三森すずこ「これからの人たちのサポートにも回れたら」ミルキィ終え心機一転
INTERVIEW

三森すずこ「これからの人たちのサポートにも回れたら」ミルキィ終え心機一転


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年02月20日

読了時間:約14分

バレンタインは橘田さんに

三森すずこ

――1曲目の「tultu...」は、ストリングスとスキャットで始まります。

 休日の朝をイメージしています。ハミングと言うかスキャットで始まり、それが小鳥のさえずりにも感じられて、いい気持ちで目覚められそうだと思って歌いました

――歌詞は、休みの日を迎えて旅の準備をする内容です。三森さんは、ツアーや舞台などの仕事で旅に行くことが多いですよね。

 そうですね。でも1年に1度くらいは、友だちとプライベートの旅行にも行きます。この曲は女友だちと二人で旅行するシチュエーションなのですが、レコーディングのときは「あそこにも行ったな」と、実際に行った友だちとの旅行を思い出しながら歌いました。でも、だんだん切ない気持ちになってしまって。

――どうしてですか?

 学生時代から仲がいい友だちのグループがあるのですが、お互いそれぞれが忙しくなってきて、今後はしばらく行けそうにないと思ったら、寂しさや心細さが溢れてきて。それでちょっとしみじみしてしまい、歌いながら涙が出そうになりました。

――仕事の関係では、最近はどんなところに行きましたか?

 ミルキィホームズの橘田いずみさんと、グアムに行きました。仕事では、昨年秋に『少女☆歌劇 レビュースタァライト』で一緒の小山百代ちゃんとロサンゼルスに行きました。仕事の合間にディズニーランドに行って、すごく楽しかったです。

――ブログでも書いていましたね。夜0時までやっているそうで。

 すごく楽しくて、百代ちゃんと閉園時間ギリギリまで遊んでしまいました。ホテルまで近かったので歩いて帰ったのですが、誰かが「そう言えば、この間は25年ぶりに銃の事件がない週末だったらしいよ」「…と言うことは、25年間毎週どこかで銃の事件があったってことだよね」という話をし始めるので、だんだんソワソワしてきてしまって。何事もなかったのですが、日本にはない緊張感を味わうのも海外の醍醐味だと思いました。

――旅の必需品は何かありますか?

 基本的なものだけ持っていって、必要があれば現地調達するので、必ずこれがなきゃダメみたいなものはありません。仕事でタイに行ったときは出発日を勘違いしていて、家でのんびりお風呂に入っていたら「三森さん、今どこですか?」と、電話がかかってきて。慌ててパスポートと財布と携帯だけ持って家を出たのですが、意外とそれくらいの持ち物だけで大丈夫でした!(笑)

――さすがですね(笑)。

 でも『探偵オペラ ミルキィホームズ』でアルセーヌ役だった明坂聡美さんは、泊まりの仕事でもないのにすごく荷物が多くて。「荷物多すぎない?」と聞いたら、実家にいたときは家が遠くて忘れ物を取りに帰るとすごく時間がかかるから、何でも念のために持っていく癖が付いていると言っていました。

――心配性なのかもしれないですね。鞄の大きさに性格が出ます。

 私は、どこでも生きて行けるタイプです(笑)。

――作品の話に戻りますが、3曲目の「チュッタシュガリン」は、ポップでかわいい曲ですね。タイトルは、シュガーとマーガリンに掛かかっているんでしょうか。

 じゃあ“チュッタ”は何だ? って思いますよね(笑)。タイトルは造語なので、新しいお菓子の名前みたいなイメージもありますし、言葉のリズムを楽しんで欲しいです。サビでタイトルを歌うところは、ライブのときにみんなと一緒に歌えたら楽しそうです。

――休みの日にお菓子作りをするのがテーマの曲ですね。

 休みの日にどこにも行かず、お菓子を作っている女子の曲です。リリース時期がちょうどバレンタインからホワイトデーのタイミングだから、お菓子を作る女子も多いだろうと思って作りました。お菓子を作りながら、聴いてもらえたら嬉しいです。

――三森さんも、バレンタインに手作りしましたか?

 私は毎年作っていて、スタッフに配ったり、ミルキィのメンバーにあげたりしています。だいたい失敗しますけど(笑)。でも休みの日にどこにも出かけず、1日中お菓子作りをするのはすごく楽しいんです。オーブンで焼いている間は、不安で何度も見てしまうんですけど、できあがるまでの時間は心地いいドキドキがあります。そういう乙女心が詰まった、すごくかわいい曲です。

――三森さん手作りのお菓子は、評判はいかがですか?

 だいたい失敗するので…(笑)。でも原因はわかっていて、変にヘルシーにしようとするからです。バターを使わず、代わりにサラダ油を使って変な味になってしまったり。

――結局、油を使うんですね。

 バターよりカロリーが抑えられるかと思って(笑)。橘田さんに柿の種のチョコレートがけをイメージして、醤油せんべいにチョコレートを塗ったものをあげたときは、思い切り「まずっ!」って言われました。でも、決してまずいものを食べさせようと思っているわけではなくて、単に失敗しちゃうだけなんです。今年も橘田さんには、何かを作って渡す予定です(笑)。

――橘田さんも、きっと楽しみにしていることでしょう(笑)。また「Swing of love」はスウィングジャズのサウンドで、ミュージカルっぽい雰囲気です。

 PandaBoYさんの作詞・作編曲で、最初はもっと夢見がちな女子のファンタジックな曲でしたが、休みの日にちょっとおめかしをして夜の街に繰り出すような、大人の休日感のあるオシャレな曲にしたくてPandaBoYさんにお願いしました。

 自分の中でジャズは大人というイメージがあったので、「ジャズにしてほしい」とお願いしたのですが、PandaBoYさんはジャズ初挑戦だったそうですけど快諾してくださって。「スウィングジャズだから、ここの譜割りはもっと食ったほうがいいのか」など、みんなで相談しながら、試行錯誤して作り上げていきました。

――いつもとは少し違う、大人っぽい声色も聴かせている印象です。

 いろんな声色をお聴かせできるところが、声優アーティストの醍醐味だと思います。今回はナチュラルに歌える曲が多かったので、「チュッタシュガリン」や「Swing of love」で、少し色がつけられたらと思いました。でも全体には、あまり声を作らず、曲に呼ばれるがままという感覚でしたね。

――「星屑のカーテン」は、夜の情景が広がる楽曲です。

 星空がブワ~ッと広がっている情景や、お部屋で一人でリラックスしながら過ごしている自分をすごく想像しやすい曲でした。休みの日が終わる夜、「明日からまた仕事だけど、もうちょっとだけ夜更かししちゃおうかな」みたいな、日曜日の深夜といったイメージです。休日というテーマで渡辺翔さんにお任せで作っていただいたのですが、翔さんは「今年一番いい曲ができた」とおっしゃっていて、そんな曲を作っていただけてとても嬉しかったです。

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