結成のきっかけは…、涙のワンマン
――なぜ“塩顔”というコンセプトのもとにエアー・バンドという活動をしようと?
松村(塩村) もともとバンドをやりたいと思っていたんですけど、なかなか形にならずに諦めていました。そんなとき、某歌番組のエキストラで出演する機会があって。その時の演者さんに「もし何かあったら絶対僕に声かけてくださいね。力貸しますんで」と言ってくださって。その一言で「できる!」と意欲がわいて。それでみんなに声をかけたという感じですね。
――そこから始まり、2018年12月18日には恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブを成功させたと。「チケット1000枚完売させないと解散」という条件を見事に達成した勝負のライブだったと聞いていますが。
小野(塩野) 1年間かけてやったんですよ。それまでは目標に向かって1年をかけてやっていくことがなかったので、ライブを迎えるまではしんどかったですね…。でも、いざライブが始まって幕が開いて、お客さんがパンパンに入っている場内を見て「良かったなあ!」と感動して。だけど、曲が始まって5秒くらいで松村君が泣きまして…「ちょっと早過ぎない?」ということで感動が薄れましたね(笑)。
松村(塩村) もう嬉しくて…。
小野(塩野) 曲が始まってすぐ「ウゥッ! ウゥッ!」って奇声が聴こえるから「アレ?」と思って見たら泣いてるんですよ! サビとかで感極まって泣くとかならまだわかりますよ? 「本当に集まってくれてありがとう」という気持ちがあるから。こっちも泣きたかったのに松村君が早過ぎて(笑)。
西村(塩チョ) こっちは冷めたよね(笑)。
小野(塩野) そのせいもあって、曲が終わったあとにどうツッコもうか、ということしか考えてなかったですもん(笑)。
――難しい立ち位置でもありますよね。アーティストとしてのSALTY's、芸人としてのみなさんのスタンスがありますから。
小野(塩野) 一人で完全にアーティストになっちゃったので。あとの3人はもうツッコむしかないじゃないですか(笑)。
松村(塩村) 楽屋にステージを映すモニターがあるんですよ。ステージ前に人がいっぱいいるのがわかるんですけど、前3列ぶんくらいまでしかモニターでは確認できなくて。前列にはこれくらいいるけど、後ろにはおらんかもな…って思ってたんです。「それでも最後まで頑張ってやり切ろう!」って意気込んでステージに行って幕が開いたら後ろまでビッシリと…。
――それで5秒で泣いたと。
松村(塩村) 「ウゥッ! ウゥッ!」って(笑)。
小野(塩野) 「なんか変な声聞こえない?」って、みんな周りをキョロキョロ見てましたから。
西村(塩チョ) 感動しているリーダーを見てお客さんも「ウワァ…」って感動して、「いや、君らもかよ!」って。
松村(塩村) 溢れ出ましたね…。
小野(塩野) いくらなんでも早過ぎるんだよ。
小澤(塩澤) たぶんリキッド幕開け史上最速ですよ。
――新しいスタイルの“つかみ”を得ましたね。
松村(塩村) 誰よりも先に泣くという(笑)。
――ライブパフォーマンス中のお客さんの反応はいかがでしたか?
松村(塩村) 僕らのいまの形としては、曲はしっかり届けて一緒に盛り上がってもらって、間のMCでコントなどがあったり、という感じです。演奏で盛り上がってもらって、間で笑ってもらってというライブになってます。
――それは凄く楽しそうですね。
小野(塩野) お客さんの楽しみ方としては、お笑いのライブの場合は“受け身”じゃないですか? それに対して、音楽の場合は積極的に楽しんでくれるというのがあると思うんですよ。だから、お笑いのライブを観に来てくれて笑ってくれるお客さんはライブではどうなるんだろうと思っていた部分もあって。だけど、「この子、おとなしい人だろうな」って思ってたけど、SALTY'sのライブでメチャクチャ盛り上がってくれてるのを見て、音楽の力って凄いなって思いました。