制限を決めずにやりたい――、板野友美 挑戦の日々が生んだ新たな輝き
INTERVIEW

制限を決めずにやりたい――、板野友美 挑戦の日々が生んだ新たな輝き


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年03月26日

読了時間:約15分

板野友美が背負ったイメージ

 役と共に生きる――。それは「音楽」にも繋がる点だという。

 昨年6月、マイナビBLITZ赤坂でおこなわれた『板野友美 LIVE TOUR 2018 ~Just as I am~』最終公演。ステージには大歓声を浴びる板野がいた。本編16曲を歌い切り、笑顔を見せる。初のバンドツアーは大成功だった。しかし、後に発売されたDVDには、開演前に楽屋でソワソワしている彼女の姿があった。緊張の色がみえる。

 「人前で歌ったり踊ったりすることって、私にとってはちょっと恥ずかしい。でも音楽が鳴ったらその世界の人になる。ただこれは意識的にではなくて、無意識的にやっていました」

 小学生の頃からダンスに勤しんでいた彼女。そのダンス経験が、芝居にも活かされている。

 「HIP HOPを踊るときだけは、強気な自分やちょっとメンズっぽい自分になれる。女性らしさではなくてカッコ良く見せたいというのがあったから。曲がかかるとそういう自分になれ、歌詞の世界に入れるというのはあります。だからお芝居もそうなんだろうなと思って。色っぽい曲なら色っぽい顔をしたり、カッコいい曲だったらちょっと男らしく見せたり、そういうのはダンスも含めて表現するのは備わっているというか、ずっとやってきたからできるんだと思います」

 そんな彼女がダンスを封印して臨んだ初バンドライブ、彼女にはどのような世界が見えたのか。

 「10枚目のシングルは自分のなかでは区切りだったので、色んなことを振り返りました。『自分とは』や『今後どういう音楽をやっていきたいのか』を。それと、バンドライブを通して、音楽との向き合い方も凄く考えました。実際にあのライブをやってみて、同じ曲でも生の演奏でやったらここまで違うのかと感動して。色々経験したので、そういうのも含めてひとつの集大成というか、あのライブを通じて『これからこうしていきたい』ということを考えられました」

 いつしか背負っていた「板野友美」というアーティスト像。これまでが生き生きしていなかった、というわけではない。しかし、あのステージの後半に見せた笑顔は、活力が漲っていた。何かを掴んだかのようだった。言うなれば、視界が開けた感覚に近い。

 「“アーティスト板野友美”としてこういうイメージでやりたいというのが先行していたから『ダンスナンバーでなければいけない』とか『こういう楽曲が私らしい』というのはありました。でも『Just as I am』以降、今回のシングルのような可愛らしい曲を表題にもってこられたのもその集大成が一つ、まとめがあったからこその新しい挑戦だったと思います。そういう新しい気持ちになったのもあのライブがあったから」

 彼女はかつてディズニーのような存在でありたいとも語っていた。その理由はこうだ。

 「ディズニーランドってミッキーなどに会いたいという理由もあるけど、その世界観が好きという人が多いと思うから、そういう風になりたいと思ったんです。色んな自分に変貌して、色んなものを見せて、『板野友美の世界観が好き』って言ってもらえたらいいなと。可愛らしかったりカッコ良かったり色んな自分を発信していきたいから、何かしら一つでも刺さる板野友美を見つけてもらえたら嬉しい」

板野友美

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板野友美
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