投げキッス運動の生みの親、あさぎーにょの挑戦 「へんてこポップ」の確立
INTERVIEW

投げキッス運動の生みの親、あさぎーにょの挑戦 「へんてこポップ」の確立


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年03月17日

読了時間:約8分

何のためにやっているかが重要

――さて、今回『サントリー 南アルプススパークリングレモン』のスペシャル企画として「クモリノチハレ」を制作されましたが、どういったところからスタートしたんですか。

 まず、フタを開けた時のプシュッ! という音が凄く印象的だったので、この音が活かせないかなというところから始まりました。私がやるんならただ作るだけではなくて、みんなが参加出来るものにしたかったんです。スパークリングというところで、爽やかで疾走感のあるトラックが欲しいと思ったので、それをテーマにクリエイターさんに作って頂きました。そこに歌詞を付けました。

――こういったお仕事を引き受ける時に大事にしていることは?

 私がお仕事を引き受ける時にも大事にしているのは、私が楽しめるかどうか、ファンの人が喜んでくれるかどうかなんです。一方的に訴求するのではなくて、ファンの皆さんが一番楽しんでもらえる形を考えたので、ものすごく良い反響がありました。

 せっかく頂いたお仕事なので、いつもよりスペシャルバージョンでという気持ちで取り組んでいます。みんなが普段より面白いと思ってもらえる企画でないと、本当にオススメしたい商品であっても、やる意味がないと思っています。

――タイトルが「クモリノチハレ」と全てカタカナですけど、これには意図が?

 深い意味はなくて、シンプルに見た目がカワイイからです(笑)!みんなが覚えやすいとか、わかりやすいという、受け取る側の事を考えてタイトルを付けています。ミュージックビデオも音に合わせた映像というより、音と歌詞とタイトル、全てがセットという感覚です。

――その中で、今回制作で大変だったところはどこですか。

 特別大変だったところはなかったです。ドキドキしたのは、みんなからプシュッ!という音をもらうんですけど、カメラに音がちゃんと入るかなとか、たくさん集まるかなというところの不安はありました。結果的にたくさん集まったので良かったです。

――確かにその部分はやってみないとどうなるかわからないので不安ですよね。

 そういった不安はパジャマにQRコードを付けて販売させていただいた時もありました。「数枚しか売れなかったらどうしよう…」みたいな。

――そんな不安も吹き飛ばすほど、そのパジャマは即完でしたね。

 売り切れた時はみんなへの感謝でいっぱいでした。

――結果は後からついてくるという感覚の方が強いですか。

 そうですね。有名になりたいとか、お金を稼ぎたいというところよりも、何のためにやっているかが重要なんです。

――スパークリングと掛けて、今スッキリさせたいことはありますか。

 ゲームとかマンガを読み始めたんですけど、それが上手く進んでいないので、それをスッキリさせたいです(笑)。やったことがないことに挑戦する時間を作りたいです。

――着る、食べる、読むと様々な事柄と音楽をコラボさせてきましたけど、今の課題は?

 音楽の新しい届け方は本当に追求していきたいと思っています。私は自分を歌手とは思っていないんですけど、歌っていく人として、どういう立ち位置にするのかというのは悩んでいる部分ではあります。例えば、今は歌手なのか、ユーチューバーなのか、クリエイターなのか、良い意味でも悪い意味でも肩書きがないんです。肩書きはなくても良いのですが、みんながシェアしたくなる言葉があさぎーにょにはまだなくて、それを見つけることが課題です。

――あさぎーにょさんをジャンルで括るのは難しいし、ナンセンスかも知れませんね。

 私が一番見てもらいたいのは、ブイログ(文書の代わりに短い映像を用いて公開されるブログのこと)なんです。日々のなんてことない動画を見てもらえるとことが一番幸せです。音楽だけを発信していたら今みたいな広がりはなかったのではと思っています。今私の曲を聴いてもらえているのは、日々の思考を知ってもらっているからだなと感じています。

――人間性ですね。

 私は歌が上手いわけでもないし、可愛いわけでもない。普段から発信していることにみんなが盛り上げてくれていると思います。みんなが私の作るものに共感してくれるから、私はオールマイティにチャレンジ出来ているのかなと思います。通常YouTubeでは方向性を絞ることが大切で成功への近道だとされています。それは大切なことだと知りながら、私は敢えて方向性を絞らずオールマイティにやっていきたいです。絞るかどうかは凄く葛藤したんですけど…。

――確かに絞った方がその人のやりたいことがわかりやすいですし、それこそ肩書きはつけやすいかも知れません。

 今では皆さんコメントをくれたりしますけど、2~3年前はコメントがゼロということもありました。日々、私の素をアウトプットしていきたいと思っています。

――さて、最後にあさぎーにょさんが目指すところはどこでしょうか。

 “あさぎーにょ”というジャンルを作りたいですね。新しい、肩書きが付けられないジャンルを確立したいことと、“あさぎーにょ”という世界観を作りたいなと思っています。例えば、私が何年後かにフロントに立たなくても、私が生み出したものが、周りから「これ、あさぎーにょっぽいよね」と言ってもらえるものが作れればもっと幅が広がると思うので、そこを大事にしていきたいです。掲げているテーマである「へんてこポップ」を確立したいです!

(おわり)

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