長渕剛、20年ぶり映画現場に「最高ですね」、兄貴との共演に瑛太「泣きそう」
長渕剛、飯島直子、山口まゆ、潤浩、広末涼子、瑛太、権野元監督が25日、都内でおこなわれた、長渕主演映画『太陽の家』キャスト発表記者会見に出席した。
活動40年の節目に20年ぶり主演映画に挑む。テーマは「愛と信念」。デビューから40年、大切な人、家族への愛を、主人公の川崎信吾を通して伝える。その物語は、神技的な腕を持つ大工の棟梁・川崎が、シングルマザーの一人息子を“男”に育てていくなかで繰り広げられる人間模様を通じて、人と人との「愛」を描く。4月1日にクランクイン。5月上旬にクランクアップし、2020年に劇場公開される予定だ。
川崎の妻・美沙希を飯島直子、その娘・柑奈を山口まゆ、シングルマザーの池田芽衣を広末涼子、その息子・龍生を潤浩(ゆんほ)、そして、川崎の一番弟子・高史を瑛太が演じる。メガホンをとるのは「相棒シリーズ」「監査役 野崎修平」などで知られる権野元。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』などのヒットで知られる江良至がオリジナル脚本を手掛ける。
長渕は久々の“現場”に「最高ですね。ファミリーですね。笑顔の絶えない現場、綺麗な方々に囲まれ、カリスマの瑛太ともいるし、潤浩は孫が出来たような、権野監督の『OK!』という凄く大きな声を毎日聴きながら過ごしています」。
この日、役柄の棟梁姿で登場したのは私生活でも親交がある長渕と瑛太。長渕は「(映画の衣装は)僕だけかなと思ったら瑛太もその格好で来てくれて」と語ると、瑛太は頷き笑みを浮かべた。
劇中で長渕と夫婦を演じる飯島は「とても破天荒な夫を優しく、温かく見守っている妻で、実は夫を手のひらで転がしている。楽しく転がしています。こんなことがない限り長渕さんを転がすことはできない」と笑み。娘役の山口は「皆さん優しくて。私は明るい役なんですが、自分自身はそんなに明るくない。でも川崎家にいると明るい気分になれる。助けられています」。
また、広末は「小さい時の私には想像できなかった」という長渕との夢の共演は「時々垣間見える長渕剛感。そのライブ感を楽しんでいる。今は『あれはだめ、これはだめ』と言われる時代だけど、そういうのを取っ払って、信吾(長渕)さんの情熱で、綺麗ごとではない家族や友情を伝えてくれる」と語った。
一方、小学生の頃から長渕の映画や音楽に触れてきた瑛太は「(当時は)小学生の小さい自分ではあったけど剛さんの生き様に強烈な印象を受けまして、そこからギターを覚え、歌って。そんな生活を続けて来て。どんなに苦しい時も剛さんの歌に支えられ、這い上がらないといけないということを感じてきた」と回顧。
長渕とは2年前に会い、今では食事やトレーニングを一緒にする仲。そのなかで「僕の父親は亡くなったけど、鹿児島の人で。父親には『こういう人で会ってほしい』というのがあって。剛さんは強く優しくいつも笑っていて、芝居のなかでどこかで、長渕さんというイメージを切り替えて信吾として見なくては芝居ができないなと思って。現場に入ってからも、剛さんは信吾を演じるためにアイデアやディスカッションをして、それによって台本がより立体的になっていくというか。ドキドキする部分もあるけど、お芝居をする、映画を作っていく作業の中で凄く楽しい毎日を過ごしている」。
そう話しているなかで瑛太は「(長渕との共演に)今も泣きそうになっちゃって…涙が溢れるほど嬉しい」と感極まり、目に涙。
その姿に長渕は照れ隠しのように「どこからどこまでが芝居か分からないけど…」としたうえで「ファミリー」と例える共演者への思い、現場への思いを語った。
「僕は30代、40代は瞑想の時期だった。瞑想のなかで見つけ出すものははたからみたら苦しいこと、悩みぬいていた。その渦中に瑛太がして。その人の被写体を見つめるなかで、いつかの自分を回顧して。皆さん、一つの台本にいろんな思いと情熱と愛をこんないっぱい抱いてこられる。その調整を監督がやる。ライブで台本にはない血の流れ、血が入ってくる感情は台本通りにいかない。そこにリアリティがあって。ほほ笑むこともそうだし、叱ることも怒ることも、それぞれの役者さんがそれぞれのプロ根性で、その台本をいかに立体的に仕上げていくかということに情熱と愛がある。もちろんコンサートもそうだけど、映画は共同芸術。みんなで積み上げていく作業」
更に、その現場のなかで「僕も人知れず、待ち時間にこんな人生あったらいいなと思うことがあって、言葉で言うと稚拙だけど、良いなと涙が出てくる。こんなに愛はデリケートで優しくてふわふわしている。掴みどころがないけど掴まないといけない。そんな想いで現場に立っています。幸せです」と語った。
その話に触れ、広末も目を潤ませ、「私も、シーンのカットがかかってから涙が止まらなくなったのを思い出しました。恥ずかしいぐらい涙が止まらなくて。私の人生にもこんな親切な他人がいてくれたら良かったのになとか。私が演じた役はこの人に出逢えて幸せだなとか。台本にはないお芝居を考案して下さって、急にあるシーンで缶コーヒーを目の前に出されたときも涙を堪えるのが精一杯だった。そういう気持ちを受け取ってくれたら」と振り返った。
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