島津亜矢「1日でも長く歌い続けられるように」“歌怪獣”が感じる時代と演歌の変遷
INTERVIEW

島津亜矢「1日でも長く歌い続けられるように」“歌怪獣”が感じる時代と演歌の変遷


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年05月18日

読了時間:約10分

喋るような感じ、言葉を伝えるような感じで

島津亜矢

――私もここ何年かで演歌への捉え方がすごく変わったんです。歌詞の深いところが年齢とともに理解出来るようになってきたといいますか。

 それはありますよね。演歌自体も変化して来ていると思います。

――島津さんは30年以上演歌の世界で歌われていますが、演歌が変わったなと思うところはありますか。

 演歌はカラオケファンの皆さんに歌って頂けるような歌を、という視点も大事にされています。ディレクターさん達は本当に大変だなと思います。でも、今はそれだけではなくなってきています。同じ歌を歌っても歌手それぞれの個性があるわけで、歌に比重を置いて作るのではなく、歌手に比重を置いて作るように変わって来てるんじゃないかなと感じるところがあります。

――さて、「凛」の歌詞には向日葵という言葉も入っています。

 何でも久仁先生が、良く笑う私を見て向日葵のようだと形容してくださったんです。私は向日葵が大好きなので、ファンの方も自らライブで振る向日葵のグッズを作って下さって。それもあって向日葵が歌詞に入っているということがすごく嬉しかったです。

――こうやってお話ししていても、島津さんは向日葵のイメージがあります。さて、私がこの「凛」を歌ってみて難しいなと思ったのが、<悲喜こもごもの>と<ごらん>の歌い方が特に難しかったんです。

 <悲喜こもごもの>は下からぐっとくる感じなので、確かに難しいです。これはもう練習あるのみです(笑)。<ごらん>は、その言葉の通りのイメージで歌えば良いと思います。「見てごらん」と誰かに語りかけるように歌うと上手く行くと思います。演歌は言葉を伝えるものなので、あまり意識はしていないですが、喋るような感じ、言葉を伝えるような感じで歌って頂けたら良いと思います。

――カップリングには「晩夏」が収録されています。「凛」とは対照的な一曲で、これは女唄ですよね?

 ガラッと雰囲気が変わりますよね。でも、女唄なのかな?

スタッフ 久仁先生は初めて書いた女唄だと仰っていました。

 そうなんですね。確かに先生は力強い歌が多いですから。

――自然と歌い方も変わりますよね。

 そうですね。先ほどもお話ししましたが、その言葉、歌詞が柔らかければ自然と歌も柔らかくなるんですよね。こういった歌には唸りは基本入れないですし。そういった変化はあるとは思いますが、私自身はやっぱり意識はあまりしていないです。

――レコーディングはいかがでしたか。

 今回は朝が早かったんです。1日で2曲のレコーディングとジャケット撮影、そして、プロモーションビデオも全部撮りました。私もこんなスケジュールでやったのは初めてでした。プロモーションビデオを撮っている時は、1日の最後の方だったので、少し疲れた顔になっているかもしれません(笑)。

――そのスケジュールにOKを出された島津さんのバイタリティもすごいです。

 「これは1日でやっちゃった方が良いですよ」とみんなに騙されて…。その時は私も「そうなのかな」と思ってしまったんです(笑)。

――過酷な1日でしたね。プロモーションビデオの見方が変わりそうです(笑)。さて、来年は『東京2020オリンピック・パラリンピック』も開催されます。

 「令和」になって来年には東京五輪が来て、色んなことが大きく変わると思うので、それについていくためにも、私も色々チャレンジして、若い人たちにも負けないように頑張っていかなければと思っています。

――そのなかで目指すところはどこにありますか。

 元々あまり目標がなくて、例えば、「いくつまでにこうなりたい!」とかは一切ないんです。年齢を重ねてくると、心と体のバランスがすごく大事だということを痛感してきます。そこを大事にしながら1日でも長く歌い続けられるようにやっていきたいと思っています。

(おわり)

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事