4人組ロックバンドのCellchromeが26日、5枚目のシングル「Aozolighter」をリリース。2015年に結成、名古屋を中心に活動する彼ら。2017年のメジャーデビューシングル「Stand Up Now」がTBSアニメ『コンビニカレシ』オープニングテーマに抜擢されたほか、3枚目のシングル「Everything OK!!」は、『名探偵コナン』のOP曲に選ばれ話題を集めた。今作「Aozolighter」も、『名探偵コナン』のエンディングテーマとしてすでに話題となっている。メンバーは『コナン』尽くしになった今年を振り返り、「コナンくんとともに突っ走って、成長することができた1年でした」と話す。今作について、今年の活動について、さらに今後の目標など、「Aozolighter」作詞を手がけた陽介(Gt)と、Mizki(Vo)に話を聞いた。【取材=榑林史章】
『コナン』とともに成長できた1年だった
――『コナン』のテーマソングを担当したのは2回目となりますね。
Mizki 2018年の第1弾シングルが「Everything OK!!」で、『コナン』のオープニングテーマで、2018年の最後にリリースする「Aozolighter」は『コナン』のエンディングテーマで。『コナン』とともに成長できた1年だったなと思います。『コナン』を観て僕らのことを知って、ライブに足を運んでくれるようになったファンの方もたくさんいて、「真実は一つ!」って描いてあるTシャツを着てきてくれる方もいるんです。
――「Everything OK!!」は疾走感のあるバンドサウンドで、歌詞には『コナン』にまつわるワードが詰め込まれたものになっていました。今回の「Aozolighter」は、がらりと変わって切なさ溢れるナンバーですね。
陽介 今回は、あえて『コナン』に関連したワードを使わず、(主人公の)工藤新一と毛利蘭の恋愛模様が描けたらいいなと思って書きました。自分の気持を伝えたいんだけど、伝えたらそれまでの関係が崩れてしまうんじゃないかと不安で、なかなか伝えることができないもどかしさを書いています。新一と蘭の場合は、また別の問題があるんですけど(笑)、きっと誰でもそういう経験はあるんじゃないかと思います。
Mizki 僕らとしては初のミディアムバラードになるので、しっとりめの曲調と歌詞のマッチングを楽しんでもらえると思います。音やメロディ、歌詞が一体となって、切ない気持ちが伝わったら嬉しいです。
――お二人も学生時代には、そういうもどかしい気持ちを感じたことがありますか?
Mizki そうですね。男の子は、ついかっこつけて、気持ちとは裏腹の態度をしてしまうことがありますよね。だから歌詞を読んで、自分の学生時代のことも思い出したりしました。
陽介 女性ファンの方からも、「歌詞に共感しました」とたくさん言っていただけています。僕は、新一の蘭に対する気持ちをイメージして書きましたが、こういうもどかしさは、男女共通なんだなと思います。
――Cellchromeのファンが、もっと違う曲を聴きたいと思う気持ちとも重ねられるかもしれないですね。
陽介 そうですね。そういう部分では、どんどん新しい表情を観せて行けたらと常々思っています。
――イントロや、ところどころに出てくるドラムのフィルがすごく効いていますね。そこに青春を感じました。
Mizki そこは、ドラムのtatsumaも意識しているところです。バンド感が出るし、イントロはピアノとの掛け合いになっているので、注目していただけて嬉しいです。
――ギターも曇り空を切り開いていくようなイメージがあって格好良いですね。
陽介 ありがとうございます。ギターは今までの曲の中で一番本数を重ねているんですけど、最後のほうですごく細かく弾きまくるところがあって、そこはレコーディングの最後に録ったんですね。それで「よし、盛り上げるぞ!」という気持ちもあったし、「これでレコーディングも終わりだ~!」という気持ちも重なって、力が入りすぎて弦が切れてしまって(笑)。もちろん弾き直したんですけど、それくらい気合を入れて録ったところです。
――歌録りでは、何かハプニングはありましたか?
Mizki ボーカルでは、そういうハプニングはなかったです。でも、この曲が僕らにとって初めてのミディアムバラードになるので、どう表現しようかと、いつも以上に考えたし、いい意味で楽しみながらレコーディングができました。
――歌の方向性としては、聴く人を感動させるのか、勇気づけるのか、共感させるのか。気持ちとしては、どういうものでしたか?
Mizki どちらかと言うと、自分に入り込んでいたと思います。自分の恋愛を思い出したり、自分が大切にしたい人のことを思い浮かべて、その人に届けるような気持ちで歌いました。自分でも「ちょっと甘酸っぱいな~」と感じる部分もありましたけど、それだけ入り込んでいたということだと思います。歌を伝えるということは、歌の上手さだけでなく、気持ちから出てくるものもあると信じているので、今作では内側から自然に出てくる声色が出せたかなと思います。