうと思って作りました。おっしゃっていただいたように、「Chronos」ともバランスがいいだろうと思いましたし。ゆったりとして落ち着けるような、いい感じの曲にしたいと思いました。

――「Yellow」というタイトルは、どういうイメージで?

 普段の生活の中で自分の意見を言わず押し殺して、ストレスを感じたり疲れたりしている人は多いと思います。そういう人に対して、その人の人生に色が付いてもっと輝いていけるような、人、物、事に出会えると良いね、と歌っていて。そういったイメージから、一例として黄色と付けました。

――R・O・Nさん自身、何か意見を言えないようなことがあったりするんですか。

 僕は、自分の意見を持つことは大事だと思っているので、けっこう言うほうですね。何かを発言することで例え嫌われてしまったとしても、何も言わずにストレスを抱えて生きていくよりは、言いたいことを言ったほうがいいと思っています。

――この曲は、自分の意見を言えない人にとっての応援歌にもなり得るわけですね。

 そういう側面もあると思います。

――もう1曲の「Sprinkle」はインストゥルメンタルの曲ですが、どんなイメージで?

 まず、「Sprinkle」というタイトルは、『食戟のソーマ』からインスパイアさせていただきました。作中に“ふりかけ”をテーマにしたエピソードがあって、そこでふりかけからイメージしたサウンドを構築しました。

――『食戟のソーマ』には、他にもいろんな食材がテーマとして出てくるのに、どうしてふりかけを?

 ふりかけのエピソードは、最初のほうに1度出てきたんですけど、のちに改めて出てくるんですね。表題曲の「Chronos」は時間を意味していて、変わらない良いものという意味を込めているので、それとも通じるなと思ったので。

――音でふりかけを表現しようと思った時に、最初にイメージしたのはどういう音ですか?

 最初は打楽器でした。細かいパッセージが、ふりかけの粒や可愛らしさを表現できるんじゃないかと思いました。

――英語のコーラスが出てきますが、あれは何と歌っているんですか?

 あれは音ネタみたいな感じなので、意味はなくて。それに聴いても、何を言っているかは、分からないと思います(笑)。

――では、今回のシングル1枚を通して、何かコンセプトにしたことはありますか。

 今回はピアノです。3曲全てで、ピアノを使っています。1曲目を作った時点でピアノが自分でも印象的だったので、じゃあ今回はピアノで通そうと思いました。

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