日本人の音楽を世界に、黒船 ジャズに奄美と津軽三味線の要素を
INTERVIEW

日本人の音楽を世界に、黒船 ジャズに奄美と津軽三味線の要素を


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年10月09日

読了時間:約12分

島唄をどう残すのか

インタビューに応じる里アンナと関谷友貴(撮影=冨田味我)

――関谷さんからみた和楽器の魅力とは何ですか?

関谷友貴 例えば津軽三味線はギターとは違って、その楽曲の調に合わせてチューニングするんですよ。なので、ジャズのハーモニーについてくるのが困難な時もあります。でも逆にそれができなくても、音色が格好いい。ジャズの楽器として100点ではなくても、それ以外のところで200点という楽器が日本にたくさんあると思っているんですよ。それを武器に海外も視野に入れて活動していきたいと思っています。

――里さんのこうしたバンド活動について、地元の島唄の方々はどの様にお考えになっているのでしょう?

里アンナ 色々なご意見があると思います。一般的に島唄というものが、沖縄の音楽と一緒というイメージがまだまだたくさんあると思うんです。奄美は鹿児島県ですけど、琉球王国だった時代も、薩摩だった時代もあって。そのなかで守られてきたのが島唄。私自身も18歳くらいの時は、島唄は島唄でポップスと一緒にしたくないと思っていました。

 でも活動を重ねていって、次の世代にどう伝えていくかということを考える様になったんです。方言についても私以下の世代はもっとわからなくなっている。それをどう残していくのかと思う時に、島唄を色々な音楽に乗せて歌うということがいいのかな、と。色々な意見があると思いますけど、そこから「島唄ってこんなに格好よく歌えるんだ」と気付いてもらって、そこから本来の奄美島唄へ興味が繋がっていくことを願っています。

――NHK大河ドラマ『西郷どん』のメインテーマも歌われていましたね。

里アンナ ドラマの中でも奄美の方言で歌わせて頂けたので、それが色々な事に発展していったらいいと思っています。歌以外にも私も役者として演じてみて再確認できたこともたくさんありました。ここ数年「もっと島唄を知りたい」という気持ちにもなっているので、今後いい影響を見せられたらいいですね。ドラマに出演できたのは、以前ミュージカル『レ・ミゼラブル』に出たことや、私が奄美の言葉をなんとか話せるということも要因としてあったとも思います。それにしても貴重な経験でした。

――10月からはリリースツアーも始まります。

里アンナ アルバムの曲を中心にお送りする予定になっています。今回の新作については色々な音楽性に挑戦しましたし、島唄も含め、面白いと思ってもらえる様な内容にしたいですね。

関谷友貴 メジャーデビューとなりますが、今まで通り全力で演奏していくつもりです。

(おわり)

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