嘘は書きたくない
――MV撮影で苦労した点などはありましたか?
沖縄で撮影をして、浅い海を歩くシーンがあるんですけど、足下がアオサまみれだったんですよ…。
――海藻がヌルっとする感じでしょうか?
そうなんです。そこらじゅうにアオサがあって足に絡まってくるんですけど、「水しぶきを立てないように直線で歩いてほしい」というディレクションがあったんです。だからアオサを避けたかったんですけど、ヌルヌルしながら歩いていました(笑)。
――クールなシーンですが足下は大変だったのですね(笑)。「Over me」の次のシングル、「ボクラノカタチ」はドラマ『長閑の庭』の主題歌ですね。これも作品に寄せて作った部分もあるのでしょうか?
もともと、こういう曲が作りたいというものがあったんです。それでドラマの主題歌のお話を頂いて、「この曲はピッタリだ」と思って、そこからドラマを意識しながら完成させました。
――ちなみに作曲はギターを使用する?
基本的にはギターで作るんですけど、この曲に関してはピアノで作曲しました。曲によって違うんです。曲の作り方として、「このコード進行いいな」と思ったものが、オンコードを含んだりする場合があるんです。
――オンコードというのは低音の声域が離れていたりして、ギターでは弾きにくいという側面もありますね。
そうなんです。オンコードはピアノだと簡単なんですけど、ギターだと難しいんです。「ボクラノカタチ」ではそういったオンコードを入れて作りたくて。そのコードに対してメロディを付けたりという感じで作っていきました。
――「ボクラノカタチ」で伝えたいことは?
恋愛の歌なんですけど、私は恋とか愛とかは2人の他人同士の繋がりだと思うんです。そのなかでどう繋がるか、「何が恋で何が愛なのか」というのは人それぞれで目に見える形はないと思って。結婚したら指輪が形なのか、恋人同士だとお揃いの物が形だったり…みんな何かしらの形が欲しいのかなと思うんです。そもそも結婚ということ自体もそういうものなのかなって。
――確かに結婚となると指輪もそうですし、戸籍上の繋がりを示す文書など、明らかな形がありますね。
それがある種の「目に見える愛の形」だと思うんです。そういうのもあるし、恋人同士でも色々な形があると思って、ひとつの「無い形」を歌にしてみようと思いました。
――この曲のなかで大切にしている想いは何でしょうか?
曲の最初で<空に浮かびいつだって掴めない雲 形のないそれはまるで僕らみたいで>と歌っているんですが、普段私達って、そういうことは気にならないと思うんです。雲があるとか雨とか晴れとか、そういうのは予定があるから気にすると思うんです。晴れたら感謝するなんてことは、例えば遊園地に行く予定だったとか、その日に何かがないとあまりないと思うんです。
――言われてみれば、予定が全くない日の天気ってわりとどうでもいいというか。
雲が消えたり出たりすることとか、常に起こっていることを気にするメンタルというか、そういう繊細な気持ちを歌えたら良いなという気持ちがあります。
――ロザリーナさんの一貫したスタンス、意識はありますか?
本音を書くということです。嘘は書きたくないというところは、ずっと一緒です。
――実体験や自分の本音がベースとなって曲を書く?
そうですね。タイアップとかで曲を書くとしても、その作品のなかで自分が共感できる部分を書きますし。そういう風にしないと伝わらないと思っているんです。
――自身のスタンスがしっかりしているなかでも、人との出会いで変化したり進化したりすることがあると思うんです。ターニングポイントとなる人との出会いは?
西野亮廣さんとの出会いです。メジャーデビュー前に一緒に仕事をさせて頂いたんです。『えんとつ町のプペル』という絵本のテーマソングを歌ったんですけど、それが多くの人目につく最初の仕事だったというか。
――西野さんはロザリーナさんにとってのキーパーソンなのですね。
歌は西野さんが作ったものなんですけど、それを西野さんの師匠という存在である大王という方と2人で歌っているんです。そういうことは初めてで楽しかったし、一緒に『えんとつ町のプペル』という絵本の読み聞かせ会のライブにも出たりして。西野さんは“超クリエーター”というか、やりたいことが多過ぎてそれをすぐやる人なので、一緒にいると凄く勉強になります。行動力が凄いんです。
――西野さんはクリエーターでもあり、アーティストでもあると思います。他に気になるアーティストや作品は?
いっぱいいます。映画やドラマがとても好きなので毎日何かしら観ています。ハッピーコメディとかアクション系が好きです。最近は『グレイテスト・ショーマン』が良かったです。ミュージカルなんですけど、これはおすすめです。とにかく曲が良いしストーリーも面白いし…。
――日々いろんな作品に触れると、「この人と一緒にやってみたい」という思いが出て来たりしませんか?
最近口癖のように言っています。「誰かとフィーチャリングがしたい、誰かと何かを作りたい」って。
――具体的にコラボしたい人は?
モンゴル800の上江洌清作さんとか、Def Techさんとか、PUNPEEさんとかとご一緒させて頂いたら凄く嬉しいです! 色んな人と何かをやりたいと思っています。




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