若手ラッパーの日本一を決めるフリースタイルバトル『BSスカパー! BAZOOKA!!!第14回高校生RAP選手権in NAGOYA』が8月31日、愛知県名古屋市内のZepp名古屋でおこなわれ、大阪出身のHARDYが4度目の出場で初優勝を果たした。HARDYは大会後の囲み取材で「負けた分だけの喜びがあります。嬉しいです」と両手でトロフィーを持ち、勝利を噛みしめていた。

 年に2度開催されている大会。愛知では初開催となったこの日。全国のオーディションを勝ち抜いた16人がステージに立っていた。既にライブで活躍しているものや、ラップを始めて2カ月というものなど個性溢れる高校生がそれぞれのスタイルでラップにぶつけた。

 1回目では勝敗がつかず延長戦になる戦いもあるなど、白熱したバトルのなかで決勝に勝ち進んだのは、ともに大阪出身のRed EyeとHARDY。優勝候補と言われる2人は相手のラップをしっかり受け止めつつも、それを上回る返しをみせ、デットヒート。1回目では勝敗が付かず、延長戦に。最終的に僅差でHARDYが優勝した。

 大会を振り返り審査委員長を務めた、漢 a.k.a GAMIは「決勝は審査委員なかでも意見が分かれるほど難しかった」と総評。審査員の呂布カルマは「スキルののびしろを感じました。キャラクターを持っている人も多くて。バトルの外でも活躍できる人も沢山いた」、MARIAは「見ごたえがあった」、DOTAMAは「レベルが高くなってきている」と期待を寄せた。

 また、同選手権で第1回・第4回大会の優勝者で今回審査員を務めたT-Pablowは「レベルが高くなっていて、今日良いなとと思ったのは普通に音源を聴いてみたいなと思う人もいて、どんどん進んでいっているなと思いました」と語った。

 4回目の出場で悲願の優勝を手にしたHARDYは大会後の囲み取材で「負けた分の喜びがありました。友人からは『お前は優勝する』と励ましの言葉や、『このままじゃだめだぞ』と尻を叩いてくれる人もいて…(優勝を手にして)嬉しいです」と喜びを語った。

 そんなHARDYは今回が最後の大会と決めていた。「(この大会が)一番気合が入っていたというか。今回が最後、今回で(優勝を)獲るという気持ちでいたので、背水の陣でした」とプレッシャーもあったようだ。

 準決勝で対戦したの埼玉出身のOno-D、決勝のRed Eyeはともにスキルも高く、審査員も絶賛を寄せたほどの実力者。強豪を相手にした戦いで勝敗を分けたのは、スキルではなく「気合」の差だったと振り返る。「気持ちがバイブスに変わったというか、バイブス、リリック、テンション全て最高の頂点に達したのが良かった。僕の方が少し気持ちが出て、それがバイブスに変ったということだと思います」。

 優勝のトロフィーを両手で持ち、記者の取材に応えるHARDY。悲願の優勝を噛みしめつつ「この結果をプラスに変えるのか、マイナスに変えるのかは今後の活動次第。しっかり行動していきたい」と気を引き締めていた。

 なおこの日は、MCとして小籔千豊、やべきょうすけ、レギュラーメンバーとしてくっきー、中嶋イッキュウ、Licaxxx、紗蘭が出演した。また、この大会の模様は9月24日午後9時から深夜0時、BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)で放送される。【取材・撮影=木村陽仁】

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