結城萌子、デビューEPは「何色にも染まっていない私」目指すシンガー像とは
INTERVIEW

結城萌子、デビューEPは「何色にも染まっていない私」目指すシンガー像とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年08月28日

読了時間:約9分

 声優で歌手の結城萌子が8月28日、シングルEP『innocent moon』で歌手デビュー。2019年1月に公開された劇場アニメ『あした世界が終わるとしても』の小野寺役で本格的に声優デビューを果たす。幼少期より音楽に親しみ、様々な楽器に触れて育つ。特技はフルートで、音楽学校ではフルートを専攻していた。今作は全4曲の作詞・作曲に川谷絵音(indigo la End、ゲスの極み乙女etc)やちゃんMARI(ゲスの極み乙 女。ichikoro) 、アレンジャーに菅野よう子やTom-H@ckやミト(クラムボン)、プロジェクト全体の監修を音楽評論家の冨田明宏氏が務めた。インタビューでは『innocent moon』に込められた意味や、目指すシンガー像など多岐にわたり話を聞いた。【取材=村上順一】

まだ何色にも染まっていない私の歌

「innocent moon」

――シンガーデビューが決まった時はどのような心境でしたか。

 自分の中では、「やっとデビューだ」という感覚はあまりなくて、まだ半分夢のなかにいるような感じなんです。なので、緊張感もまだなくて、もっと緊張感を持った方がいいのかなとか考えています(笑)。

――ちなみにデビューのお話を聞いたのはいつ頃だったのでしょうか。

 2年以上前でした。なので、心の準備の期間が長かったので、あまり緊張していないのかもしれません。シンガーとして動き出したのも最近なんです。「デビューしますよ」と聞いてから、すぐに何かが動き出した感じではなかったんです。今自分がどこにいるのかわからないという状況が長かったので、そこは少ししんどかったです。

――その時から川谷絵音さんに曲を作ってもらうというのは決まっていたんですか。

 決まっていました。川谷さんは色んなプロジェクトをやられているじゃないですか。だから、私を含めすごい数の楽曲を作ってるから忙しそうだなぁと思ってました。

――川谷さんに曲作ってもらえると聞いた時はどのように思いましたか。

 正直、「どうして私に書いてくれるんだろう」と、はてなマークでした(笑)。今も川谷さんにその理由は聞いてはいないので、確かなことはわからないんですけど。実績もキャリアもある方に書いて頂けるということで、不安と楽しみが入り混じった感じでした。

――レコーディングには立ち会っていただいて?

 全曲ではなかったんですけど、立ち会っていただいた曲もありました。「元恋人よ」はミトさんに立ち会っていただいて、冨田(明宏)さんは「散々花嫁」と「さよなら私の青春」で立ち会っていただきました。

――レコーディング自体はこれまでに経験はあったのでしょうか。

 初めてではなかったです。

――今回のレコーディングで勉強になった事はありましたか。

 今回、楽器のレコーディングに立ち会わせていただいたんですけど、「元恋人よ」のアレンジをして頂いたミトさんからスコア(楽譜)を見せていただいて、弦のレコーディングを見学させていただいたので、こうやって形になっていくんだなというのが勉強になりました。

――そういえば、結城さんは音楽学校に通っていたんですか。

 音楽は小学生の時からずっとピアノやフルートをやっていました。なので、1週間に何日かは音楽に触れていました。でも、学生の頃から「歌手になるぞ」という感じではなかったです。

――ちなみになぜフルートを選んだのでしょうか。

 もともと姉がフルートをやっていたんです。私はピアノを最初やっていて、弾くのがしんどい時期で、もう、ピアノを弾きたくないという感じになってしまって…。それで姉のフルートを借りて吹いてみたら音が出たので「これいけるかも」と思って、フルートの方に比重をシフトチェンジしていったんです。それでピアノから抜け出す事に成功したんです(笑)。

――その時の先生が相当スパルタだった?

 人としては優しい先生でしたけど、小中の時から音大を意識してる人が通うところだったので、ピアノに関しては厳しかったですね...。私にも音大を目指してほしいと思って厳しく指導して下さったんだと思います。でも、他のこともしたかったのに、私は家に帰って、またピアノの練習というのは嫌だなと思っていました。でも、ピアノの音が楽器の中では一番好きなんです。

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