新境地に挑戦した楽曲「砂漠の花」「伝えたいこと」
――確かにバラエティに富んだ収録曲ですが、バラバラだとは感じませんでした。「砂漠の花」は、これまでのchayさんの雰囲気とは変わった印象を受けました。
私としても新境地に挑戦した楽曲なんです。もともと作詞作曲をしてくださった、松尾潔さんと川口大輔さんがタッグを組んで作る曲のファンだったので、良い意味でスパイスになる1曲を作ってくださると思って、念願叶って今回ご一緒することができたんです。「いままでのchayにない曲を作ってください」というお願いをして作って頂きました。
――先ほどchayさんが仰ったシリアス感が出ていると思います。
そうですね。イントロから「こう来たか!」という感じで、さすがこのお2人が作る楽曲のパワーってやっぱり凄くて…『Lavender』というタイトルになったのは曲が全部上がった後だったんですけど、ラベンダーは砂漠で咲く花らしいんです。“花”という部分でも“許し合う愛”という花言葉が凄くリンクしたので運命を感じました。
――松尾潔さんと川口大輔さんからどのようなディレクションがありましたか?
プロデュースは武部聡志さんがしてくださったんですけど、加えて松尾さんと川口さんのお2人にもディレクションして頂きこの曲をレコーディングしました。私は歌う時、”語尾を吐息混じりで抜く”という癖があるんです。「それはそれでchayちゃんらしい」と言ってくださったんですけど、この曲に関しては、文章の切れ目が多い曲で、そこは「吐息を止めて」とかそういったご指摘もありました。そのご指摘の前後で聴き比べると、言葉の伝わりやすさがだいぶ違ったんです。かなり勉強になりました。
――新境地に挑むにあたって“らしさ”を少し変化させた部分もあるのですね。曲が転調する部分はドキッとする展開ですね。
その部分はかなり肝になる部分なんです。だから最後の部分はエモーショナルに歌ってというディレクションもありました。
――新境地を感じた曲は他にもありました。chayさん作詞作曲の「伝えたいこと」は、それこそ“伝えたいこと”が込められている?
この曲は書きたてなんですけど、正に“いま伝えたいこと”が詰まった曲なんです。それぞれの大切な人、親や兄弟や恋人、友人もペットも、そういった存在との大切な時間って、当たり前だと思っていてもいつ離れてしまったりするかわからないじゃないですか? 伝えたい気持ちというのは、「いまこの瞬間に伝えないと伝わらないんだよ」ということを言いたくて書いた曲です。
――大切な人との関係がいつまでも続くとは限らない、という受け取りかたもできますね。凄く大切なことだと思います。要となる想いが1曲目というのが良いですね。
この曲を一番目にすることはけっこう勇気が要る選択でした。サウンド面でも今までにない感じの曲なので。でも、これが伝えたいことだし、自分の意思と想いが込められている曲なので最初に持ってきました。
――タイトルは「伝えたいこと」という選択肢以外にもあったのでしょうか?
一切なかったんです。この曲に関しては、いま自分が感じている気持ちをダーッと書いたんです。その中で“伝えたいこと”というのが存在感のある言葉というか、ギュッと凝縮されている言葉だと思ったんです。書いてそのまま提出してイジられることもなかったです。
――プロデューサーの武部さんはこの曲に関して何と言っていましたか?
「いいじゃん」って(笑)。
――アレンジのリクエストなどもしたのでしょうか?
しました。小島裕規(Yaffle)さんにやって頂きたいと私からお願いしたんです。小島さんは同い歳なんですけど、以前のアルバムで数曲ご一緒させて頂きました。いまの音楽のトレンドを凄く勉強されている方だし、それを音に反映させてくださるんです。最初はギター弾き語りデモを武部さんに渡して、武部さんがピアノを弾いてくださってそれに私が歌を重ねたんです。そのデモのまま歌詞を書いたりしていたんですけど、武部さんが「この曲はピアノサウンドよりギターで洋楽寄りのポップスの雰囲気にした方がいいかもしれない」という提案をしてくださったんです。
――最初は全然違う感じのデモだったのですね?
最初は逆にその提案にピンとこなくて、ガラッと変わったアレンジってどうなんだろうと思ったんですけど、ガラッと変えるんだったら小島さんがいいなと思って提案しました。
――アレンジにはかなりの案があったのですね。
それで上がってきたものに良い意味でビックリしました! サビの部分は、私の中で譲れない部分があったので、何度も協議を重ねてブラッシュアップして頂いてやっと出来たアレンジなんです。色々試して最終的に4つ打ちになったり、結果的にサビ以外は小島さんのアレンジをさらに磨いたアレンジになりました。
――相当作り込まれたアレンジだったのですね…。
紆余曲折あってのこのアレンジなんです。
――アレンジ面も含めて、新たなchayさんのカラーという感じがしますね。
「あなたに恋をしてみました」という楽曲で私を知って頂くきっかけになって、以降はずっと歌謡曲風、60’sや70’sなアレンジを追求してやってきたなかで今回新しいアルバムが出て、いまの年齢、自分の気持ちを大切にして作った結果、アレンジ面でもアップデートしたいなという気持ちがあったんです。「伝えたいこと」も「砂漠の花」も、新境地への挑戦なんです。びっくりさせちゃうかもしれないんですけど。
――今までのchayさんのイメージが強い方にとってはそうかもしれませんけど、スッと入って来られると思います。
最初のリード曲「砂漠の花」を発表するときも、リスナーさんがどう受け取ってくれるのかというワクワクもありハラハラする部分もありました。でも、いざ発表したら凄く受け入れてくださってホッとしました。
――自身の新しい部分を提示するというのはドキドキしますよね。
「砂漠の花」には<ときめくだけならば それは恋 砂漠の花 愛とは許すこと>と、ありますけど、20代前半の頃はそれこそ「あなたに恋をしてみました」とか「恋のはじまりはいつも突然に」とか、“恋”というワードが凄く多く出てくるんです。いわゆるガーリーな等身大の乙女心を書いてきて、世間的にもそういうchayのイメージがあると思います。ファンの方の多くは同世代の女性で、出会った頃は同じ大学生くらいだったのに、いまは結婚してお子さんとライブに来てくださったりすることが凄く多くて。そういう方と一緒に歩んで成長していっているようなイメージなので、そういった意味でも受け入れてくださったというのは、みなさんの心境も変化していっているんだなと。
――その変化、想いを音楽にしたためているのですね。最初の方で仰ったアイデンティティ・クライシスを作品に含めたのは、そういった意図があるのでしょうか?
自然にそういう気持ちになったし、共感してくださる方もいるんじゃないかなと思ったんです。
――先行リード曲の「砂漠の花」がリスナーに受け入れられたということは、それこそchayさんの“伝えたいこと”が伝わったのではないかと思います。
アルバムでもそうなるといいなと思います!



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