自分たちのジャンルを作りに
――危なく顔だけ浮いてる感じになりそうだったんですね。あと、ジャケット写真はフェンシングの格好をされていますが、なぜフェンシングを?
真舘晴子 今回、デザイナーさんにタイトルをお伝えして、いくつか提示して頂いたアイデアの中にフェンシングがあったんです。他にはテニスとか女の子らしい可愛らしいものもあったんですけど、私たちはちょっと変わったものが好きなので、他のも良かったんですけど、今回はフェンシングが良いなとなりました。
――なかなかパンチがあるジャケット写真だと思いました。着る機会はあまりないと思うのですが、このユニフォームを着てみていかがでした?
渡辺朱音 めちゃくちゃ暑かったんです...。見えないんですけど、下に(剣が)刺さっても痛くないようにプロテクターと、さらにその上に長袖とベストも重ねているので、重いんです。
――このキリッとした表情は暑いのを我慢して出てきたもの?
真舘晴子 これは“Captain Sad”に成りきっている表情ですね(笑)。
和久利泉 ユニフォームを着ると不思議なものでキリっと締まるんです。でも、暑くて途中眠くなってきちゃって、ボーッとしちゃったんですけど。眠気との戦いがありました(笑)。
――裏ジャケでは皆さん倒れてますけど?
渡辺朱音 これはsadの部分ですね(笑)。思い出したんですけど、私、この日に人生初の刈り上げにしたんです。この撮影での大きな印象になっています。こんなにカッコいい髪型にしたことはなかったので、新鮮でした。
――さて、プレイヤーとしてはそれぞれどんな課題や理想像がありますか。
真舘晴子 私は一般的なギタープレイヤーのように弾くことが出来なくて、ライブを観ていても「なんでみんなこんなに弾けるんだ」と思っていて。私が弾けるのは割とシンプルなソロとストロークで…。今までの作品で簡単なフレーズにも気持ちを入れて弾いていたことに最近気づいたんです。
――晴子さんのギターは確かにシンプルですけど、アルペジオひとつとっても、独特な味わいがあると思うんです。
真舘晴子 ありがとうございます。めちゃくちゃシンプルなことでも、そこに自分の個性だったり、音色や気持ちを出せるというのも武器にしていったら良いのかなと思いました。手段が増えることは良いことだと思うので、もちろん研究もしていきたいんですけど、自分の持ち味としてシンプルなものに気持ちやニュアンスを出せていけたら、面白いバンドになるんじゃないかなと思います。自分とギターの組み合わせは他の人がやっている組み合わせとは違うと感じていて、私なりの新しい立ち位置を作っていかないとと思っているので、ギターと2人で頑張って行きたいなと思っています。
和久利泉 私は好きなベーシストが沢山いるんですけど、その好きなベーシストに共通する部分があります。それはすごく技術や知識がある人でも、性格やキャラクターがフレーズに出ているなと自分では思っていて、それが自然と出てしまったというベーシストが好きなんだなって。私は歌を歌わないので、代わりにベースで歌う感覚で弾いているんですけど、昔は曲に対して好きなように(ベースで)歌っていたんですけど、これからは楽曲全体に対してどう歌ったら面白いのか、というのを考えつつ、ベースを楽しく演奏できる人になりたいです。
渡辺朱音 最初に片寄さんにプロデュースして頂いた『HEMMIG EP』の時に、GREAT3の白根賢一(Dr)さんがスタジオに来て下さって、さっきまで自分が叩いていたセッティングのままでドラムを叩いてもらったんですけど、音の締まり方など、そのかっこよさに私は「もう帰りたい」と思ってしまったぐらい衝撃で。これまでドラムを叩いて培ってきたものすべてが音にでていて、自分もみんながハッとするような音が出せるドラマーになれたらと思っています。
――皆さんがそこに近づいた時、さらにすごいバンドになっていそうで楽しみです。最後に新たに1枚アルバムが完成して、The Wisely Brothersはどこに向かっていますか。
真舘晴子 今は自分たちで自分たちのジャンルを作りに行っています。日本でやっているのですが、色んな国の音楽とも繋がって影響を受けたいとも思っていて、それに向かっている途中です。今作は以前よりもこうしたいというのが出てきましたし、音に自分たちの気持ちを強く感じることが出来ました。もし、次のアルバムが作ることが出来たら、私たちの音楽がもっと面白いことになるのではないかなと楽しみです。
(おわり)







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