大阪を中心に活動中の5人組ロックバンドNovelbrightが1月27日、東京・渋谷Milkywayで『Novelbright 全国流通1st Mini Album「SKYWALK」Release Tour Tokyo Final ~初の東京ワンマンライブ~』を行った。2018年にリリースされたバンド初の全国流通盤『SKYWALK』のリリースを記念した全国ツアーのファイナルワンマン東京編となる。結成当時からのオリジナルメンバーのベース勇太朗がバンドを脱退し、圭吾(exアロネス)を正式メンバーに迎え新体制となったライブは、『SKYWALK』からのナンバーを中心に、アンコール含め全16曲を熱演。新体制となったライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

アコースティックからインストまで幅広い音楽性

雄大(撮影=堀内れい子)

 開演時刻になりスクリーンが上がると、ねぎ(Dr)のダイナミックなドラムサウンドがライブハウスに鳴り響いた。その上にギター、ベースの音色が重なっていく。雄大(Vo)がゆっくりとステージに登場し、『SKYWALK』に収録されている「ヒカリへ」で東京初ワンマンの幕は開けた。エネルギッシュで透明感のある歌声が広がり、オーディエンスもバンドが放つ“ヒカリ”を掴むかのように、ステージに向かい手を伸ばしバンドが紡ぎ出すサウンドに応える。

 ライブはギアを一段あげ、シンガロングがしたくなる盛大なコーラスが高揚感を煽った「Morning Light」、体を動かさずにはいられない、ライブハウスをダンスフロアに変貌させてしまうほどのグルーヴを打ち出した「Shall we dance??」と、序盤からアグレッシブなナンバーで席巻。

 このワンマンへの感謝を綴ったMCに続いて、雄大が「拳、上がりますか?」と投げかけ、久しぶりの披露となった「The Last Hope」から、絡み合うツインギターがクールなナンバー「My Savior」、「皆さんの疲れを癒せますように」と、明日への活力を与えてくれたミディアムパワーバラードで、感情を叩きつけるように歌う雄大の姿が印象的だった「また明日」、さらに結成当初から大事に歌い続けてきたという「Photo album」。雄大のエモーショナルなアカペラから始まると、ストリングスサウンドが包み込み楽曲をよりドラマチックに彩る。勢いだけじゃない繊細さも見せたセクションだった。

 ワンマンということで普段とは違うことをやりたいと、海斗(Gt)と雄大の2人でアコースティックで一曲披露された。2016年から無料配布をしていた3曲入りCDの中からの「たったひとつ」は、歌とアコースティックギターのみの最小限の編成で歌声、メロディをより鮮明に映し出す。ステージ上も夕暮れを感じさせる、温かみのあるライティングが楽曲を盛り立てていた。

 続いては楽器隊によるインストナンバー「Secret(Instrumental)」を披露。序盤は聡次郎(Gt)が丁寧にメロディを奏で、後半は海斗とのアグレッシブなギターバトルに展開、フュージョンテイストが盛り込まれたコンテンポラリーなナンバーは、このライブのフックとなっていた。再び、雄大がステージに登場し、爽快さと熱いエネルギーが同居した「月夜に照らされ」は、エンディングでジャズテイストに変わるという意表を突くアレンジでも楽しませた。

圭吾が正式メンバーに

雄大と圭吾(撮影=堀内れい子)

 MCでは東京でライブを始めた時の話などバンドの歴史が垣間見れた。そして、雄大は「信念を曲げずにNovelbrightを続けて行きます」と決意を述べ、間奏では雄大の凛とした口笛が鳴り響く、Novelbrightの個性がより感じられるナンバーのひとつ「Count on me」を披露し、オーディエンスを盛り上げた。

 ここで、バンドから重大発表。全国流通で順風満帆に進むかと思ったバンドは、ツアー初日は雄大の扁桃炎と嗄声のため延期に、そして、12月にはベースの勇太郎が脱退と辛いことが重なった。だが、それらを吹き飛ばすかのように、サポートでこのツアーに参加していた圭吾(Ba)が、この日より正式メンバーになることを報告。会場は歓声と祝福の拍手が鳴り響くなか、ライブはラストスパートへ。「最高の景色を作りたい」と本編ラストは「We are calling you」。クライマックスに相応しい一体感あふれる空間を作り上げていくと、雄大は「めちゃくちゃ幸せです」と満面の笑顔。多幸感に満ちたステージで魅了した。

 アンコールでは、圭吾が正式に加入したことについての挨拶を述べた。約1年半前から「次の人生で一緒にバンドをやりたい」と、雄大と話していたという。それもあって圭吾は「今の人生で一緒にやれてめっちゃ嬉しいです!!」と喜びを語った。そして、雄大は「この5人で描いている夢を叶えていきます」と決意も新たに、Novelbrightは新メンバーとともに再スタートを切った。アンコールではそんなバンドの気持ちを表した「スタートライン」。雄大は「みんなの前で歌えることが幸せ」と話し、それが全身から溢れ出るパフォーマンスで、東京での初ワンマンは大団円を迎えた。

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