西銘駿×浅川梨奈「学力は圧倒的にないです…」ノー勉強系が挑んだ「リケ恋」

本気の中に出てくる面白さは、新たな発見

――では、実は何か見えない幕みたいなものがあって、その幕をペロッとはがすと、（原作本の表紙の二人）このまま、お二人がその人になっちゃうようなイメージなのでしょうか？

西銘駿　そうですね。僕らがメチャクチャ“理系”タイプで、あと僕がずっと男子校で生きてきて、（浅川が）女子高で生きてきて、もう好きが分からない状況で二人が会うとなると、これが完成すると（笑）。

浅川梨奈　いや、私は女子高じゃない気がするんですよ。意外と女の子っぽいところがあったり…。

西銘駿　あ～それは確かにね。

浅川梨奈　氷室はこれまでちゃんと生きてきているけど“私は別に恋愛というものに興味がないから”という感じで、男の人とかがいた空間にはいた気がします。ただその恋愛という感情というか、そんなものに発展したことがないし、そういうのが分からない状態で出会って、みたいな…。あとストーリーのバックグラウンドとして、二人は幼少期に一度会っているというエピソードがあるから、その人を超えられる人はいないというのが、どこかにあるので、恋愛に向かおうしなかったというか。

西銘駿　そういう意味では、わりと似ている気がするよね。俺らには学力がないだけで（笑）

浅川梨奈　そうね、本当に（笑）。学力は圧倒的にないです、この二人は。

西銘駿

――…これも書きづらいですね（笑）

浅川梨奈　これは声を大にして言えるね。一番足りないのは何ですか？　って聞かれると“学力”だと（笑）。

西銘駿　僕は笑わないですよ、雪村みたいにクールなので。

――では意外と、最初に話を聞いたときには、“うわ～理系なんて絶対無理じゃん？”という感じだったけど、やってみると“俺ら、まさに適任だった！”という感じに気づいたときがあったのでしょうか？

西銘駿　いや、適任というか、このお仕事をやっていたら、逆に自分じゃない人間というか、自分じゃない人間、自分じゃないキャラの役が来たときに楽しいと思えるんです。楽しいと思えるので、この役だからできるかな？　というんじゃなくて、普段と違う役だからこそ自分でも挑戦したい、と思ってやると、すごく楽しいですし。もともと理系じゃないけど、こうやって理系の役をすることで、理系が楽しくなって、というパターンもありますし。

浅川梨奈　無理とか「嫌だ」とかじゃなく、そういう役が来たら逆に「こんなアホみたいなことをやっていても、そうやってお仕事を振っていただいた」と（笑）、そしてその期待にどう答えようとか、この仕事って自分じゃない人生を歩めるというのが醍醐味だと思っているんです。だからそれをどうやってこの原作があるものに対して、どう自分の要素も入れたりしながら、自分の与えられた役を色づけ、味付けしていけるか？　だと。だからやっていても楽しかったです、難しかったけど。

西銘駿　確かに。難しかったけど、楽しかったですね。

浅川梨奈　台本でいわれていることを理解するのは大変で、すごく調べたし。それはお互いだと思うんですけど、すごく理解するのに時間がかかったからこそ、面白いなと思いました。

西銘駿

――では“いつもの刺激的で楽しいお仕事が、また来た！”みたいな感じで？

西銘駿　そうですね、まさしく。挑戦でしたし！

――なるほど。一方でこの役をやることで、新たな発見みたいなことはありましたか？　たとえば先程“理系って、こうなんだ”ということを、改めて自分が知っているものと、何か違う新しいものを見つけられたんだと思いますが、それ以外でなにか…？

西銘駿　この話は、たとえば恋愛が好きで、真剣にやって、それが面白いというコメディーなんですよね、僕がこれまでやってきたものは、面白いことをして当たり前かのように笑う、だったんですけど、この話はそのコメディー感というか、“本気でやって、自分は真剣だからちゃんとやっているけど、でもそれを客観的に見たらすごい面白い、というか。そういう部分は新しい発見だと思うんですが…難しくて大変でしたね。僕はゲラ（笑い上戸）なんで（笑）

――そうでしたか。でも先程“僕は笑わない、クールだから”って言われましたよね？（笑）

浅川梨奈　（笑）

西銘駿　あ～でもだから…そうですね…愛想笑いです。冷たい、冷酷な感じの（笑）

浅川梨奈　いやいや、ただのゲラですよ。全部ゆがんじゃうくらい、ゆるくなっちゃうくらいの。ずっと笑っていますから（笑）

浅川梨奈、西銘駿