7人組グループのはちみつロケットが6日、Zepp Tokyoでワンマン公演『H.R ADVENTURE~はちロケ 春の大冒険!~』を開催。同公演は彼女たちにとって過去最大規模となる会場でのワンマン公演。雨宮かのんが「一緒にこの光景を作れて、本当に嬉しい」と公演の最後に述べたように、ファンとの一体感あふれるステージを見せた。また、7月に初の東名阪ツアーをおこなうことも告知された。【取材=長澤智典】

激烈さとエモい魅力をミックス

はちみつロケット

 はちみつロケットは、デビュー曲「はちみつロケット~黄金の七人~」で<どうせ夢は叶わないとか 誰か言っても 青春なんだぞ めちゃ燃えてんだぞ>と歌っていた。1stワンマン公演を成功させたとはいえ、約半年後に数百人規模から何倍も大きな動員数が求められる会場でのワンマン公演という挑戦に対し、後のMCでメンバーらも口にしていたように、それが「無謀」なことは分かっていた。だからこそ7人は、この日の公演に「成果」を出すため、全員の気持ちを一つに我武者羅に走り続けてきた。あきらめることなく夢を追い求めれば、こうやって夢は叶うことをはちみつロケットの7人は示してくれた。

 そんな想いを示すように、はちみつロケットのライブは、デビュー曲「はちみつロケット~黄金の七人~」を歌い、幕を開けた。舞台を覆った巨大な幕が降りると同時に2階ステージに姿を現した7人は、笑みを浮かべながらも力強い表情で「夢見てたステージへ」と歌いかけてきた。彼女たちの姿に向け、フロア中で黄色いペンライトの光が大きく揺れだす。目の前に広がった最高の景色にもっともっと輝きを注ぎ込もうと、7人は声を弾ませ届けてくれた。今の7人の心境をそのまま投影した楽曲を冒頭に掲げることで、彼女たちは「夢は叶うと思えば叶うんだ」という想いと自信を高らかに宣言した。

 続く「おかしなわたしとはちみつのきみ」では華やかな青春模様を、彼女たちはミュージカル風に描き出していく。弾けたその姿が眩しく視線を捉えれば、心は、彼女たちの作り上げる青春の風景の中へ“きみ”の気持ちになって一緒に飛び込んでいた。

 ファンキーでカラフルな演奏に触れた途端に、胸のドキドキが一気に膨らみだす。乙女心を綴った歌詞も胸キュンなダンスメンバー「花火と漫画とチョコと雨」に合わせ、フロア中の人たちが大きく身体を揺らしていた。7人がつくり上げた華やかなパーティ空間は、とっても甘くロマンチックで、少しだけ切なさも滲み出るカラフルな場。彼女たちがときめきを抱えながら歌を届けるたびに、その歌が次々と青春のページをめくっていく。そんな感覚を胸に覚えながら、7人の眩しい姿を追いかけていた。

 華山志歩は「本当にありがとうしか出てこない」と、目の前に広がった光景に感激の言葉を投げる。その景色に、ロケッター(ファンの呼称)たちと一緒にさらに感動と興奮を塗り重ねようと、ライブは次のブロックへ。

 オリエンタルな香りも漂わせ届けたのが「千年ミラクル」。秘めた恋心を、少し憂いを持った声色を通し彼女たちは歌いかける。じわじわと華やかさが広がっていく感覚も、とても心地好い。

一緒にこの光景を作れて本当に嬉しい

はちみつロケット

 「なかよしグループ」では、少女たちの弾けたい感情をバキバキとした楽曲に投影。再びここから、熱狂へ連れ出す少女たちのパーティの始まりだ。仲間たちと心無邪気に、わちゃわちゃと「なかよしグループ」を歌う様が眩しく瞼に焼きついた。続く「ギリギリサマー」でも、気持ち弾む祭りの風景をはちみつロケットは会場中に作りあげ、フロア中をわっしょいと沸き立たてていった。しかも、エンディングでは雨宮かのん、澪風、華山志歩、公野舞華、播磨怜奈が華やかでダイナミックなダンスパフォーマンスを表現。途中に各自のソロも加えながら、5人はダンス面での高い実力を見せていった。

 5人のダンスパフォーマンスに続いて、2階両サイドのステージへ、白いトレンチコートを身につけた塚本颯来と森青葉が姿を現した。2人は、美しくも切ない心模様も秘めた歌謡曲風ナンバー「ある蒼い恋の物語」をデュエット。はちみつロケット初のユニットナンバーを、こんな素敵な演出を通して見せていくとは。妖艶な装いや声色を持ちながら歌いかける2人の姿に視線が釘付けになり、いつしか2人の描き出す愛しき恋物語へ心が吸い込まれていた。胸をキュッと疼かせる2人の歌を、会場中の人たちがしっかり見つめていく。最後に、森青葉に「愛してるよ」と言われた瞬間、誰もが心の中で「俺もー!!」と叫びたい衝動が駆けめぐっていたのではと、改めて今、想像を巡らせている。

 そのムードを引き継ぐ形で、はちみつロケットはセンチメンタルなバラードナンバー「夜空にきらめく花」を歌唱。美しくも切ない心模様に触れ、哀切な、でも浪漫抱く想いが胸の中に広がり続けていた。サビに綴った切ない言葉に触れた途端、胸がギュッとしめつけられた。でも、そのチクッとした痛みが、甘酸っぱい青春の飴玉のようでとても愛おしかった。

 続く「Naked Love」を通し、はちみつロケットは会場中を怪しいハロウィンパーティのような空気へ塗り替えだした。少しクールな雰囲気も漂わせつつ、彼女たちは短いミュージカルのような様相を描きながら、物語を次の景色へ切り換えていく。

それまで身につけていたトレンチコートをバッと脱いだ瞬間、私服風の衣装を着た7人が姿を現した。景色を塗り替えるという面では、同じく「忠犬ハチ公」でも7人は、スタイリッシュかつ華やかな50'Sポップムードを振りまきながら、この会場を、喧騒さえもカラフルな景色の一部と化す渋谷の街のようなファンシーでパーティな空間へ変え、フロア中の人たちと一緒に弾け騒いでいった。

 ここからは、ラストへ向かって熱狂導く楽曲を次々とプレゼント。「陰陽-Yin Yang-」をパワフルな歌声を通しぶつけた途端に、フロア中から沸き起こった「ウッホイ!!」熱いコール。続く「美味闘伝説ハッピー招拳」でも、力強い歌声や楽曲を通し、フロア中の熱気へ彼女たちはさらに熱を注ぎ込んでいった。華やかで開放感を持った「ハニートランポリン」に合わせ、メンバーとフロア中の人たちが天高く飛び跳ねれば、「MOTTO MOTTO!!」でも、7人と観客たちみんなで黄色いフラッグをはためかせ、「MOTTO MOTTO」と叫び続けていた。とても、ハッピーな気持ちが身体中を駆けめぐる。もっともっと弾けたい!!
 「バカになれー!!」の叫びに続いて飛びだした「バカイズム」に触発され、気持ちがバチバチに弾け出した。とてもエモーショナルな楽曲だ。無邪気さを満載したその歌は、気持ちをどんどん明るい光の中へ連れていく。その気持ちを、一気にスパークさせるように、はちみつロケットは「WHITE☆FIGHTERS」を投影。会場中の人たちが華やかな喧騒の中、思いきり騒ぎ続けていった。

はちみつロケット

 「こんなにもたくさんの人たちが詰めかけてくれて泣きそうですけど。Zepp Tokyoでの公演は、まだまだはちみつロケットにとって通過点となるライブ。今度は、ロケッターさんたちの熱い眼差しを感じながら、スタンディングでZepp Tokyoをソールドアウトさせたいです」(森青葉)

 「みなさんがいなければ、はちみつロケットは輝けません。まだまだ思ったほどの成長は出来てないのも自分で感じています。だからこそ、自分で『成長したね』と実感できるくらいにまで成長したいです」(播磨怜奈)

 「デビューから1年で、こんなにも大きな会場でワンマン公演をみんなと一緒に過ごしながら出来ていることが嬉しいです。大好きなロケッターを信じて、ここまで来れました。これからも一緒に楽しんでいきましょう」(塚本颯来)

 「デビューから、ここまで一緒に過ごしてくれてありがとう。今のはちみつロケットは、まだまだみんなに支えられている存在です。でも、いつかは私たちがみんなを支え、引っ張っていける存在にまでなりたいと思っています」(公野舞華)

 「今回のZepp Tokyo公演へ向かっていく中、今までで一番メンバーの気持ちが一つの夢に向かって一丸になれました。これからも期待を絶対に裏切らないように、みんなと一緒に新たな日々を描き続けていきたいです」(華山志歩)

「これからもはちみつのように粘りっこくへばりついた活動をしながら。そして、この日のライブが最高だったと思い出してもらえるライブになっていたら嬉しいです」(澪風)
 
 「今までで一番大きな会場への挑戦になりました。ここへ向かう毎日、みんな必死でした。でも、必死な姿を見せるのは恥ずかしいことじゃない。それが出来たのも、みんながいてくれたからでした。こんな素敵な景色を見せてくれてありがとう。はちみつロケットとロケッターと一緒にこの光景を作れて、本当に嬉しいです」(雨宮かのん)

 最後に、はちみつロケットはZepp Tokyo公演で最高の景色を作りあげた仲間たちとの絆を祝福するように「フレンドリーム」を届けてくれた。とても温かな空気が、会場中を包み込んでいた。この最高の瞬間をもっともっと熱狂で染め上げようと、メンバーも、ロケッターたちも満面の笑顔で、この空間にハッピーという最上級の色を塗り重ねていった。

 アンコールでは、胸をバクバクときめかす「放課後リフレイン」を歌唱。一緒に、心をドキドキさせる青春模様を感じ、ふたたび「ハニートランポリン」を歌い、メンバーとロケッターたちがともに、全力で飛び跳ねながら、この楽しさを身体中へ満たしていった。

 なお、はちみつロケットは7月に初となる東名阪ワンマンツアーをおこなう。詳細は後日決まり次第発表される。

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