北海道ならではのスケール感、The Floor 気持ち後押しする音楽
INTERVIEW

北海道ならではのスケール感、The Floor 気持ち後押しする音楽


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年10月18日

読了時間:約11分

フェス経験が染みついたスケール観

The Floor(撮影=榑林史章)

──普段はどういう音楽を聴いているんですか?

ササキハヤト EDMも聴くし、いろいろですけど…。全員一致して好きなのは、2010年代のシンセポップです。ウォーク・ザ・ムーン(米バンド)とかThe 1975(英バンド)とか、そういった音楽から影響を受けながら、みんなで楽曲制作をしています。

永田 やっぱり踊れるものが、基盤にはありますね。

──ここ数年フェスでは四つ打ちのダンスロックが多いですが、そういうところとの差別化みたいなことは考えていますか?

永田涼司 結論を言うと、差別化したいとは思っています。ただ、どういう部分で差別化するかが鍵で…。僕らは、10代の頃に影響を受けた邦楽のロックバンドがメンバーごとバラバラにあって、20代の頃にはインディーロックのバンドやさっき話に出た洋楽のバンドから影響を受けていて、つまり音楽の青春が2度あって、その2つを掛け合わせてやっているバンドは、僕ら以外に日本にはいないと思っています。

 邦楽の土台に四つ打ちを取り入れたバンドはいて、洋楽に寄っているバンドもいるけど、その中間点を上手く取っているバンドは他にいないから、そこが僕らが差別化できるポイントだと思っています。そこに自分たちの音楽を置くことで、The Floorとしての個性やアイデンティティが生まれているんじゃないかと。

──アレンジの時にメンバー同士で、これはこうだからこうしようとか、わりとロジカルに話し合うんですか?

永田涼司 話し合いますね。組み合わせをいくつも試す時に出てくるアイデアは、すごく多いバンドだと思います。ロジカルかどうか分からないけど、わりと緻密にやっていると思います。スタジオでバーンって大きな音を出して、ノリで作ることがないわけはないけど、みんなであーだこーだと意見を出し合いながら、パソコン上でアレンジを組み立てていくことがほとんどです。

──あと感じたのは、北海道出身だからなのかは分かりませんけど、他のバンドにはないスケール感があると思いました。特に新曲の「革命を鳴らせ」がそうですが、野外でやったらすごく合いそうな感じがしました。

永田涼司 僕ら的に、そういう大きなイメージはわりと意識していますね。聴いてくれる人に、広い場所で鳴らしているかのようなイメージを思い描いてほしいと思って、ドラムにリバーブをかけたりとか、そういう音作りをずっと続けています。それが北海道の大地から受けた影響なのか、たまたま好きで影響を受けた音楽がそういうものだったのかは分からないですけど。

 でも東京でライブをするようになってからは、北海道だからっていうことを言ってくださる方が結構いるので、もしかしたら実際に北海道という土地が与えてくれた影響なのかもしれないですね。うちの実家では、近所迷惑をあまり考えずに家でも大きな音を出せたので、そういう環境で音楽を楽しんでいた経験が、影響しているかもしれないって思います。

コウタロウ 北海道では、毎年『RISING SUN ROCK FESTIVAL』があって。僕とヨウジは、小学生とか小さい頃から家族で行っているので、そういうデカイところで鳴らしているイメージがバンドの原体験としてあって。無意識ではあるけど、そういう影響があるかもしれないです。

ミヤシタヨウジ 大自然の中で音楽が鳴っているスケール感と言うかね。

──それが小さい頃から、染みついているわけですね。

コウタロウ そうだと思います。

ミヤシタヨウジ それにプラスして、洋楽からの影響もあると思うし。

永田涼司 もしみんな東京出身でバンドをやっていたら、もっと違った音像になっていたと思います。

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