レキシが、6thアルバム『ムキシ』のリリースに合わせて、昨年11月にスタートした全国ツアー『TOUR 2018まんま日本ムキシばなし』の追加公演が、2019年1月22日と23日に神奈川・横浜アリーナで、2月6日に大阪城ホールで開催された。1月23日のアンコールには、アルバムにレキシネーム:ビッグ門左衛門として参加した三浦大知がゲスト出演。レキシと三浦の歴史的コラボに、会場が一体になって盛り上がった。【取材=榑林史章/撮影=田中聖太郎】

レキシ(撮影=田中聖太郎)

 1曲目は「SEGODON」。懐かしい音色のシンセのリフに、スケールの大きなサウンドが重なる。会場には巨大なミラーボールが回り、横浜アリーナがディスコに変身した。レキシの「さあ行くよ!」の声をきっかけに、観客が<SEGODON>と声を合わせてジャンプ。コール&レスポンスでは、レキシが繰り出すさまざまなフレーズを観客がメロディに乗せて口ずさむ。最後には“SEGODONジャンプ”をレキシと観客が一緒にキメた。

 冒頭から「どうも横浜アリーナのみなさん。ケビン・コスナーです」と、いつものように笑いを巻き起こしたレキシ。この日のライブは、レキシの歴史を振り返るという裏テーマもあるそうで、2007年の1stアルバム『レキシ』に収録の「Let's忍者」や、2ndアルバム『レキツ』収録の「ペリーダンシング」も披露した。

 「Let's忍者」は、まったりとしたムーディーな雰囲気の楽曲。リズムに合わせてゆっくりと身体を揺らして聴き入る観客。サビでは<Let's忍者>と観客が大合唱。大きな会場だからこその声の時差も、“時差スティッグ・マイヤー”と笑いに変える。ディスコチューンの「ペリーダンシング」では、ダンスビートに乗せてハイトーンのファルセットボーカルを聴かせた。バンドメンバーとの息もぴったりで、ここでは各メンバーのソロ演奏も披露。音で遊ぶネタが次から次へと繰り出され、レキシも観客も嬉しそうに音楽を楽しんだ。

 また、3rdアルバム『レキミ』から「墾田永年私財法」も披露した。始まる前には、ピアノの“元気出せ!遣唐使(渡和久 from 風味堂)”と、ライブでお馴染みのやりとりで笑わせる。楽曲はしっとりとしたピアノと歌で始まるミディアムナンバーで、美しいコーラスも聴かせて感動が広がった。

レキシとビッグ門左衛門として参加した三浦大知(撮影=田中聖太郎)

 最新アルバム『ムキシ』からも、多数の楽曲を披露してくれた。下駄の音が聞こえてきて、「もしかしてこの音は!」という一言で始まったのは「GET A NOTE」。レキシは目玉のおやじのかぶりものをかぶって歌い、観客も<ゲッゲッゲー>と歌いながらタオルを振って盛り上がる。レキシが演じる昔話「鶴の恩返し」の映像を導入に、背中に豪華な羽を付けて登場して歌った「SAKOKU」。リズム&ブルース調のバラードナンバーで、レキシはソウルフルなボーカルを披露。会場は一瞬でムーディーな世界感に変わった。また「奈良に大きな仏像」では、ラテンのリズムの格好いいビートに合わせて、観客はと、アルファベットを身体で表現する振り付けを楽しんだ。

 MCでは、終始笑わせてくれたレキシ。NHK『SONGS』に出演したときに放送でカットされたネタを披露して、「これだけは覚えて帰ってください。テレビでは観られない価値がある。それがライブでございます!」と名言。本編最後には、おまちかねの「きらきら武士」を会場一体になって楽しみ、レキシのライブの真骨頂であるアドリブ満載のコール&レスポンスを展開した。「それ、まだやるの?」と思うくらいのしつこさだが、それがだんだん楽しくなってくるのがレキシの楽しさ。レキシは自らシンセの演奏も聴かせ、最後にはステージセットの階段からジャンプしてキメた。

 アンコールでは、アルバム『ムキシ』に参加したビッグ門左衛門こと三浦大知が登場。ドッと沸く会場に「現金な奴らめ」とレキシ。ビッグ門左衛門を迎えて歌ったのは「GOEMON feat.ビッグ門左衛門」と「狩りから稲作へ」だ。一緒にダンスをしながら、ステージの真ん中で向かい合って歌った二人は、まるで長年のメンバーのように息ぴったりのステージングで観客を圧倒。間奏でビッグ門左衛門が圧巻のダンスを披露すると、会場は大歓声に包まれた。レキシが「稲穂を無駄に振る曲があるんですけど、せっかくですから一緒にどうですか?」と誘うと、ビッグ門左衛門は「無駄じゃないですよ。稲穂、好きですよ!」と快諾。「じゃあ一緒に、どっちが好きか考えてくれますか!」といったやりとりで、歴史的なコラボが実現した。レキシと観客が稲穂を振りながら歌うと、ビッグ門左衛門も一緒に稲穂を振る。その様子に「稲穂が格好良く見える!」と感動するレキシに、ビッグ門左衛門は「これがやりたかったんです!」と楽しそうな表情。そんなビッグ門左衛門を讃えるように、サビの歌詞を<門左衛門が好き〜>と替え歌にして、レキシ、ビッグ門左衛門、そして横浜アリーナを埋め尽くす観客が一つになった。

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