4人組ロックバンドのThe Floorが10日、1stシングル「革命を鳴らせ」をリリース。2012年にササキハヤト(Vo)、ミヤシタヨウジ(Ba)、永田涼司(Gt)、コウタロウ(Dr)で結成。北海道・札幌に在住しながら活動し、2016年に『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016』にRISING★STAR枠で出演。今年2月にアルバム『ターミナル』でメジャーデビューした。「革命を鳴らせ」は、これまでのオリジナリティ溢れるダンスロックサウンドをベースにしながら、北海道出身の彼ららしいスケールの大きさも加わったメッセージソングに仕上がった。彼らはどんな想いでこの楽曲を生み出したのか、ライブのために上京したメンバーに話を聞いた。【取材・撮影=榑林史章】
汗と涙で床を濡らしたい
──先日ライブを拝見しましたが、新曲「革命を鳴らせ」の前に熱く語るMCが印象的でした。あの熱い語りがあることで、「革命を鳴らせ」という曲に耳がより向くなと思いました。
ササキハヤト 実は、MCでしゃべるようになったのは、けっこう最近です。僕はもともとしゃべるのが得意ではなくて、CDデビューしてすぐにやったワンマンでも、ほぼノーMCだったんです。でも徐々に伝えたいことを言葉にして伝えなきゃと思うようになって。この「革命を鳴らせ」という曲を、よりしっかり伝えたいという気持ちもあったし、この曲を作ったことで伝えたいことがより明確になった部分もあって。それでもっと伝えたいという想いが溢れてきて、「MCをやらなきゃ」みたいな義務感ではなく、自然としゃべりたいと思ってMCをするようになったんです。
ミヤシタヨウジ もともと饒舌なタイプではないので、そのぶん真っ直ぐな感情しかないと言うか。不器用だけど一生懸命伝えようとする姿に、すごく好感が持てます。そういうほうが、スラスラ言葉が出てくる人よりも信頼できる感じがするし。それがハヤトの強みだと思うので、MCで伝えたいという気持ちがあるなら、それを僕らも後押ししたいという気持ちですね。
──不器用さが人の胸を打つわけですね。
ササキハヤト 最初の頃は、器用そうに見せたい自分たちがいて、不器用な俺を見せたくなかったのもあったんです。そんな俺でも素の自分を見せたいと思えるようになったのは、自分でもいい変化だなって思います。
──演奏まで不器用なのでは困りものですが、そこはむしろテクニシャン揃いのバンドという印象です。特にギターの永田さんは、ジャズマスターをあんなに上で構えて弾いているところに、相当のこだわりを感じました。
永田涼司 僕みたいなスタイルは、あまりいないですよね(笑)。
ササキハヤト 「日本一ギターの位置が高いギタリスト」として、売り込んでいこうかと(笑)。
永田涼司 バンドとしては、わりとギターロックに捉えられがちですけど、個人的にはそこから逸脱した存在でいたいと考えていて。単に人と違うことがしたいというわけではなくて…でも、そこが最初だったかもしれないけど、単純にギターロックと一言で括られてしまうのが嫌だと思っていて。それで僕は衣裳もそうですけど、分かりやすく見た目の部分からでも、いわゆるギターロックにはない要素を取り入れたいと思ってやっています。
──リフのメロディがちょっと独特で、そこはThe Floorのオリジナリティですよね。
永田 リフに関しては、ギタリストから影響を受けることは少なくて、洋楽のシンセのフレーズからインスピレーションを受けてメロディを考えることが多いです。だからいわゆるギタリストが作るフレーズとは、少し違うかもしれないですね。ステレオタイプのギターロックみたいなものには捉われないようにしようと思って、フレーズだけじゃなく、音色や魅せ方など考えています。
──リズム隊はダンスミュージックっぽい感じですね。
コウタロウ 僕は常にライブを意識して、みんなが一緒に楽しくノレるリズムを心がけています。
ミヤシタヨウジ 僕は普段から踊れる音楽を好んで聴くし、ルーツとしてそういうものもあるので、バンドでアレンジをする時に、それが自然と出るのだと思います。もちろん踊れるものを意識してアレンジを組むこともありますけど。
──The Floorというバンド名は、ダンスフロアから来ていたりしますか?
ササキハヤト ダンスに限らずライブハウスのフロアでもいいんですけど、汗とか涙で床(フロア)をビショビショに濡れさせるようなバンドになりたいという気持ちで、The Floorと付けました。