コレサワ「きっといい出会いだった」みゆはんとのケミストリーが生んだ音楽
INTERVIEW

コレサワ「きっといい出会いだった」みゆはんとのケミストリーが生んだ音楽


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:19年06月26日

読了時間:約14分

みゆはんとは人見知りなところが似ている

コレサワ

――「たばこ」はすでにたくさんの人からカバーされていて存在感のある曲なので、アンサーソングを作ることにプレッシャーは感じませんでしたか?

 いえ、「たばこ」は私からは旅立っていろいろな人が歌ってくれているから、あまりプレッシャーはなかったんです。一番大事だったのは、みゆはんが喜んでくれるかどうか。だからそこがクリアされればもう、あとはお好きにどうぞ、みたいな感じでしたね。逆の立場だったら、やっぱり自分の好きな曲を提供して欲しいし。好きじゃない曲は気持ちを込めて歌えないと思うんです。私は自分で作るタイプだからそうなのかもしれないけど、なるべくみゆはんに気持ちよく楽しく歌って欲しかったので、どうリアクションしてくれるかが一番緊張しました。

 しかも「たばこ」がすごく好きで、コレサワのことを好きで聴いてくれている人だったので、余計にみゆはんがどう思うか心配だったけど、すごく気に入ってくれたみたいなのでうれしいです。

――ご自身で「恋人失格」を歌ったときは、どんなふうに感じましたか。

 キーが低いところや高いところが歌いづらいですね(笑)。みゆはんはいろいろな声を使える人なので、すごく上手に歌ってくれました。私にしてはレンジがちょっと広めな曲で、自分では低いところは苦手だから、歌いづらいです。でも、男の気持ちだからあまり高いキーでは歌いたくはなかったし、弾き語りでも映える曲にしたかったので、独り言を言っているぐらいのキーの方が、声も優しく出るかなと。だけどサビは気持ちを込めて、ガーって歌える曲なので。あまり自分の曲ではない感じの上がり下がりだったので練習しました。

――みゆはんさんの「恋人失格」のミュージックビデオが話題になっています。

 「たばこ」のMVの部屋を再現した方が、観てくれた人も喜んでもらえるんじゃないかなというのはあったんですけど、忠実に再現していただけました。監督含め、出演してくれた(横浜)流星くんも(山田)愛奈ちゃんもすごくすてきな演技だったから、いいチームでやってくれたんだと感じました。

――コレサワさんのMVは、基本アニメーションですよね。そうそう「たばこ」のMVで登場する部屋が、「恋人失格」で実写で再現されていましたね!

 そうなんです。 みゆはんが世界観に合ったサウンドを作ってくれたからこそ、たぶん監督がそれを聴いて、イメージがふくらんだと思うし。それがあったからこそ、流星くんも愛奈ちゃんも出演してくれたんだと思うし。歌もすごくいいからこそ、あれだけたくさん観てもらってMVも広がっているんだなと思いました。私も流星くんはテレビドラマで見て、格好良いなと思っていたし、愛奈ちゃんは前に違うお仕事でご一緒になったことがあるし、ドラマを観て可愛い女優さんだなと感じて、ファンなので。その2人が、しかもいい顔をしていて、すごく感動しました。最高だと思います。

――監督が女子のキュンキュンポイントを分かっているんですね。

 ポテトチップスでチューするシーンが話題ですけど、私はベランダで流星くんの背中に、愛奈ちゃんが背中でもたれるシーンがたまらなく好きで。しかも流星くんがちょっと前のシーンで着てたトレーナーを愛奈ちゃんが着ているんですよ! 監督は一体いつ、ああいう自然なひとコマを思いつくのかなと思います。

 あとキスシーンのアングルも「そこから撮るんだ!」と。テレビがあるのが分かる、映画を観ているんだっていうのが分かる。あそこはいいシーンでしたね。…って全部いいシーンなんですけど。色味もスタイリングも完璧で。あの流星くんのちょっとぼさっとした髪とか、いいですよね。あのMVは監督、美術さん、すべてがいいから、あれだけ2人が映えて写っていることは主張したいです! みゆはんの歌もいいし、この曲もいいし(笑)。みんながみんな良かったと思っています。

――コレサワさんだからこそ、そこまで細かく気づくのでは?

 いえいえ、単純に監督がこの曲をすごい理解してくれてたんじゃないかなと。いろいろ愛を感じたので。本当にこの曲の良さを理解してくれたんじゃないかな、というのは伝わってきました。私はいつも実写のMVを作らないから、こういった実写のMVを自分の作詞作曲の曲で作ってもらえたのは、すごくうれしいですね。

――コレサワさんとみゆはんさんとの共通点は?

 人見知りなところがちょっと似ています。初めての人とは緊張して「恥ずかしいな」と思ってしまうところとか。会った時もナチュラルな雰囲気で過ごせました。もちろん緊張はしたんですけど、ちょっとお話をして、その帰り道に「このサビで行こう」というイメージが出てきて。だからきっといい出会いだったんだなと思います。

――よっぽど波長が合ったんですね。

 いろんなタイミングも、たぶんよかったと思います。曲を作るのも難産ではなかった。私の経験上、それが一番書きやすいんです。

――「恋人失格」というタイトルもインパクトがあります。

 太宰治の『人間失格』もちょっと意識しました。「失格」という言葉が結構パンチがあるので。「恋人失格だぞ」って。失恋したときのセンチメンタルな気持ちや悲しい気持ち…。この曲につまった、そんな切ない気持ちを一緒に共有してくれたらいいなと思います。

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