スキマスイッチが15日、東京・Billboard cafe & diningでおこなわれた、音楽と同期して歌詞を表示する次世代型スピーカー『Lyric Speaker Canvas』(COTODAMA社、16日発売)の製品発表会に出席。大橋卓弥は同製品について音楽と向き合うきっかけになるアイテムと言い、「ここから可能性が広がると思います」と期待を寄せた。

 『Lyric Speaker Canvas』は、クリエイティブカンパニーSIX社が企画開発し、2016年に本格的な事業として子会社化したリリックスピーカーを製造・販売するCOTODAMA社が16日からリリックスピーカーの新ラインとして販売を開始する。

 今回の製品について、実際に体感したというスキマスイッチの2人。大橋卓弥は「今は、すごく音楽を便利に聴ける時代になりましたけど、歌詞カードを見ながら聴くということは減ってきているのかなと思います。言葉を目で見ながら音楽を楽しめるというのは凄く良いアイテムだと思います。僕らも歌詞の行間に想いを込めていたりするので、そういうのは感じてもらいやすくなるのかなと」語る。

 さらに、大橋は「一生懸命、言葉で紡いだものがもう一度注目されるということは嬉しい。視覚的に行間を見れるということも良いと思います。英訳や和訳が出るとさらに、ここから可能性が広がると思います。作り手としては音楽と向き合うきっかけになるアイテムだと思います」と『Lyric Speaker Canvas』に期待を寄せた。

大橋卓弥

 常田真太郎は「洋楽なんかは、改めて目で見ると『こんなに簡単な英語だったんだ』と目で見て分かると思いますし、文字から入ることでまた音楽も身近になるんじゃないかと思います」とより音楽への親近感が高まることに期待。

 この日は、9月にリリースしたセレクションアルバム『スキマノハナタバ』に収録されている「未来花(ミライカ)for Anniversary」と彼らの代表曲「全力少年」を『Lyric Speaker Canvas』で再生するデモンストレーションもおこなわれた。曲に合わせ、歌詞が様々な字体、大きさでスピーカー上に映し出された。

 大橋は「スキマスイッチの音楽は、ひねりが多かったりするのですが、『未来花』はシンプルな方向に向かって書いていたので言葉もシンプルに作って行こうと言っていて。スッと歌詞が入ってくるんじゃないかと、改めて思いました」とコメント。

 常田は「歌詞を見ながら曲を聴いてもらうと、僕らの手を離れて曲が聴いている人のもとへ行っているのかなと思えて嬉しいですし、作りがいもあります」と言う。

 また、スキマスイッチの曲作りについて大橋は「常に等身大の曲を作ろうと思っていて。僕らももう40になるんですけど、若い時に書けなかった言葉も使えるようになっていると感じています」と話す。

常田真太郎

 COTODAMA社は英・ロンドンのアビー・ロード・スタジオが2016年にスタートした音楽テクノロジーインキュベーションプログラム「アビー・ロード・レッド」に選出されている。今年、アビー・ロード・スタジオで録音をおこなったというスキマスイッチ。

 大橋は「ビートルズのファンクラブに入っていたくらいなので、アビー・ロードは聖地です。当時使っていたピアノとかそのままあるので、これポール(・マッカートニー)が弾いてたのかと感慨深かったですね」と言い、常田も「文字や映像でしか見たことないものが身近にあって、今までやってきて良かったと思いました」と振り返る。

 COTODAMA社・代表取締役社長の斉藤迅氏は「音楽の歌詞だけは頭に入ってくる記憶があって、それをデジタル化したものです。暮らしの中に歌詞があるのって良いことなんじゃないかと閃きデザインしました。歌詞と暮らすスピーカーを作りたいと思っていました。歌の力を余すところなく伝えていきたい」と製品について想いを語った。

 メジャーデビュー15周年を迎えたスキマスイッチ。大橋は「僕らは人間としては正反対なんですけど、音楽的にはほとんど重なっているんですよ。それは15年変わらないですね」と言い、常田は「2008年にそれぞれソロ活動もして、スキマスイッチとしてはほとんど活動しない1年があったんですね。あの時は今でも覚えていますし、あれが15年に繋がっていると思います」と長く続く関係性を語る。

 大橋は「スキマスイッチ主催のフェスをやってみたいです。プライベートでは、健康診断に全然行ってないので来年はしっかり検査したい(笑)」と次への目標を明かす。常田は「今年色濃い1年を通して、来年からの活動にしっかり繋げていきたい。再来年はオリンピックもあるので、しっかり身体作って夏フェスでTシャツを脱ぎたいです」と来年への意気込みを語った。【取材・撮影=松尾模糊】

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