真空ホロウ「向き合い方が変わった」SNS漫画家ごめんとのコラボで見せる新境地
INTERVIEW

真空ホロウ「向き合い方が変わった」SNS漫画家ごめんとのコラボで見せる新境地


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年03月18日

読了時間:約13分

演歌を核として中枢に置いた部分も

――めちゃくちゃ気になりますね。あと、ライブでも盛り上がり必至の「なんてことないね」なのですが、<平成最後ばっかうるせーんだよ>という言葉が印象的ですね。

松本明人 この言葉には、平成最後だから、終わってしまうから私は変わります、といった投げやりな気持ちも入っていると感じています。最後だからといって決め付けなんて要らなくて、その言葉のせいにせずに自分は自分なんだということです。あと、作詞をしてくれた矢作さんは僕のことをデビュー前から知っているので、僕に似合う言葉がよくわかっているのと、ごめんさんの描いたキャラクターが言いそうな言葉を選んで書いてくれていました。

――それをご自身の中に取り込んでアウトプットするわけですね。松本さんはそういうの得意ですよね?

松本明人 そうですね。でも、以前の歌詞は自分のことを吐露していたこともあって、一時期入り込み過ぎてしまって歌っていて泣いてしまうことがありました。でも、それって伝えるというところで、お客さんに伝わりづらくなってしまうと感じて、そこはコントロール出来るようになってきたかなと思います。最近は「上手くなったね」と周りから言われるようになって…。

高原未奈 歌えなくなるところは見ていましたね。

松本明人 以前フェイクの部分を歌えずに終わったことがあって、終わったあと楽屋で高原さんに「そこまでが歌でしょ!」と言われたことがあって、その時にも歌というものを改めて考えさせられました。

高原未奈 何となく言ったことは覚えています(笑)。逆に「もっと感情を込めたら」とか色々言ってきたんですけど、今はそのバランスが凄く良いのかなと思います。

松本明人 このアルバムが出来てから、自分ではないものを、自分として歌っている感覚があります。自分のエゴだけではなく、誰かわからない誰かに、この気持ちを歌で伝わるように表現することに徹しています。その気持ちの抑揚だったり、歌詞一つひとつを表現することが「上手くなった」と周りから言ってもらえるようになりました。

――以前ある演歌・歌謡歌手の方にインタビューした時に、入り込みすぎて歌えなくなっては歌い手としてはダメだと仰っていたのを思い出しました。

松本明人 そうなんです。実は今作は演歌を核として中枢に置いた部分もありました。今作にも恨み節の部分だったり、日本語で歌っていることもあって、歌うにあたって演歌というものが近い感じがしています。

――ここまでお話を聞いていて、松本さんはすごく周りの声を聞いているんだなと思いました。

松本明人 僕はオーディションに受かってメジャーに行って、あまりパッとしなくて、メンバーも2人抜けてと、そこまでは扱いづらいと言われる側の人間だったんですけど、でもそれじゃあダメだなと思って…。

――現在そんな風には全く感じないです。

真空ホロウ

松本明人 いや、まだまだですけど、がんばります(笑)。

――最後に3月23日からスタートするツアー『真空ホロウ ワンマンツアー 2019 「たやすくハッピーエンドなんかにするな」』への意気込みをお願いします。

MIZUKI 加入して初めてのアルバムリリース、ワンマンライブなので、ここからスタートという気持ちが個人的にはあります。歌詞が伝わるような元気なドラムを叩きたいです。精一杯表現したいと思います。

高原未奈 このアルバムは技術的にギリギリを攻めている部分があって、自分の限界を突破しなければいけないツアーになると思います。良いライブになるようにギリギリまで頑張って、皆さんに楽しんでもらえるようなライブにしたいなと思います。

松本明人 今の真空ホロウは生活密着型です。そうなってからの初めてのアルバムで、2人も真空ホロウ以外でも色んな所でサポートしたり、今作でごめんさんが関わってくれたり、それもあって今までとは知ってもらえる速度が速いと思っています。ライブも僕らをまだ知らない人たちにも来てもらえると思うので、その人達をどういう気持ちにさせてあげられるか、歌でよりその主人公にさせてあげられるかが僕らの課題です。演奏は2人に任せて、僕は歌い切ります!

(おわり)

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