ユアン・マクレガー、脳裏に描いた父親像としてのクリストファー
INTERVIEW

ユアン・マクレガー、脳裏に描いた父親像としてのクリストファー


記者:鴇田 崇

撮影:

掲載:18年09月19日

読了時間:約5分

 ディズニーが誇る人気キャラクターの「くまのプーさん」を実写映画化した映画『プーと大人になった僕』が公開され、幅広い世代を中心に感動の渦が広がっている。くまのプーさんと大人になった親友、クリストファー・ロビンの奇跡の再会を描く本作は、クリストファー・ロビンのその後をディズニーが初めて描く野心作であると同時に、誰もが大人になって忘れかけていた大切なモノを思い起こすという普遍的なテーマも扱い、ディズニーや原作のファンでなくとも、楽しめるエンターテインメントだ。

 プーとの再会で自分を見つめ直す主人公のクリストファー・ロビン役を、ユアン・マクレガーが好演している。『トレインスポッティング』『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のオビ=ワン・ケノービ役で日本でもカリスマ的な人気を誇り、記憶に新しい昨年の『美女と野獣』ではルミエール役として新たな地平を得た名優。今回、意外にも初来日だったマクレガーにインタビューを敢行。知られざる撮影後のほっこりエピソードからプーを語るには外せない伝説の作曲家、リチャード・シャーマンとのエピソードまで多岐に渡る質問をした。【取材=鴇田崇】

【トピック】
○シャーマンが曲を書いたことはすごいことだよ
○父親像としてのクリストファー・ロビン

シャーマンが曲を書いたことはすごいことだよ

――最近のディズニーは、実写化映画化の成功が続いていますよね。『美女と野獣』ではベルが自発的に父親の身代わりになるシーンがあり、本作でもクリストファー・ロビンの<その後の>物語をディズニー映画として初めて描くなど、オリジナルを大切にしつつも、現代的な要素を加味する挑戦をしていますが、両方の作品に出ている身として感じることは何でしょう?

 全部君の言う通りだよ(笑)。答えを全部言っているようなものだよね!

――しゃべりすぎましたか(笑)。

 いや僕が言ったことにしよう。かっこうをつけてね(笑)。まさにその通りだけれど、面白いよね。僕たちが愛してよく知っているキャラクターたちを、ちょっとひねる、あるいは、野心的なかたちで描くってことがね。クリストファーの場合は、まさしく指摘のように年齢を大人に変えている。

ユアン・マクレガー

ユアン・マクレガー

――あのクリストファーの人が変わったというよりも、あのクリストファーだから、あのようになり得た感じも絶妙だと思いました。

 そう。面白いと思ったことは、クリストファーが持っている性質を、大人になった時にどうなるかという視点でも描いているところだよね。つまりA・A・ミルンが描いた原作の世界では、森の仲間たちの中ではトラブルシューターという立場にあって、みんなが何かアドバイスがほしいと思った時に助ける存在でもあり、一番バランスが取れた位置づけだよね。その後、大人になったら仕事ばっかりで、娘に対してもとても厳しいし、遊ぶことを楽しむことを忘れてしまっているかのようにな存在になってしまっているけれど、つまり、もともと持っていいる資質を開花すると言うとヘンだけれど、そういう風になった、ということにしているところもすごく面白いと思う。そもそもプーはアニメーション作品の数々が素晴らしいわけで、そのままリメイクの理由もないわけだしね。すごく面白い点だよ。

――アニメーション作品の数々と言えば、プー作品にゆかりが深い伝説の作曲家、リチャード・シャーマンが本作に参加していることも見逃せないですよね。

 ロスのスタジオでプレミアをした時、ちょっとだけ会うことができたよ。今回3曲も書き下ろしていらして、素晴らしい楽曲だ。原作を読むと、もともとプーはいつも歌を勝手に作って歌っていてね。雲のことをユーモアいっぱいに歌うけれども、僕も絵本を子どもたちにずっと読み聞かせをしていたけれど、メロディーがないので、その場で作らなければいけなかったんだ。でも、それらの曲をシャーマンが書いたことはすごいことだよ!

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