台湾の音楽グループ・Magic Power(MP魔幻力量)のXiao Bing Chih(ティンティン)がソロ名義「廷廷」でデビューし、今夏開催の『サマーソニック2019』に出演する。Magic Powerではメインボーカルと主な曲作りを担当するティンティンは今年6月、3年を費やして作詞作曲全てを手掛けた初のソロアルバム『凡人 Mortal』をリリースしている。同作は、台湾のCDショップランキングやデジタル配信サイトランキング、KKBOXアルバム再生ランキングなどインターネット及びラジオ局のランキングで1位を獲得。まさに破竹の勢いを見せている。今回はそんな彼にソロデビュー活動での心境や同作、そしてサマーソニックへの意気込みを聞いた。【取材=平吉賢治/撮影=木村陽仁】
「ソロアルバムは音楽をやり始めたときの夢の一つ」
――6月14日におこなわれた代官山 SPACE ODDでのライブはいかがでしたか?
ファンの方々からとても熱い気持ちを感じました。本当に素晴らしいライブだったと思います。早く2枚目のアルバムを作って日本にも持って行けたらいいなと思っています。
――初ソロアルバム『凡人 Mortal』からはボーダーレスに様々な音楽性を感じました。
ありがとうございます。僕はファンの方々に色々と違うジャンルの曲を伝えたいと思っているんです。それで『凡人 Mortal』には様々な音楽のテイストを入れました。
――このアルバムからはティンティンさんのダークな面、希望溢れる感情が伝わってくる面、その両方が奥底からくっきりと伝わってくるようでした。
人は色んな面があると思うんです。ダークな闇の部分があったり明るい一面があったり…自分自身もそうなので、『凡人 Mortal』ではそういった色んな面をちゃんとみんなに伝えられたらいいなと思いまして。それはアルバムのコンセプトでもあるんです。
――『凡人 Mortal』がリリースされて1年が経とうとしていますが、現在はどんな心境でしょうか?
ソロアルバムの制作は、音楽をやり始めたときの夢の一つなんです。昔はバンドとしてみんなと一緒にやってきたんですけど、今は個人の作品になって、自分の想いを全てこのアルバムに込めることができるのが凄く嬉しいです。
――台湾のCDショップランキングやデジタル配信サイトランキング、KKBOXアルバム再生ランキングなどで1位獲得と、高い評価を得ていますね。
色んな賞を頂いたりもしたんですけど、一番嬉しいのはファンの方だけではなく、多くの人達の心を打つことができる音楽ができたかなと思うことです。アルバムタイトルの『凡人』の意味は“一般人”なんです。アルバムには一般の方の色んな気持ちが含まれていて、人がどん底のときの描写もあったり、色んな人が共鳴してくれたみたいで、みんなの力になれたことが凄く嬉しく感じます。
――どん底を体験した人間でないと作ることができないような作品、という印象を音から受けました。
自分もそう思っています。音楽という創作活動において、どん底を受け入れて乗り越えていかなければこのアルバムの完成はありませんでした。自分の感じたものがそのままアルバムに込もっているんです。
――Magic Powerが活動休止になったあと、調子を崩したと聞きましたが。
そのときは落ち込んだりしていたんですけど…今はステージにも立てて大丈夫です!