世界へ、必然だった出会い――、HYDE×Starset 惹かれ合った才 終わりなき進化
INTERVIEW

世界へ、必然だった出会い――、HYDE×Starset 惹かれ合った才 終わりなき進化


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年10月24日

読了時間:約10分

 ソロ活動を本格的に再始動させたHYDE。今月24日には3作目となるシングル「FAKE DIVINE」をリリースする。「常に新しいもの」を追及してきたHYDEの最新音楽がこの作品で表現される。そのHYDEは7都市33公演にも及ぶライヴハウスツアー『HYDE LIVE 2018』を実施。9月に、Zepp Tokyoで開催された8公演のサポートアクトとして出演したのはシネマティック・ロックバンドのStarset(スターセット)だ。今回はHYDEとStarsetにインタビューを実施。なぜ彼らは惹かれ合うのか、その理由を探った。【取材=木村陽仁/撮影=冨田味我】

偶然ではなく、必然だっためぐり合わせ

 今年6月27日にシングル「WHO’S GONNA SAVE US」でソロ活動を本格再始動させたHYDE。8月1日には2作目となる「AFTER LIGHT」をリリースすると、10月24日には3作目となる「FAKE DIVINE」を発表。こうした加速度的な展開は、「今、自分を探求するのがすごく楽しい」という言葉にも象徴されるように、創作へのエネルギーが漲っている表れともいえる。

 そんなHYDEが照準を当てているのがアメリカ、いわば世界だ。その追及心はロックの真髄を突き刺し、楽曲となってこれら3作に表れている。そうしたなかで、『HYDE LIVE 2018』追加公演のサポートアクトとして、アメリカで人気を集めるStarsetを招いたのは偶然ではないはずだ。HYDEは彼らの音楽性を高く評価し、Starsetの楽曲「Monster feat. HYDE」にも参加している。そもそも彼らはどんなバンドなのか。

 Starsetは、キャッチーなメロディとエモーショナルなヴォーカルで人気急上昇中の米シネマティック・ロック・バンド。2013年に結成され、映画音楽、テクノロジー、天文学にまで、ロックの枠を超えたコンセプト・アルバムで注目を集めてきた。ライヴではメンバーが宇宙服で演奏する姿も話題にもなった。

 その中心人物であるダスティン・ベイツ(Vo, Key)は電気工学の修士号を取得し国際宇宙大学で教鞭をとったこともある。その彼が、未来主義が現実となって想像力が好機となる図式に基づき描いた、2017年1月リリースのセカンド・アルバム『ヴェセルズ』は米ビルボード・アルバム・チャートで11位を獲得している。

――バンドのコンセプトは?

 ダスティン・ベイツ 「様々な要素があるんだけど、まず一つに、テクノロジーがいかに社会を変えているか、これからがどういう影響を及ぼしていくのか、近未来的な視点でとらえた時に、悪い方向に進むかもしれないし、良い方向に進むかもしれない。そのあたりの興味は、僕自身が電気工学を勉強してきたという影響もあるかもしれない。それを踏まえて僕たちは小説的なストーリーを書いた。それがベースとなっているのが僕らのミュージックビデオでもある。要するに、テクノロジーがこれから発展した先に結果として訪れるであろうデストピア的な将来、僕らはよくトライワイトゾーン+サイファイと言っているけど、そういったことをミュージックビデオで描くことをやっている。全体として僕らが見せているのは今のテクノロジーがおよぼす影響かを…だね」

 「とにかく、彼らはかっこよくて」というHYDE。彼らを知ったのは3年前。アメリカで開催されたロックフェスで出会い、その後、HYDEが所属するアメリカの事務所に彼らが入ってきたことで急接近した。なぜ彼の音楽に惹かれるのか。

 HYDE 「最初に会ったのがフロリダのロックフェスでした。去年一緒にツアーをまわって、その時に彼らのファンになって。普段から聴いていたんだけどね。彼らの音楽は個性的なんだけどかっこいい。個性的でかっこいいを両立するのはなかなか難しくて。それがちゃんとできているから好きなんだよね」

 対して、StarsetはHYDEにどういう印象を持ったのか。

 ダスティン・ベイツ「去年ツアーを一緒に回ったんだけど、あまり時間もなかったし、ほかのバンドも出ていてカオス状態だったから、コミュニケーションを取るという余裕もなくて。お互いのショーもじっくり観覧することもできなかった。今回、日本に来て改めて、HYDEはこんなにもトップクラスのことをやっているのかと、凄く驚いた。ステージのセットもすごいし、曲自体も、メロディの美しさも印象に残っている。フロントマンとして、シンガーとしてのHYDEにすごく感銘を受けている」

 更に、ダスティンはこうも語った。

 「ここまで世界観が一致する方と一緒にできる経験も僕らはあまりないので光栄に思っています」

 なぜ互いに惹かれ合ったのか。それぞれが見つめる先とは何か。偶然ではなく必然のようにめぐり合った2組、彼らの今の考えに触れることで、その過程で生まれる音楽の意味合いは大きく変わるのではないか、そんな気がした。以下は一問一答。

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