音楽は普遍的な言語、キャンディス・スプリングス 引き継ぐ遺志
INTERVIEW

音楽は普遍的な言語、キャンディス・スプリングス 引き継ぐ遺志


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年10月04日

読了時間:約8分

音楽は普遍的な言語

キャンディス・スプリングス(大西 基)

――海外では社会に対してメッセージを投げるアーティストもたくさんいます。音楽で何かを伝えたいということはありますか?

 貧困な子供たちに対して、将来的にショウをやって寄付などできたらいいなとは思ってます。楽器の弾き方を教えたりとか、音楽というものは多くの人が団結できるものだと思いますから。音楽は普遍的な言語なんです。私は基本的に人間は平等であると思うし、平和や愛を感じられる活動についてはサポートしていきたいですね。権利を主張する事は悪いことだとは思いませんから。

――ところで、あなたがプリンスさんと一緒にサイクリングしたことがあると聞いたのですが。

 その質問は初めてされました(笑)。プリンスは4台自転車を持っていたんです。ショウが終わって、観客が駐車場の方に帰っていくじゃないですか。その時に彼の自転車が置いてあるところに連れていかれて。それから大きなアフロ頭の私とプリンスが帰り道の観客たちの前を通るんですよ。「あれはもしかして?」みたいな感じでこちらを見ていたので、気付かれた様です(笑)。場所にもよりますけど、アメリカのミュージシャンは割と自由なんですよね。

――日頃の練習はどの様なことをされていますか。

 練習はできるだけする様にしています。最近ボールドウィンの100年もののピアノを買いました。リビング中のスペースをとっているんですけど、それで練習していますよ。そのピアノから「もっと練習しなきゃ」というインスピレーションをもらうんです。今やっているのは、クラシックの練習曲やライブでやる様なことが多いですね。

 バンドのメンバーがみんなニューヨークにいて、私だけナッシュビルじゃないですか。なのでライブの前とかに、ミーティングしないといけないんです。ただ、ショウの直前のサウンドチェックで打ち合わせになってしまうこともあって。状況によっては10分くらいの打ち合わせで練習せずに本番という時もあります。ベルギーでの公演もそうでした。「OK, Lets'go」みたいな感じ。そういう冒険も楽しいんですよ。ミュージシャンの人生なんて、こんな感じです(笑)。

――日本では気軽に音を出せる環境がないので、ミュージシャンはひと苦労です。

 そんなことは考えたこともなかったです(笑)。大変なんですね。確かに私もニューヨークにいた頃は小さなアパートに住んでいたので、結構音を出しにくい環境ではありました。ヘッドフォンとかしながら練習してましたよ。

――なぜナッシュビルに帰ったんでしょう?

 ナッシュビルは私の地元で家族もいるし、大好きな車のコレクションもできるから。ロスやニューヨークだと簡単にはできないことです。それ以外で住むとしたらロスかなと思いますが、ナッシュビルは私にとって重要な拠点なんです。あとは音楽の街だし、食べ物も美味しい。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

 みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。演奏後も、ミート&グリート(交流)に来てくれれば嬉しいです。ジャズだけじゃなくて、ブラジリアンやロック、ソウル、クラシックなども織り交ぜて演奏しますので、楽しんでくださいね。

(おわり)

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