未来の自分に残し伝えていきたい、暁月凛 負の感情も音楽に昇華
INTERVIEW

未来の自分に残し伝えていきたい、暁月凛 負の感情も音楽に昇華


記者:長澤智典

撮影:

掲載:18年08月16日

読了時間:約11分

闇に包まれた夜が一番好きな時間帯

暁月凛(撮影=片山拓)

――『Time Capsule』は今の凜さんにとってどんな作品になりましたか?

 『Time Capsule』というタイトル通り、過去の自分の集大成であり、それを未来の自分に残し、伝えていきたい作品になりました。タイムカプセルとは、自分の過去の想い出を詰め込み、それを未来の自分へ託すものじゃないですか。このアルバムを10年後に改めて開いたとき、どう思うんでしょうね。また改めて初心の気持ちを思い出すのか、それとも別の感情を抱くのか、それも楽しみにしていたいなと思います。

――ここまでの2年半の歩みを振り返っても、凜さん自身いろんな気持ちの変化があったと思います。10年後の心境がどうなっているのかは、本当に予測がつかないですよね。

 デビュー前も含めた約3年間の中でも気持ちの上で変化や成長出来た面もあれば、いまだ悩み続ける面もあるので、それが10年後にどうなっているのかはわたしも楽しみです。もしかしたら、ずっと同じ悩みを抱え続けてるかも知れないし、今はまったく想像がつきません。だからこそ今作を、わたし自身も未来へ託そうとしていくんだと思います。

――個人的に「Far from home」という静かな楽曲から厳かに幕開けていくところが好きです。

 楽曲自体が、わたしの人生そのものへ寄り添っている感じがしています。先にも語ったように、この歌は真夜中、もしくは明け方前を感じさせる、まだ光のない時間帯が似合う歌です。そういう時間帯に一人闇に包まれていると心細くもなるじゃないですか。この歌の出だしも<心細い夜を超えて>と記されているように、そこから始まる感じがわたしは好きなんです。

――凜さん自身、夜に惹かれるタイプですか?

『Time Capsule』初回生産限定盤

 ソーラーって、太陽の光を吸収してエネルギーにしていきますよね。わたしは、光のない時間が長ければ長いほど自分の感性が鋭くなる。闇に包まれた夜が一番好きな時間帯です。それって、いまだに中二病ってことなんですかね(笑)。

――いや、そういう方は年齢問わず多いと思いますよ。とくに表現者の方には多い傾向があると思います。

 そう言って頂けるなら嬉しいです。わたし、夜中に一人で考え事をしてることが多いんです。そういう時間帯ほど感性が磨かれて、感情が極端にプラスにもマイナスにもなるんですけど。でも、それを含め、夜こそがわたしらしくいれる時間帯だなとも思っていて。しかも、休みの日には明るくなると寝て、暗くなると起きるような生活で、まるでふくろうのようになってしまいます(笑)。

――「通常盤」のジャケットに映し出された横顔は、とても神秘的で惹かれます。

 おー、ありがとうございます。じつは、自分の一番良い表情として写し出せるのが横顔なんですよ。以前にも、「横顔は美しいのに正面は残念」とコメントされたことがあって(笑)。そこはわたしも感じていることで、だから今回も大好きな横顔からの撮影もおこないました。

――いやいや、正面から見ても素敵ですよ。

 ありがとうございます。

――その視線の先に何を見据えているのか、とても気になります。

 その表情は、タイムカプセルを開けようとしている未来のわたしかも知れません。そんな未来感もジャケットを通して覚えていただけたら嬉しいです。

(おわり)

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