2人に歌って欲しい曲
――「忘れないよ」はどのように出来たのでしょうか。
YU 毎月沖縄に帰った時に友達と飲むんです。この頃はみんな結婚して子どもがいるので、居酒屋とかではなく友達の家で。子どもたちは最初走り回っているんですけど、夜になると寝て。そこで友達と「家族っていいもんだよ。大変なこともあるけど」という話をしたんです。このことで何か曲を作りたいなと思ったんですよ。ちょうどNHKさんからもお話が来ていたタイミングでもあって、こういう曲になりました。
NHK『みんなのうた』に使って頂いたのはすごく嬉しかったですね。そこで聴いたファミリーのファンや、D-51を知らない方もそれで知ってくれたりして。聴かせる系の曲で反応してくださったこともよかったです。
――「忘れないよ (Tropical Beach Ver.)」も収録されていますね。
YASU オリジナルが今年始めくらいのリリースだったので、ちょっと新しい感じのアレンジにしたら、面白いんじゃないかという話になったんですよ。今回は「沖縄の夏」がテーマなので、ビーチサイドで流れる様なアレンジもいいんじゃないかな、と思ってレゲエ調にしました。
YU レゲエバージョンの方がテンポも下がっていて歌いやすいですね。オリジナルは結構しっとりというか、気持ち込めて歌う様な感じなんですけど。こちらのアレンジはみんなでワイワイやるイメージ。温かさが増すというか、リラックスできる感じです。ライブではこちらの方が今の時期とかはいいんじゃないかなと。
――「Cindy」はブルースで、意表を突かれました。
YU 最近優さんと飲む機会が多いです。大先輩なので「まさか曲を作ってもらえないよな」と思いながらも話しているうちに、アルバムの制作の話になって。ほろ酔いの時にお願いしたらOKしてくれるんじゃないかなと「優さん、アルバム作るんですけど1曲書いてくれませんかね(笑)」と訊いたら「全然書くよ」と。
冗談かと思ったら2週間後くらいには「2人に歌って欲しい曲がある」と「Cindy」のデモが送られてきました。めっちゃいい曲を書いてもらったなと思っています。今までこういう曲は僕らにはなかったので。優さんがD-51に歌ってほしい曲が結構歌ものなんだなと驚きました。もっと沖縄感が強い曲が来るかなと思ったましたから。もともとそういう曲は好きなので、とても気に入っています。
YASU 優さんに頂いたデモの方がより音数が少なくて、男臭さのあるブルースでした。歌えるか不安だったんですけど、練習で歌ってみたらとても楽しかったですね。
YU ただブルースという音楽を歌ったことがなかったので、どんな感じで歌ったらいいのかというのは悩みながら試行錯誤しました。僕がこのアルバムのなかで、特に歌いたいという気持ちになるのは「Cindy」と「南の島のメリークリスマス」なんですよ。
「南の島のメリークリスマス」は空港で、やっちゃん(YASU)が「こんなのいいよな!」と急にサビを鼻歌で歌って録音していたんです。そこから1週間位たって「大体できたぜ」と送ってくれて。そのデモのAメロとBメロがサビよりも良かったんですよね。耳に残るというか。
――YASUさんも印象深い曲などあれば教えてください。
YASU 「We could be good friends」は割と最近考えていることを出せたと思います。僕はとても人見知りなんですよ。飲み会とかでも全然話さかったりするタイプ。でも人見知りというだけで話せなかった人が、もしかしたら僕の人生の助けになる人かもしれない。そんなことも知らずにただすれ違っていくだけなのはもったいないなと。だから「もしかしたら、いい友達になれるかもしれないね」というタイトルなんです。友達に向けた曲はたくさんあるんですけど、この曲は友達じゃない人に書いた曲になりました。
――個人的には「ラストシーン」にぐっときました。
YU これはもう12、13年前の曲です。カップリングとして収録していた曲なのですが、スタッフさんや友人からは好評で。「ライブでなぜやらないの?」とよく聞かれていたこともあって、アレンジを変えて収録しました。アレンジはアレンジャーに振る時も何回もリクエストを出しますね。もちろん自分たちの知らない音楽や、僕達とは違うイメージの音が届くと嬉しくなります。
――今作の収録曲はライブでも披露されていますか。
YU そうですね。新曲を歌う時って「歌詞忘れたらどうしよう」とか緊張します。まだ喉がこの曲に慣れていないので必死。でも楽しいです。
YASU 「Take it easy」とかも何回かやっていて、お客さんのノリもいいですね。「忘れないよ」もいい反響がありました。お客さんのノリ方が決まって、初めて曲が完成すると思っているので、まだ組み立て中という感じですね。
YU レコーディングとライブって違うんですよ。ライブではお客さんから力をもらえるので、より気持ちが入ります。レコーディングの時ももちろん真剣なんですけど、さらにパワーが出ますね。ライブの方がよく聴こえるんじゃないかと思います。














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